キシリ徹の!おんぼろファクトリー操業記

キシリ徹の
架空CMソングの作詞・作曲・制作の経緯、小さなハプニングやイカしたグッズ
についての裏話を書きます!

〈架空CMソング制作秘話〉「ラセラ八戸OPO銀行」&「ラセラ八戸OPO銀行カードローングラッセ」ができるまで(第15回)

2020-09-18 17:00:00 | 架空CMソング制作秘話
こんにちは!!!!


キシリ徹のタニケンです!


制作秘話第15回は、「ラセラ八戸OPO銀行」「ラセラ八戸OPO銀行カードローングラッセ 」です!!!!




【着想】
北海道銀行のCMなどにインスパイアされ、銀行の曲を作ろうとしましたが、銀行の名称を決めるのにかなり苦戦しました。


最初はいかにも地方銀行らしく「地名+銀行」の方向性も考えました。


我々は基本的に実在の地名を使わない(和歌山パイナップル農業実業団を除く)ようにしているため、架空の地名を考えてみましたが、どうにもしっくりこない。


そこで三菱東京UFJ銀行(現在は三菱UFJ銀行)のように、合併の後に名前が長くなってしまったメガバンク的な方向性で名称を考えることにしました。


これもかなり苦戦したため、いつもの如くワードバスケットを使って頭文字を決めて案を出し合っていたのですが、
「ら」のカードが出た時に、私の口から自然と「ラセラ八戸〜〜〜銀行」という言葉が溢れました。


 冷静に考えれば「ラセラ」って言葉を実際の銀行名に使われるわけないし、「八戸」って実在の地名入っているし(後にからくりナイスキャッチ!で八戸市とは無関係であることが明かされますが)、
無茶苦茶な案でしたが、私もやなせも何故かしっくりきて「これしかないな…」と思ってしまいました。


ちなみに、「ラセラ」という言葉が出てきたのは、当時よく聴いていたBerryz工房の「ギャグ100回分愛してください」の「ラッセララッセラッセ」の部分からの影響かと思われます。



その後、パソコンのキーボードを「ら・せ・ら」の順で押すと「o・p・o」と入力されることから、ラセラ八戸OPO銀行で決定しました。語感もバッチリです。


ついで、やなせから「カードローンの曲も作りたい」と言われたので、すぐに「グラッセ 」と答え、即決しました。


外国語でなんとなく明るいイメージ言葉をもじったものがいいと思いながら考えました。
料理のグラッセ ではなく、嬉しいという意味の「glad」と「ラセラ」を混ぜて「グラッセ 」と名付けました。

言葉を掛け合わせたりもじったりした結果、既存の言葉になるっていう命名の仕方はわりと好きなのかも知れない。

【楽曲解説】
当時、「十勝おはぎ サザエ」のCMで流れている手風琴の「とみちゃんのうた」のような曲を作りたいと考えていました。


そこで、ラセラ八戸銀行については
「無闇・無意味に、明るくて、具体的なことを一切言わない曲」といった方向性で作曲を進めることにしました。

メジャーコード主体で明るく、広く、青天井な、開放的な響きになるようにコードとメロディを探って行きました。

やなせが歌うと、メロディアスになりすぎて目指す方向と乖離してしまい、メロディがなかなか定まりませんでした。


「タニケンが歌えよ」と言われたので


「あなたのラセラと私のラセラを揃えて夢を叶えてラセラセラ」


と適当な歌詞をつけて歌ったところ、やなせが、その桁外れの意味のなさに、笑いすぎて四つん這いになりながら「続きも歌って!」と言うので、その後の展開も、ほぼ思いつき一発で歌い上げました。

こうして見事なまでに「無闇に無意味に明るくて、具体的なことを一切言わない曲」が出来上がったのです。


カードローングラッセについては、消費者金融のプロミスのCMなどをみて作曲の参考にしました。


このころよく、マイナー調でCMソングを作るのは難しいと話していたのですが、作曲数が増えてきていたため、曲調に幅を持たせるためにあえてマイナー調での作曲に挑んでいます。


やなせ曰く「太陽にほえろの曲などをたくさん聴いて、刑事ドラマっぽい感じに仕上げた」そうです。イントロとかめちゃくちゃそれっぽいですよね。歌い方は若干和田アキ子入ってます。


作曲するにあたって、カードローンのCMをたくさん観ましたが、
手続きや審査の簡略さや迅速さを謳うものが多く、
また、冒頭で何かを問いかけてくるパターンも多いという印象でした。
そういった点を踏まえて歌詞と曲展開を考えて行きました。


結果的には、冒頭での「お金ありますか?」という問いかけの後は、手続きの迅速さ、フリーダイヤル、サービス名を謳っていく無駄のない歌詞と展開が仕上がりました。


まぁ「なんだかんだ借りれます」とか「フリーダイヤル0120札束燃やして暖をとれ」とか無茶苦茶なこと言ってますが…また燃やしてるし…。


改めて考えると、必要な情報を無駄なく伝えていて、且つ曲の展開に盛り上がりがあるという点で、
我々が憧れの一つとしている「クラシアン」のCMソングに少し近づくことのできた作品なのでは?とも思います。


ラセラセラ八戸OPO銀行と、カードローングラッセ、ボーカルが違ってなんとなくポケモン感もあるので、是非二曲併せて聴いてみてください!


【その他】
デザインについて

両作とも、やなせがデザインしてます。
素材となる写真は、目黒、恵比寿あたりを散歩している時に撮りました。
白背景を探してわざわざ目黒のガード下みたいなところで撮影しました。


撮影当時、私は確か28歳ですが、やたらといい跳躍してますね。
〜〜〜

からくりナイスキャッチ!にTwitterで話題の「ラセラ配りおじさん」登場!


からくりナイスキャッチ!第15回、16回にラセラ八戸OPO銀行 頭取 安曇公康さんがゲストとしていらっしゃいました。
番組内ではラセラ八戸OPO銀行について以下のように紹介がされました。


ラセラ八戸OPO銀行は、2008年のリーマンショックを機に、
「日本経済の方舟を作り上げる」という理念を基に、3つの銀行が合併して設立されました。

世界的な恐慌の最中、すべての経済組織のみならず文化的組織の発展に貢献し、現在では国内有数のメガバンクとして成長を遂げました。

 常に時代に適合する金融の在り方を提示し続ける姿勢から、金融界のパイオニア的存在として世界経済に名を轟かせています。
中でもカードローンであるグラッセはその斬新なシステムで顧客の半数以上の方が利用しています。


ラセラ八戸OPO銀行創立の経緯などを語っていただいた他、事前にTwitterで「#ラセラください」で募集した、視聴者の日常のラセラを安雲さんに批評していただきました。

中には、ラセラセラセラと判定される投稿も現れ、大いに白熱したため、2週に渡り安雲さんに登場していただきました。


現在でも安雲さん個人のTwitterアカウントでは「#ラセラやるからラセラくれ」でラセラを募集していて、
応募者から100名に100万ラセラをプレゼントする企画を継続的に行っていますので、みなさんも応募してはいかがでしょうか。100万ラセラが何の役に立つのかは不明ですが。

https://twitter.com/AGM_Kimmy_RSR

今回は以上です!
また読んでくれよな!!!!!!

<架空CMソングとアニメ制作秘話>「エルボースライダー」ができるまで(第14回)

2020-09-11 17:00:00 | 架空CMソング制作秘話
こんにちは!!!!!!!!!!!

キシリ徹のタニケンです!!!!!!!!!!


制作秘話14回は、先日発表されたばかりの「エルボースライダー」です!!!!!!
肘につけて遊ぶ新世代ディスクバトル玩具と、それを題材にしたアニメのOPを作りました。



【着想】
エルボースライダーに関して言えば、純然たる思いつきなので、着想として語るべきことはほとんどありません…。


やなせから「ハンドスピナー的なアメリカ発祥の、子供たちの間で大流行している玩具の名前ちょうだい」と言われて、
安易に「エルボースライダー」と答えたら、何故か採用になってしまい、アニメまで作ることになりました。


曲およびアニメを作るにあたって、当たり前ですが「エルボースライダーって何?」という問題にぶち当たりました。


エルボースライダーという名前に関しては、ハンドスピナーをもじって付けましたが、玩具としての展開はハイパーヨーヨーに近いイメージです。コロコロコミックで漫画が連載してたり、指定店で技の認定を受けれたりする感じです。


とは言っても、私自身はハイパーヨーヨーに熱中したことがないし、ついでにいうとコロコロじゃなくてボンボン読者だったので、
友達の家で遊んだハイパーヨーヨーやベイブレード、親が間違えて買ってきたコロコロの記憶を総動員させながら、口からでまかせで発言したものを繋ぎ合わせて設定を紡いでいきました。


以下、エルボースライダーおよびアニメの登場人物などの設定を紹介します。


【用語解説】

・エルボースライダー
肘につけた機器(ランウェイ)からディスクを射出して遊ぶ、新世代ディスクバトル玩具。
アメリカ発祥の玩具だが、日本玩具メーカーがOEM販売を始めたことをきっかけに少年達の間で大流行。全国でその技を競う大会が催されている。
「ショルダーキャッチアップ」や「ヒポポタマスルーティン」など多彩なトリックを全て習得し、4大大会で勝ち抜いた者に与えられる「エルボーマイスター」の称号が、多くの少年達を駆り立て、全国各地で熱烈なディスクバトルが繰り広げられている。


登場人物
・風切 時越斗 (かぜきり じぇっと)

本作の主人公。世界一のエルボーマイスターになる為、ディスクバトルに明け暮れる11歳。
エルボースキルは「JET Revolution」。本来無駄とされる"摩擦"を利用した熱血ファイトが特徴。あまりの熱血っぷりに、トラブルを引き起こすことも。


・李怕 (りー ぱー)

超巨大企業『天和コンツェルン』の御曹司。
摩擦抵抗を極限まで減らした、スマートな闘いが信条。
性格もバトルスタイルも正反対の時越斗に対し、初めは見下した態度をとるが、第9話「炎と氷?激突の刹那!」でのバトルを経て、親友且つライバルとして認め合う。


エルボートリック
・ショルダーキャッチアップ (トリック Lv.1)

 射出したディスクを、ランウェイを装着していない方の腕の肘〜肩の間でコンタクトし、そのまま首の後ろを通るように両肩にパッシングルートを確保し、ランウェイ後部からランディングする。
Lv.1の中でも最も初歩的なトリックではあるが、高レベルのトリックでは、ショルダーキャッチアップを応用するものが多く、ディスクバトルにおける汎用性も高い。
「ショルキャチを笑う者、ショルキャチに泣く」などの通説もあり、トップランカーであってもこのトリックの鍛錬は欠かすことができないと言われている。


・ヒポポタマスルーティン (トリック Lv.2)

 ローポジションからディスクを射出し、低空を滑空させた後、ターゲットの手前で大きく浮きあがらせるトリック。
トリック名は、ディスクの動きが水中から餌を求めて陸へ上がってくるカバを想起させることに由来している。
アニメ第14話「バカンス!合宿!バトル!」では、このトリックを放って水中からディスクを浮き上がらせる描写があったが、現実では不可能である。この回の放送後、各地で川や海でディスクを紛失する少年たちが溢れた。


【楽曲解説】
 ここからは、キシリ徹のやなせ京ノ介が書きます。


の曲については、当初からSteely Dan・Donald Fagenオマージュの方向で作りました。

Steely Danは、アメリカの職人的ポップバンドで、ジャズなどで使われる複雑な和音を奇想天外に組み立てポップに構築するスムースな音楽性と、
「一流セッションミュージシャンを大勢集めて録音し、その音源を1小節ずつ選り抜いて使う」等の変態的なまでのこだわりで知られています。

例えるなら、「高級食材・伊勢海老をたくさん集めて、一匹2ミリずつぐらい使って残りは廃棄して料理を作る」みたいな贅沢さです。

キシリ徹は2人だけで演奏しているので、そんなことは出来ません。
そういう贅沢をする料理人の話を小耳に挟みながら、ガード下でおばんざいを作っています。

Donald FagenはそのSteely Danの中心的人物で、頑固で皮肉屋のお爺さんです。

スティーリー・ダンを知ったのは、兄弟時代のキリンジが"和製スティーリー・ダン"と呼ばれていたことからでした。
そもそも高校生の頃、兄弟時代のキリンジを聞いて「うまく言えないけど、オシャレで聞いたことない、不思議でねじれた感じ」を覚え、中毒のように繰り返しリピートしていました。



後に、その感覚が、テンションを乗せた独特なコード進行の作曲や、
プロデューサーで、筋金入りのスティーリー・ダンマニア・冨田ラボ(冨田恵一)氏のアレンジによるもの、と知り「いつかこういうのやってみたい」と思い続けてきました。


この曲を制作するにあたり、Steely Dan・Donald Fagenのアルバムを改めて聞き直しました。
Steely DanのAjaなどの名盤はもちろん素晴らしいのですが、近年の作品も凄いです。
特に、2012年のFagenのソロ作品『Sunken Condos』は、当時60代半ばのFagen翁の、みずみずしい感性と、熟練したソングライティングの融合が素晴らしい名盤と改めて思いました。


それらを聞きながら、Steely Danアレンジの特徴を考え続け構築していきました。

そして、Steely Dan・Donald Fagen風アレンジについて考えれば考えるほど、初期キリンジ×冨田恵一のスティーリー・ダン風アレンジの素晴らしさに、改めて感動しました。


 冨田恵一氏は2014年に、Donald Fagenの名盤『The Nightfly』を一冊まるまる題材にした、音楽鑑賞・アレンジ構築法の解説本『ナイトフライ 録音芸術の作法と鑑賞法』を出版されています。


 以前からスティーリー・ダンのアレンジ、冨田恵一アレンジに興味を抱いていた自分は発売と同時に購入しましたが、24歳当時この本に書いてあることの意味があまり掴めず脱落してしまいました。
今回スティーリー・ダン風アレンジを考えるにあたって、改めてこの本を手に取り参考にさせていただきましたが、
まがりなりにも、キシリ徹で40数曲発表した現在の自分には、割とこの本の意味がわかるようになっており、主観的な成長を感じかなり嬉しかったです。


そんな訳で、作曲〜アレンジまで、自分なりにスティーリー・ダン風を指向して作ってみたこの曲、
終わってみると「初めてやってみた割には結構できた」という部分と、
「出来上がってみるとキシリ徹味が強くてそんなにスティーリー・ダンではない」という2つの感想が主です!
細部に粗もありますが、こういう着地に現在の自分たちらしさがあり気に入っています。

 冨田恵一氏は、以前インタビューで自らのアレンジを"シミュレーショニズム”と評していました。


その意味を「元ネタにする楽曲の細部の要素までを分析・解釈して、アレンジする楽曲に絶妙に当てはめること」と自分は捉えました。


 我々キシリ徹も、アレンジ・作曲には、多くの場合、何らかの題材やリファレンスがあり"自分たちなりのシミュレーショニズム”をやっているのだなと感じます。
そもそも"架空のCMソングを作る"ということ自体が、"CMソングに対するシミュレーショニズム"とも言えるのではないかと改めて思いました。

(我々の場合は、シミュレーショニズムに自分たちなりのフェティッシュを強く入れたり、元ネタについてざっくり特徴を捉えて引用することもあるので、純然たるシミュレーショニズムではないかもしれません。
ただ、初期キリンジも作曲に堀込兄弟お二人のフェティッシュや、現代なりの視点がふんだんに乗っていると感じますし、そこがオリジナリティを増幅させていて好きです)

 冨田さんが、2011年ごろまで、ネットラジオで、
年代別の音楽の細い分析や、編曲講座をする番組をやられており、
内容が毎回興味深く、僕はそこで"シミュレーショニズム"のヒントや、構築の考え方の入り口を学ばせて頂きました。

それらを踏まえても、初期キリンジ・冨田恵一、そしてスティーリー・ダン周辺のワークスは、我々の作曲に少なからぬ影響を与えています。
今回、現在の自分たちなりに、それを形にできて良かったです。




【アニメーション】

アニメの作画・キャラデザインは、スタッフもやってくれている、酒本ゆうみ先生が、1人で担当してくれました!



およそ半年をかけて、キャラクター・アニメーションが出来ていく様は感動的でもありましたし、自分たちは何もできず、指とじゃがりこ、そしてジャガビーを咥えて見ているだけで、大きな負担をかけてしまったなあという気持ちもありました。(改めてどうもありがとう)

結果として、今できる環境の中でかなり良いものになったと思います!
やなせ個人は終盤のスタジアムのシーンと、ヒポポタマスルーティーンで周りのモブが驚いている様が気に入っています。


酒本ゆうみ先生といえば、現在のキシリ徹のメインのロゴのデザインも担当されています。


このロゴはTシャツやステッカーにもなりました。
今、マルシェルでTシャツを買うと、ロゴステッカーもついてくるのでこのロゴフェチの方は是非。


更に、実はキシリ徹原案・作曲×酒本ゆうみ・アニメの楽曲はもう一個あります。
30曲目に公開した『高級絹どうふ 絹っこシルクちゃん』です。



こちらは、豆腐メーカー・富里食品がスポンサーの、絹豆腐を題材にした魔女っ子アニメのOP(すべて架空)という設定で作りました。

これが酒本先生の初めてのアニメ作品でした。
この時も凄いな〜と思いましたが、エルボースライダーを見ると、ここから更に進化していることが分かりますね。


シルクちゃんもTシャツを作りました。90年代みがたまらない。これもマルシェルで買うとステッカーついてきますのでよろしければ。

ちなみに、絹っ子シルクちゃんの終盤に出てくるモブキャラたちにも、ちゃんと名前と設定があります。
またの機会に、いつかイベントやブログなどで紹介できればと思います。

そして、いつかシルクちゃんかエルボースライダーの24分ぐらいのアニメが1話作れたら…(声優は友達を集めて)とも思っています。


この1分ぐらいのアニメでも酒本ゆうみ先生ひとりで半年ぐらいかかったのに、24分作ったら腕がちぎれて死んじゃうよ!!!!でもその頃には100人のアシスタントを抱えてるかもしれない、その可能性に期待して待とう。


最後に、エルボースライダー公開前の、新番組予告CMです。この原稿とか考えるのも楽しかったです。
https://twitter.com/fakecmsongs/status/1295287668331302914

<終>

<特別編>架空CMソング ボツになった曲列伝!!(第2回)

2020-08-27 17:00:00 | 架空CMソング制作秘話


こんにちは!!!

キシリ徹のタニケンです!!!

前回に引き続き、対談形式で架空企業、商品名のボツネタを紹介していきます!!!!

  

やなせ:顔がでかい   タニケン:屁がくさい

〜⒈ 【宝石店】『ジュエリズム イバタ 』〜

やなせ :作曲に何度もチャレンジしたけど、結局ボツになっていますね。

タニケン :これに関しては、北海道にあるエンゼルクリニックのCMっぽいの作りたいなと思って考えたんだけど、そもそもエンゼルクリニックって宝石店じゃないね。
整形外科だから。勘違いしてたんだよな。

やなせ :この名前を聴いた時、じゅわいよ・くちゅーるマキみたいなバブル期っぽい雰囲気の曲を作りたいと思って。
それで井上陽水の『Make-up Shadow』みたいなシンセポップを作ろうかなと思ったけど、いまいち食指が動かなかったですね。

タニケン :互いに曲のアイデアは考えてたけど、結局ちゃんと着手しなかったな。

やなせ :あと、ジュエリズムイバタの設定としては『店内に「ジュエリスト」たちがいる』とだけメモが残っていた。

タニケン :遊☆戯☆王(YU-GI-OH!)のデュエリスト的な?

やなせ :この設定も活かせず…。
小学生時代はトゥーンデッキでめちゃくちゃ無双してたんだけどな。

タニケン :そもそも宝石店と縁なさ過ぎる…。

この前、駅前でやや美人に声かけられてつい足を止めたら、「結婚指輪を買うならどうやって選びますか?」っていうアンケート調査されて咄嗟に「1ミリも興味ないんだけどなんて書いたらいいすか?」って聞いちゃったな。

やっぱりジュエリストたちが待ち構えてるくらいの楽しみがないと宝石店に興味持てないな。

やなせ :そいつらが何してくれんのよ?闇のゲームでもすんのか?
1巻の札束にナイフ突き刺すやつか?

タニケン :まぁジュエリストはともかく、この名前は気に入ってるのでいつか曲作りたいね。

やなせ :語感はすごくいいからね。いずれ、キシリ徹CMソングス シーズン2以降で出てくるかも知れませんね。


ボツ理由:業界全体が深刻なジュエリスト不足に陥っているため



〜⒉ 【ガソリンスタンド】『モラル石油』〜

やなせ :これもかなり苦戦した挙句、頓挫したね〜。

タニケン :語感はいいけど、なんなんだモラル石油って…。

歌詞から作ろうとして、エネルギーに関わる業種だから、
なんとなくエコな感じとかクリーンなイメージで連想したけど全然書けなかったな。

やなせ :そこで「縁起の良い言葉並べたらそれっぽくなるんじゃね?」とか言い出して、二人でひたすら縁起の良い言葉を出して。

↓これが当時スタジオのホワイトボードに書いた、縁起の良い言葉の語群です。↓


タニケン :これ縁起いいのか!?

やなせ :「茶柱」「大吉」あたりはまだ良いけど、
あとは好きな言葉とかワクワクする言葉を並べる大会になってね。
「落とし子」とか「サーモン」はやっぱワクワクするけどな。

タニケン :ラカス、タンバリン、サーモン、カスタネット… 縁起いいのか?

やなせ :ビュッフェとかログハウスは語感とイメージ先行だな。木のぬくもりとか色々な物をいっぱい食べれるとか好きなんだろうな。

↓ここから、使えなさそうなのを削っていった結果↓


タニケン :明らかにおかしいのは消えたな…。ログハウスとビュッフェ残ってるじゃねぇか!!

やなせ :↓残った言葉をつなぎ合わせて、歌詞にしたのがこれ。↓


バングラディシュの カスタネット

新大陸に 鳴り響く

広がる祝福 祝杯はトロフィーで

ソーラーパネルは ビンゴカードだ

地球、海、大吉、茶柱

メイプル芽吹いてシャルウィーダンス

新しい朝だ モラル石油

やなせ :ただの散文詩になっちゃってね。

タニケン :散文詩っていえばだいぶ聞こえはいいけど…。「ソーラーパネルはビンゴカードだ」じゃないんだよ!

やなせ :歌い出しだけはメロ作ったけどね。
「バングラディシュのカスタネット〜♪」って明るいメロで歌って、今も覚えてはいる。

タニケン :うすうすボツだとわかってたのに、この歌詞書くのに2時間くらいかかったからふんぎりつかなくて、結果時間を浪費しただけになったよな。

そもそもこの頃は、スタジオ入ったのに、ほとんど楽器に触らずに話し合いとホワイトボードと向き合うだけで何時間も使ってた。会議室行けよ!!

ボツ理由: ソーラーパネルはビンゴカードじゃないから。

〜⒊ 【カップラーメン】〜

やなせ :「カップラーメン(の曲)作ろう」みたいのは何度かありましたね。

タニケン :そんな、雪だるま作ろう、みたいに言われても…。

やなせ :降板になって湾岸署から出てきて謝罪してね。

タニケン :オレ、オラフじゃないし。オレ、ミラじゃねーし(十数年ぶりに言ったな)。

やなせ :2007年ぐらいのYOUさんと柳楽優弥の車のCMね。
YOUさんが「燃費良いんだから」みたいに、やたらと柳楽優弥をミラ扱いして「オレ、ミラじゃねーし」とツッコまれるシリーズね。誰も覚えてないよ。

それは全然関係ないけど、カップラーメンはまあ、ボツ案が大量にありますね。

グラタンラーメン、ローヤルゼリーラーメン、離島の恵ラーメン、トルコ風ラーメン…。

タニケン :まぁギリありそうではあるが…。離島の恵って具体的に何?

やなせ :立憲民主ラーメン、あからさまラーメン、アムステルダムラーメン、and moreラーメン…

タニケン :言えばいいってもんじゃないだろ。もうちょい頭使えよ…!

やなせ :最終的に「ポセイドンラーメン」でいこうみたいになったけど、それもボツになって。

タニケン :グラタンラーメンとかだと、すでに発売されているメジャーな商品の変わり種として「グラタン味」を展開している感じになっちゃうけど、
ポセイドンラーメンなら王道の商品っぽさもあるからイケると思ったんだけどな。

やなせ :スケールのデカさと海賊感で、なんとなく曲がギコチナEXと被ってきそうだなぁと思ってボツにしたかな。

タニケン :そうすね。まぁポセイドンじゃなくていいけどカップラーメンの曲はそのうちやりたいすね。

ボツ理由:どの名前もワクワクできず、既存曲と被りそうだったため

〜⒋ 【その他】〜

その他、雑多なアイデアや「メモにただこれだけ書かれていた」というような、我々自身もよく意味がわからない断片的なアイデアをいくつか紹介します。

・「ペンシルグミ」
 …書いた文字がグミになる
・「ボルトナットグミ」
 …各色のボルトグミとナットグミの組み合わせで味が変わる。

やなせ :これいいじゃないですか。

タニケン :あなたがグミ好きだから考えたのよ。

やなせ :アイデアはいいすね。商品名は曲にはしにくい。


・【理髪店】「10円カットのカットラス」
やなせ :これやりたかったんだよな〜。

タニケン :俺が考えたけど、10円はやりすぎだろ…。

やなせ :ケープとか椅子がオプションで追加料金かかるとかいう設定だったな。
理髪業界のLCC的な。

タニケン :普通にめっちゃ嫌な業態だな。


・「ふりかけミュージカル」
タニケン :これだけ書かれてあって、見返したら意味わからなかった。今となってはもう誰も意味わかんないな。

やなせ :まぁミュージカル調の曲を作ろうとしたんだろうな。

タニケン :それはいいけど、商品名が「ふりかけミュージカル」でいいわけないだろ。


・「和田アキ子のシーフードミックス」

タニケン :ほんとに、これだけ見せられても全然意味わかんないな。これが商品名なの?

やなせ :まぁ、和田アキ子っぽい曲がやりたかったんだろうな。
俺も曲によっては割と和田アキ子に寄せた歌い方してるけど、本来和田アキ子は、俺じゃなくてタニケンがやるべきだからね。
タニケンには、カラオケで古い日記を歌いながら踊り狂うっていうネタがあるので…
 
タニケン :別に踊り狂ってはないよ。

やなせ :踊ってないけど単純に狂っているやつね。

タニケン :いや踊ってはいるよ!まぁ狂ってもいるか…。

やなせ :カラオケで和田アキ子歌うだけでウケを取ってるやつを、曲に昇華したかった所から着想したんだろうなあ。

タニケン :だからって商品名に和田アキ子って入れていいわけないだろ!シーフードミックスをチョイスしたのも意味わからないし!


今回は以上です!!!!!!
しかし、こんなゴミみたいなアイデアしか出なくなった時期もあったのによく50曲作ってこれたな〜と改めて思いました。

また昔のボツのメモなんかが出てきたらまたご紹介したいですね!!

読んでくれてありがとう!!!!!

またねっ!!!!!!!!!!!!










<特別編>架空CMソング ボツになった曲列伝!!(第1回)

2020-08-21 17:00:00 | 架空CMソング制作秘話
こんにちは!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

キシリ徹のタニケンです!!!!!!!!!!

今回は、制作秘話特別編です!!!!!!!!!!!

今までにボツになった架空の企業名、商品名案をやなせとの対談形式でご紹介します!!!!!!!!!!!!!
         
            
         タニケン        やなせ
          屁が臭い。      顔がデカい。

〜⒈ 【日本酒】『吟醸 巴里暮し(パリぐらし) 』〜


これは比較的まともなボツ案ですね。命名はどういった経緯で?


日本酒の名前って適当な漢字組み合わせたらそれっぽくなるじゃない?「山」とか「海」とか鳥の名前とか。

 なので、そういう漢字を避けて、ユニークな情景が浮かぶような名前が良いかと。
 当時、フレンチポップなどを聴いていたのもあったから、なんとなくパリの街並みとかを意識したかな。



歌詞が一節だけできてたね。「ジェンヌと呼ばれても 心はなびかない」って。


あったな〜。多分、いいちこのCMとかを意識して付けたキャッチコピーだった気がしますね。


メロも付けてみたけど、なんかあんまりワクワクしなくて頓挫したな。
「八代亜紀っぽい曲にしたい」と思って作っても、「偽北島三郎」みたいな曲になってすぐに辞めちゃったな。
 あと、8分の6拍子で作ってたけど…。



8分の6の曲が得意じゃないよな。オレもあんまりやったことない。


 そもそも8分の6拍子の曲がそんなに好きじゃない。ソウルのアルバムとかで終盤に6/8の曲入ってるとダレるイメージある。

 今までの曲でも部分的に6/8にすることはあったけど、メインの拍子だとワクワクしなくて結果的にボツにしたね。


名前自体はまあまあ気に入ってるから、いつか作りたい気がしないでもないけどな。
 あと、キャッチコピーもそうだけど、曲もいいちこを意識してビリー・バンバンっぽい曲にする案もあった。

あ〜そうか。この時に出てたのか。それが後に「タピオカ焼酎 粒道楽」になった訳ですね。




まぁ、あんなに極端なオマージュをやるとは思わなかったけどな…。悪ノリが過ぎたな…。

  ボツ理由:八代亜紀っぽい曲にしたかったけど、偽島三郎みたいな曲しかできなかった


〜 ⒉【パチンコ台】『CR町工場 CR漁船』

まぁ、町工場で働いたことないし、漁船に乗ったこともないし、パチンコも1、2回くらいしかやったことないし…。

そもそもなんで、全体的にプロレタリア文学っぽいんだ…


なんでだろうな…。パチンコのこと知らな過ぎててきとうに考えたんだけど…。
 でもなんかありそうじゃない?阿部寛とか渡哲也が出てくる感じで…。


いや、だとしても「漁船」「町工場」ってことはないでしょ。ドラマのタイトルならともかく…。
 CR餃子の王将はあるけどそれも店名だし。題材、"概念"かよ!


そうかな…。リーチとかで「漁師の朝は早い…」みたいな演出入りそうじゃん。


揃わなかったら、昼から酒飲んでマウントとって妻を殴る漁師の映像ね。


そんな物騒な面に焦点当てるなよ!せめて漁船乗ってからの映像にしろよ…。


大昔のカラオケ映像的な。っていうか、この案で曲書ける訳ないね。

 ボツ理由:町工場にも、漁船にも、パチンコにも詳しくなかった


〜 ⒊ 【シチュー】 雪ん子たちのクリムゾンシチュー 〜


普通にクリームシチューにすればいいのにクリムゾンって…。


なんか赤いシチューっぽい。それ以外の感想はありません。


地獄の釜で作ったシチューみたいな感じだろうか。
 普通に「雪ん子たちのクリームシチュー」でいいのに面白味がないと思ったんだろうな。だからってクリムゾンはないだろ。本当に曲作る気あるのか?


タイトル先行にしすぎて自分たちをも苦しめていた時期だな…思い返すと…

   ボツ理由:クリムゾンシチューってなに?怖い、と思って泣き出してしまったから

〜 ⒋ 【葬儀社】 〜
…葬儀社に関しては、「メイプル葬儀社」が採用になって曲も作りましたが、ボツ案が大量にあるので、当時のメモからいくつか紹介します。

「おもかげ斎場」

 これはまともだな。


 多分、やわらぎ斎場とに過ぎていたからボツにしたんだと思います。


「フリーランド」

 ???? なにこれ? どういうこと?


 多分、ワードバスケットで頭文字決めて適当に出した案ですね。


 亡くなって肉体や現世からフリーになるってこと?
  名前の軽さとは裏腹に思想強そうだな…。



「お別れプランニング」 
 
 故人とのお別れをしっかり演出する、みたいな意味なのかな。

 名前だけみると、葬儀社っていうより「別れさせ屋」みたいだな…。
 青年誌とかでこのタイトルの漫画ありそう。


「め◯◯じ葬儀社」


 下ネタの中でも言っちゃいけない下ネタだろ。
 め◯◯じって、文字で読んだことはあっても言ったことも聞いたこともないよ!いやらしい漫画でしか見たことない文字列。しかも友達の兄貴とかが持ってる年代物のいやらし漫画ね。



  なんで俺はこの頃、ことあるごとにめ◯◯じって連呼してたのか?


 葬儀社から一番遠い言葉だろ。
 こんなの曲になるわけないし、この社名で葬儀社立ち上げるやつ、社会倫理皆無だわ!



その他 
「忌野プランニング」「セントラル葬儀」「せっかち葬儀」「迫り来る葬儀」「世界的葬儀」「セルリア葬儀」など…


もう飽きてきてるじゃん!アイデア枯渇し過ぎだろ…!


ワードバスケットで頭文字「せ」に決めて思いついたやつ言ってるだけになってる。
まぁ当然全部ボツだけどメモしとくと、後で見て面白い。



せっかち葬儀、嫌だな〜!
 俺が死んでもせっかち葬儀には絶対頼まないよう遺言残そうかな。







まだまだボツ案はあるんですけど、思ったよりボリュームがあったので、次回も引き続きご紹介して行こうかなと思います。

読んでくれてありがとうございます。
初めて対談形式で書いてみましたけどいかがですかね?
次回もまた読んでくれよな!!!!!!!!!!!!

〈架空CMソング制作秘話〉 『ハンサム引越しセンター』ができるまで(第13回)

2020-08-07 17:00:00 | 架空CMソング制作秘話
こんにちは。キシリ徹のタニケンです。


制作秘話13回目です!!!!


今回は、先週公開したばかりの新曲、「ハンサム引越しセンター」です!!!!!!!!

最近公開した曲はどれも良曲だと思いますが、その中でも特にこの曲はお気に入りです!!!!!!!



【着想】
 この楽曲は、マニアフェスタVol.4で新曲を披露したいということで、2020年2月に作曲したものです。

 マニアフェスタを1週間後に控え、慌てて新曲のアイデアを捻り出していく中で、前々から作りたいと考えていた引越し業者に着手することにしました。

 どんな引越し業社にしようと考えた時に真っ先にイメージしたのは、引越し業者ではなく、佐川急便で働く男性「佐川男子」のことでした。


 佐川男子については写真集まで発売されていますが、なんとなく「ものを運んでいる男性は爽やかでかっこいい」というイメージがありました。


 このイメージを引越し業者に引用したいと思い、爽やかさ」とか「カッコよさ」をブランディングしていく方向性で企業名とコピーを考えることにしました。


 そこで、「爽やかさ」と「カッコよさ」が同居している(気がする)「ハンサム」 という言葉が出てきたので、「ハンサム引越しセンター」という社名にしました。


 「そのまま「ハンサム」って社名につけていいのか?」とはもちろん思いましたが、声に出して読んでみると非常に語感が良いんですよね〜。
 あんまり気持ちいいんで自室で一人「ハンサム引越しセンター!…うん、いい。」と何度も呟いていました。

 サウンドロゴのメロディもこの時すでに完成していたのです。

 続いてキャッチコピーを考えましたが、その中で『「佐川男子」も「引越しハンサム」も、汗水垂らしながら肉体労働に勤しむ中に爽やかさが覗くから素敵なんじゃないか…!』と気付きました。


 なので、「肉体労働」の中にある「ハンサム」の素敵さを謳ったキャッチコピーにしなければならないと考えました。なんとしてもそうしなければならないのです。


 そう考えた時、平生から、モーニング娘。のザ⭐︎ピースの「好きな人が優しかった うれしい出来事が増えました」という歌詞を聴くたび、


『好きな人が優しかったらそりゃ嬉しいよなぁ…!よかったねぇ…!』


と涙を流してしまう私ですから、


「ハンサムが力持ちだったら、かなりいいよなぁ…!」


と思い至るのも必然だったのです。


 こうして、

「ハンサムが力持ちならかなりいい。力持ちがハンサムだったらさらにいい。」

というキャッチコピーが完成しました。


 「かなりいい」と言った上でそれより「さらにいい」と言っているわけですから「めちゃくちゃいい」んだろうな…。


 こういう「手前で勝手に用意したハードルを勝手に超える」といった強調表現は実に効果的で、
具体的な説明をしていないにも関わらず、有無を言わせぬ不思議な説得力を生じさせていると思います。

 後から気づきましたが、松本引越しセンターのCMの「キリンさんが好きです。でもゾウさんのほうがもっと好きです。」と同じ構文になっており、図らずも既存の引越し業者からサンプリングしていました。これも「ゾウさんが本当に好きなんだなー」と思いますよね。

 実際のところ「ハンサムが力持ち」でも「力持ちがハンサム」でも同じでは?というツッコミどころがありますが
個人的には、「力持ちがハンサム」だったほうが、より素敵だと思っています。この点に関しては異論を認めます。

 むしろツッコミや異論を生じさせることもこのコピーの狙いと言えます。

 このハンサム引越しセンターのアイデアの他、他の新曲案として「リサイクルショップ 万物堂」とか「サプリメント学習塾」もやなせに提示しましたが、即決でハンサム引越しセンターが採用になりました。

〜〜〜

【楽曲解説】
 前述した通り、サウンドロゴ部分は初めからできていたので、キャッチコピーを基にしながらその他の展開を作っていきました。


 キャッチコピーをそのまま歌詞にしてみんなでシンガロングできるような展開を模索していましたが、
なかなかしっくりくるものができず難航していましたが、突如やなせが「運ばせて運ばせて その荷物を運ばせて〜」と歌い出し、そこからの流れでBメロのメロディーも出来上がっていきました。


 また、Aメロはスピッツの「船乗り」のメロディと似通った部分があったので、全体的にスピッツをイメージして作曲およびアレンジを進めていきました。


 最後のCメロについては、どこかセンチメンタルを感じさせる展開にしたいと考え、歌詞から決めて、コードやメロディは4和音で流麗なイメージに仕上げました。

 Cメロ後半部分は3和音を基調としてM7コードを多用することなく空間的な広がりのある展開を実現しており、今までにはない作曲が出来たと思います。

 アレンジについては、前述しましたが、スピッツを意識したパンクに仕上げています。

 学生時代にもスピッツは繰り返し聴いてきましたが、改めて聴くとどのアルバムも音像が多彩で聴きごたえありますね〜。

 隼(Hayabusa)、フェイクファー、色々衣など、2000年代までのスピッツが主に参考になっているかなとは思います。
それこそ改めて考えると曲展開は「メモリーズ・カスタム」に影響受けているところもあるかもしれません。

 Bメロに関しては、「みんなでシンガロングできる曲を作りたい」という思いから、「サザンが全員で歌っている感じ」をイメージして作りました。『思い過ごしも恋のうち』とか『旅姿六人衆』(のアウトロ)とかですかね。

 Bメロに限らず、全体的に覚えやすい曲だと思うので、今度イベントで演奏する際には、観客の皆さんと一緒に歌いたいですね!!!!
「ハンサムが力持ちならかなりいい!」って歌うのめちゃくちゃ気持ちいいですよ!!!!





【その他 裏話】
 デザインについて
 

これについては私がデザイン・モデルを担当していますが、「ハンサム引越しセンター」という企業ですから「ハンサム」でなければならないということでかなり気を揉みましたね…。

 ハンサムのモデルを誰かに依頼する時間がなかったので、私自身がハンサムのモデルをやる羽目になったのですが…。



 ハンサムとは言い難い…。

 画像加工を駆使して色々と手を尽くしたのですが、「こんなのハンサムじゃないよ…」と悩みながら手を加えていくほど、どんどん人外の存在に変わっていってしまうので、引き際を見定めるのに苦心しました。

 私の中のハンサム像は、草刈正雄とか玉木宏あたりだろうかと思いますが到底再現できるものではありませんでした…。

 野菜上等の時もそうだったけど、「このモデル微妙だな…」って苦言するのも自分だし、落ち込むのも自分っていうの意味わからないな…。

 背景については、私自身が去年上京したばかりだったので、当時の気持ちを思い起こしながら「この都会であなただけのときめきを見つけて欲しい。ハンサム達がそのお手伝いをします!」というような思いで、六本木ヒルズで撮った写真を使いました。Cメロの歌詞にもかかっています。


 この心意気だけでも「ハンサム」として認めていただければ幸いです…。


 こちらは、別パターンのデザインです。個人的にはこちらのほうが気に入ってるので供養しておきます。


 今回は以上です!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 次も読んでくれよな!!!!!!!!!