東北放送(TBC:毎日系)の人気番組に『ウォッチン!みやぎ』という番組がある。
宮城県では、みのもんたの「朝ズバ!」の枠を7時半から1時間奪って放映されているのだから、その人気の高さもわかろうというもの。霞ヶ関官僚も気にしている、あのみのもんたに勝つのですよ。(みのもんたが何というかでマスコミの風向きが変わるため。)
その恐るべき人気の秘密は、カリスマ気象予報士の斎藤恭紀(さいとう・やすのり)氏である。予報的中率8割。朝子供が何を着ていくべきか、今日は布団を干せるか、芋煮会はいつがいいか、紅葉の見頃はどこか、生活に必要な情報をこと細かに教えてくれる。仙台の主婦層に絶大な人気があり、幼稚園でのお母さんの会話も「斎藤さんが雨だって言ってたからね~」で通じるのである。
http://www.tbc-sendai.co.jp/03tv/watchin/saito.html
さて、その人気の斎藤さんを、学部の公共政策ワークショップの学生が、11月3日の農政シンポジウムに呼びたいと言い出した。
「斎藤さんが来るっていえば、学生にはむちゃくちゃ受けますよ。」
「そうか。やってみたら。」
どうせダメもと。やったモン勝ちである。
早速、代表のH君が斎藤さんに連絡。mixi で知りあいらしい。さすがH。
… でも反応はいまいち。同じ日に別の予定が入っているかららしい。
そこで一計を案じ、再度アプローチ。
「斎藤さんを、ぜひシンポジウムで表彰させていただきたいんです。」
別にこじつけではなく、こっちは大まじめである。
本当に斎藤さんの予報はすごいと思っているのだ。
雨水情報、台風情報、週末雨になるから稲刈りは早めにとか、午後から波が高くなるから漁は控えた方がいいとか、蒸し暑くなるからかき氷が売れるとか、実に商売に効くピンポイントの情報を発出している。イベントがあるときは、その町の天気まで調べて教えてくれる。
先日は宮城にトヨタの関係会社の工場が進出することが決まったとき、「宮城は雷が少ないので、電子部品の生産に適しています」などとのコメントもあった。すっげ~。よく勉強してるなぁ~。
というわけで、斎藤さんの存在は、宮城県の農家の方には大変ありがたいことなのである。(農家の方のヒヤリングでもそういう声があった。) 表彰しなくてどうする。
何より、斎藤さん自身、東北放送(仙台市内の八木山にある)の敷地で番組として米作りをして、その生育を放送している。視聴者に米の生長する姿を見せ、米作りに親近感を湧かせていることもすごい功績でしょ。
… すると、斎藤さんからOKの連絡が。
よおっしゃ~!!!
やってみるもんだね。H君、おめでとう。
でもって、正式に今日、H君と斎藤さんに会いに行ったさ。
聞けば斎藤さん自身、地球温暖化で農業がこれからどうなるか、大変危惧しておられるとのこと。そして、日本の農業を支えるためにも、天気に関する正確な情報提供がもっともっと必要だと力説された。(おお、期待以上だ。)
説明の最後に、斎藤さんにお願いをする。
「あの~ せっかく斎藤さんが来られるんで、ぜひ番組で一言『東北大でシンポジウムやるので来てください』って宣伝してもらえませんか?」
「いや、番組の中ではそういう宣伝はちょっと…」
「それは承知しています。なので、たとえば、視聴者からのFAXのコーナーに『斎藤さん、11月3日、お待ちしてます』って送って、それを司会者の佐々木さんとかに振ってもらうってのはどうでしょう? そうすれば『いや~ 今度東北大学の学生に招待されて、シンポジウムに出るんですよ』って話ができますよね? どうでしょうか。」
「それなら、僕の担当している“教えて、斎藤さ~ん”のコーナーに出るのはどうですか? その枠なら僕がなんとかできますから。農作業か何かの格好をしてくれれば、担当に撮影に行ってもらいますよ。」
おお~
さっすが斎藤さん、見事に解決策を提言してくださった。
頭の早さも絶品である。
「ウォッチン!みやぎ」の番組中に、街の人たちがカメラに手を振って、「教えて、斎藤さ~ん」と呼びかけるコーナーがある。そこで、イベントを紹介しつつ11月3日の天気を教えてと言い、シンポジウムでお待ちして~すと言えば、スタジオで斎藤さんがその話を受けて説明してもらえる。なるほどぉ。
こうして、東北大学公共政策研究会農政ワークショップのテレビ出演が決まったのであった。いけいけ、農政ワークショップ!
斎藤さんからは、我が子用にと東北放送の携帯ストラップやノートもいただいた。
何から何までありがとうございます。
うるうる