今日は、気温も上がらず、肌寒い一日となりました。木曽町の開田高原は、いつ雪になってもおかしくないくらい気温が下がっています。
今日は開田高原の昔話を紹介します。
「蒲はばきの祠」
今から八百年以上も昔のこと、西野の山の奥へ一人の武士があたりを警戒しながらやってきた。どうも源平の戦いに負けて逃げ延びてきた平家の落人らしい。ちょうどその時やまで木を切っていた高坪集落と把の沢集落の村人が、この落人を見つけたそうだ。
どちらかといえば、木曽は木曽義仲の育った源氏の土地。平家の落人については厳しいお達しがあるため村人たちは大勢でとりかこんで殺してしまったそうだ。
すると、武士の足についていた蒲はばきの間から、白米がさらさらと一升も二升も出てきた。
殺してみたものの、もともとは気の小さい百姓衆のこと、足元にこぼれている白米を見ているうちに、たたりがあると困ったことになると心配になってきた。そこで両方の村人が相談して高坪と把の沢の奥の山へ小さな祠を建てて、武士のはいていた蒲はばきを片方ずつ神体としてまつり武士の冥福を祈った。