25年間勤めたサラリーマン生活の間、若い頃にストレス解消にと始めた山登りも、6年前に独立起業してからは、あえて遠慮して山歩きをかなり封じこめていました。
しかし今年のゴールデンウィーク、知己の友人に誘われて、久し振りに九州ではとても奥深い山「夏木山」を訪ねてみました。
この季節、九州の傾山山系「夏木山」には、まるで貴婦人のような、アケボノツツジやミツバツツジ、シャクナゲなどの高山植物が、華やかに競い合って群生しており、清楚な威厳を漂わせ、登った一部の登山者にだけ、その艶やかさを楽しませてくれます。
3人の子供がまだ幼い頃、家族5人で九重山系や、山深い清流でキャンプをしたり、春・夏・秋に高原に咲く花を山野草の図鑑を見ながら花の名前を覚えたり、昆虫を子供たちと追いかけたりしたものです。
その子供たちも今では全員家庭を持ち、またいつか自分の子供たちを里山に連れて行ってくれることでしょう。子供たちには、本当の自然に触れさせられたことが、何よりもよかったなあと、今になっては思っています。
山に登るということは、有酸素運動にもなりますし、標高が100メートルが上がるごとに体感温度は0.6℃下がりますので、クーラーばかりにあたっているよりも、だんぜん体に良い事は明らかです。
最近は山ガールなどと、若い女性がおしゃれをして、自然に触れることが話題になっているようですが、美容と健康のためにも大変喜ばしいことだと思っています。
山はよく人生に譬えられますが、数多く登っている経験からも、全くその通りだと思います。ずっと続く急登はありませんし、必ず尾根があり谷があります。何度も繰り返して山頂を極めます。しかし、何も山頂だけが目標でなくても良いのです。帰りの体力を十分残し、無理をせずに途中で下山しても「今日の自分のピークはここまでだったのだ。明日も頑張ろう!」と言うような楽観的な精神要素も大切です。
里山や、皆が登るメジャーな山であれば、一定のルールと法則を守って登れば、けして危険ではないし、次の日からの生活の充実感を、自然は必ず約束してくれるのです。
秘境で静かに咲くアケボノツツジ 5月4日夏木山にて