某住宅メーカーに就職して間もない頃、「石の上にも3年だぞ!」と叔父に言われて、その後約25年間、色々なことがあったが、転職することもなく頑張ることができた。今となってみれば、本当に有難いアドバイスであったと、叔父に感謝である。その叔父も早くに他界してしまったが、「人生の目的とは何か」を考えさせられた25年間であった。
医療とは無縁の職場に就職したのだが、仕事をしていく中で、勤務医の方々との縁に学び、「地域医療に貢献されるドクターのサポートがしたい」との思いから、医業経営のノウハウを学ばせていただいた。 今も、地域医療に貢献して頂いている、数多くの先生方のクリニックの開業をお手伝いさせていただけたことは、私にとりまして生涯の財産です。
私が子供の頃に亡くした母に次ぎ、昨年父までも、とうとう他界してしまった。
私がまだ若い頃、父とは良く酒を酌み交わしながら、「生と死論」なるものを酒の肴にしてしまい(親父だから許されたのだ)勢いで父と語らっていくうちに、よく「生老病死」についての議論にまで発展したものです。
私が、『俺にとって人の死とは、永遠に自身の滅であり、忌み嫌うものである』と告げると、一方父は、『今や宇宙の星が超新星となって生まれ変わることが、科学的に検証できるような時代だ。人間も生命を謳歌し、やがて新しい星が生まれるように、長遠な時空を経て、新しい生命として生まれ変われるのではないか。お前も今の人生を充実させ、生きているうちに他者を思いやる生き方をするんだぞ!』と。 そしていつも必ず最後に『俺の死に様生き様をしっかりとみておけよ!』と付け加えるのであった。理解できたようで出来ないような・・・、父とのこんな議論はいつも深夜まで続いたのである。厳しい父であったが、こんな話に夜中まで付き合ってくれる親父が大好きであったのだ。
いま私は、沢山の仲間達に支えられて生きていることを実感し、感謝の思いを胸に毎日を過ごしている。 ドクターが地域医療の為に、独立開業を成功されて、これからの高齢社会の中で、生きていかれるご高齢者や患者様が、傷病や疾患を少しでも早期に発見・治療され、満足した人生を送られるためにも、私は心を込めて裏方に徹し、開業を目指されるドクターと地域の方たちとのマッチングを成功させるために、精一杯支援させて頂きたいと思っている。
父は、言葉通りに見事な人生の終焉をとげた。
「親父、見事だったね!ありがとう!」と、私はそっと最後の耳元に 囁いた。