最近、きっかけがあって、緑の生野菜を多く食べるようになった。
毎日食べていたら、大好きになってしまった。
食事前、用意した食卓に、これほどの野菜が並ぶのは初めてと、見回しながら思うほど。身体も心も諸行無常、変化していくものと、あらためて感じさせられる。
今までは主菜が肉料理、副菜が野菜料理だったが、野菜のほとんどは炒め物や炒め煮など加熱した調理ばかり。煮たり炒めたりしない野菜は、トマトときゅうりと、レンチンしたブロッコリーぐらいだった。
野菜は、生→蒸す→ゆでる→煮る→炒める→揚げる、という順番で、摂取できる栄養が減ってくるという情報を知った時は驚愕だった。
(生野菜が一番栄養が取れるなんて!)
(じゃ、今まで栄養分の少ない調理の食事をしていたのだわ!)
ショックを受けてしまった。
いつもは調理の加熱前にキャベツやしいたけや小松菜を包丁で刻みながら、
(お肉だけじゃなく、ちゃんと野菜も食べてるもンね)
と、満足していたからだった。
きっかけというのは、目の違和感だった。
朝、パソコン画面を見たばかりの時、目の〈乾き感〉を感じたのである。その違和感は、〈ドライアイ〉と直感した。テレビやスマホを見る時は、その違和感がなく、パソコンに向かった時だけなのだった。
(メガネのせいかしら)
1年前、パソコンで文字を見ると、焦点が合うのに1秒か2秒かかるようになった。デスクトップのパソコン画面と目の距離は、およそ30センチ。メガネ店へ行き、近視用のメガネで度数をもう少し弱くしたメガネを新しく作った。そのメガネで見ると、パソコンでネットニュースの文字を見る時、最初から焦点がバッチリ合うようになった。けれどテレビ画面と目は数メートル離れていて、字幕の文字はちゃんと見えるが、DVDレコーダーやシアタースタンドの機器のフォントの小さな数字が見にくくなった。1秒か2秒どころか4秒か5秒か6秒目を凝らして、やっと見える。それで、テレビを見る時は今までのメガネ、パソコンに向かう時は新しいメガネをかけることにした。度数の違うメガネをかけても問題ないとメガネ店で聞いていた。
ドライアイになった経験はないが、目をかなり使う生活だから、いつかなる可能性があるかもと、チラッと思った時がある。昨年から今年にかけて、ある事情があって連日のように、6〜7時間パソコン画面を見ている。1日数十ページから100ページ以上を、じっくり閲覧することを繰り返している。特に眼の疲れは感じなかったが、目を酷使している自覚はあった。仕事でも遊びでもなく、ある決意のもとにワクワク楽しい一面もあり、必要に迫られていることであり、そのうち終了するのだからと楽観していた。
(ついに私もドライアイになっちゃうのかしら)
(毎日、目薬さすなんて嫌だわ)
(でも、まだ眼科で診断されたわけじゃないわ)
今まで目の健康を楽観し、過信していたのは理由がある。
睡眠である。中年以降の頃、8時間睡眠は珍しいと周囲から言われた。深夜までお酒を飲むと、9時間、10時間の睡眠の日もあった。〈お子様並みの睡眠時間ね〉と周囲から冷やかされながらも、
(私の美容と健康の基本は、睡眠ですもンね)
ずっと、そう思い込んでいた。その長時間睡眠が、目にもいいのだと信じていたのである。大人になってから、目薬をさしたことがなく、目の不調で眼科へ行ったこともなかった。けれど――。ついに来るべき時が来たのだろうか。
ドライアイを直感した時から、ネット記事を読みまくり、YouTubeで眼科医師の発信の動画を視聴した。
10秒間、まばたきせずに目を開けていられなければ、ドライアイの可能性が高いとネット記事に書いてあった。
試してみたら、20秒以上まばたきなしで開けていられた。
(少しは安心、でも心配)
まばたきをパチパチして涙を出させると、違和感が薄らぐのは、まさしく〈ドライアイ予備軍〉に違いないと確信した。
〈自分の身体の声を聞け〉と医師のYouTube発信か何かのエッセイかで読んだことがあるが、その言葉を思い出した。
地方在住の眼科医師のYouTube動画で目に関する知識や情報の発信を、たて続けに見た。動画編集ソフトを使っているのか、依頼の業者の作成なのか、ビジュアルも良く、簡潔で爽やかで、〈良作〉と絶賛したくなるような動画で、チャンネル登録もしてあげた。眼科に行ったら、ああいう医師が理想的と思われるような雰囲気で、ホームページとブログも見たりし、YouTube動画を数日間は毎日見ていたが、最近はほとんど視聴していない。
何故なら、その医師の数多くある動画で、目に関する病気のタイトルは視聴しないからである。初めて知る目の病名や、専門的な解説が多く、目のいろいろな病名に、ちょっぴり怖くなってしまうのが嫌なのだ。いかにも開業前は大学病院に勤務していた医師らしい専門的な解説も、やや退屈な感じがしないでもない。
私が視聴するのは、目の健康に関するタイトルの動画だけ。緑の野菜、果物、卵、納豆などが目に良いという情報も知った。その理由の解説は、ちゃんと聴いた。
(卵は毎日1個以上食べてるし、キウイフルーツも好きでよく買って来るし、納豆と、オレンジなどの柑橘類は毎日食べてるわ)
と、小さな安堵。目に良いルテインとかいう成分の食品は、好きな物が多く、結構食べていたと気づく。
けれど、緑の野菜はあまり食べていないと気づいた。キャベツとブロッコリーと小松菜ぐらい。きゅうりは中間色で緑の野菜には入らないらしい。青汁ドリンクは3か月で飽きてしまった。
(緑の野菜を生で食べる!)
その情報を得てスーパーで、張りきってと言うのもヘンだが、小松菜、ホウレン草、ケール、ルッコラ、ブロッコリー、サラダ菜、ピーマン、キャベツなど、どっさり買い込んで来た。
市販のドレッシングはふだんから使わないので、一口サイズに刻んだ野菜を2種類ぐらいずつ混ぜ、ゴマ油としょうゆか塩で味付けする。
(あら、思ったより美味しい!)
ケールは名前を知っていたが食べたことはなく、生で食べられるか一口サイズに包丁で刻みながら、ちょっぴり不安だった。けれど、やさしい感触のルッコラと混ぜて食べると、結構美味しいことを知った。
さらに、生の野菜に、ちりめんじゃこか、千切った海苔か、かつおぶしのどれかを混ぜ合わせてゴマ油としょうゆか塩で味付けすると、より美味しいこともわかった。ちりめんじゃこを混ぜるのが一番美味しくて好きだが、そればかりでは飽きるし、時々はマヨネーズをかけることもある。
(生野菜って、こんなに美味しかったのだわ!)
もういくらでも食べられると感動してしまうほどだった。その感動には、朝、パソコンに向かった時の目の〈乾き感〉が薄れる自覚、そして消えた自覚のためもあった。その〈乾き感〉の薄れた自覚と消えた自覚を含めた期間は、生野菜を食べ始めて1週間足らずである。毎食事に複数の生野菜を3皿ずつ用意したが、初めて食べた日の翌日という即効性はなかったけれど、2日後、3日後には目の〈乾き感〉が薄れ、5日後には完全に消えた。間違いなく、眼科医師の発信した情報が、正しかったことになる。食べ物が身体の健康を維持するという証(あかし)である。目薬も使わず、サプリも飲まないで、目の〈乾き感〉が治ったのである。
まさに、医食同源。私が最も信じている、好きな言葉である。
(緑の生野菜が正しかったのだわ!)
チャンネル登録してあげた、会ったこともない眼科の名医に感謝感激でいっぱいである。発信のコメントの中で、薬よりサプリより食材から摂取するのが身体に一番効くというようなことも言っていた。(専門的な言葉で。)
ケールなど生の野菜はよく噛んで味わって食べる。ご飯やお肉の1.5倍ぐらい噛む回数が多いと気づく。よく噛むことは脳細胞を活性化させると、何かで読んだか聞いたかしたことがある。目だけでなく、脳の健康にも良いのだから、一石二鳥である。
葉物野菜を洗うのは、手間がかかる。袋から出して、水道の流水で丹念に洗い、大きなボールに塩水を作って、その中で揺らして洗い、さらにその塩水を流すため、仕上げに水道水で丹念に洗う。それを袋の中の5束か6束を、一束ずつだから、手間だけでなく時間もかかる。
ボールに塩水を作って、その中で揺らして洗う方法は昔テレビで女性料理家が話していたことで、こうすると農薬が取れますよと言ったので、それ以降、ずっと続けている。私が最近買うのは、半分ぐらいは有機野菜だが、ボールに入れた塩水で野菜を洗う習慣はやめられない。
以前、料理に詳しい姉にその話をしたら、そこまで神経質に洗うのと驚かれた。塩水で洗うと農薬が取れるという科学的根拠とか、数十年前の古い情報ということでは、そうする意味があるのか正しいのか不明である。その洗い方でないと気がすまないから、単なる気分であり習慣で、手間はかかるが全然、億劫に感じたことはない。最近は野菜専用洗剤もあるが、それを使ったらいっそう神経質に延々と洗ってしまいそうである。
ドライアイにもならず、目の〈乾き感〉が消えてからも毎日、1日3回毎食事に、1皿か2皿は生野菜を用意して食べている。今では目の健康のためというより、緑の生野菜が美味しくて大好きになったからである。
毎日食べていたら、大好きになってしまった。
食事前、用意した食卓に、これほどの野菜が並ぶのは初めてと、見回しながら思うほど。身体も心も諸行無常、変化していくものと、あらためて感じさせられる。
今までは主菜が肉料理、副菜が野菜料理だったが、野菜のほとんどは炒め物や炒め煮など加熱した調理ばかり。煮たり炒めたりしない野菜は、トマトときゅうりと、レンチンしたブロッコリーぐらいだった。
野菜は、生→蒸す→ゆでる→煮る→炒める→揚げる、という順番で、摂取できる栄養が減ってくるという情報を知った時は驚愕だった。
(生野菜が一番栄養が取れるなんて!)
(じゃ、今まで栄養分の少ない調理の食事をしていたのだわ!)
ショックを受けてしまった。
いつもは調理の加熱前にキャベツやしいたけや小松菜を包丁で刻みながら、
(お肉だけじゃなく、ちゃんと野菜も食べてるもンね)
と、満足していたからだった。
きっかけというのは、目の違和感だった。
朝、パソコン画面を見たばかりの時、目の〈乾き感〉を感じたのである。その違和感は、〈ドライアイ〉と直感した。テレビやスマホを見る時は、その違和感がなく、パソコンに向かった時だけなのだった。
(メガネのせいかしら)
1年前、パソコンで文字を見ると、焦点が合うのに1秒か2秒かかるようになった。デスクトップのパソコン画面と目の距離は、およそ30センチ。メガネ店へ行き、近視用のメガネで度数をもう少し弱くしたメガネを新しく作った。そのメガネで見ると、パソコンでネットニュースの文字を見る時、最初から焦点がバッチリ合うようになった。けれどテレビ画面と目は数メートル離れていて、字幕の文字はちゃんと見えるが、DVDレコーダーやシアタースタンドの機器のフォントの小さな数字が見にくくなった。1秒か2秒どころか4秒か5秒か6秒目を凝らして、やっと見える。それで、テレビを見る時は今までのメガネ、パソコンに向かう時は新しいメガネをかけることにした。度数の違うメガネをかけても問題ないとメガネ店で聞いていた。
ドライアイになった経験はないが、目をかなり使う生活だから、いつかなる可能性があるかもと、チラッと思った時がある。昨年から今年にかけて、ある事情があって連日のように、6〜7時間パソコン画面を見ている。1日数十ページから100ページ以上を、じっくり閲覧することを繰り返している。特に眼の疲れは感じなかったが、目を酷使している自覚はあった。仕事でも遊びでもなく、ある決意のもとにワクワク楽しい一面もあり、必要に迫られていることであり、そのうち終了するのだからと楽観していた。
(ついに私もドライアイになっちゃうのかしら)
(毎日、目薬さすなんて嫌だわ)
(でも、まだ眼科で診断されたわけじゃないわ)
今まで目の健康を楽観し、過信していたのは理由がある。
睡眠である。中年以降の頃、8時間睡眠は珍しいと周囲から言われた。深夜までお酒を飲むと、9時間、10時間の睡眠の日もあった。〈お子様並みの睡眠時間ね〉と周囲から冷やかされながらも、
(私の美容と健康の基本は、睡眠ですもンね)
ずっと、そう思い込んでいた。その長時間睡眠が、目にもいいのだと信じていたのである。大人になってから、目薬をさしたことがなく、目の不調で眼科へ行ったこともなかった。けれど――。ついに来るべき時が来たのだろうか。
ドライアイを直感した時から、ネット記事を読みまくり、YouTubeで眼科医師の発信の動画を視聴した。
10秒間、まばたきせずに目を開けていられなければ、ドライアイの可能性が高いとネット記事に書いてあった。
試してみたら、20秒以上まばたきなしで開けていられた。
(少しは安心、でも心配)
まばたきをパチパチして涙を出させると、違和感が薄らぐのは、まさしく〈ドライアイ予備軍〉に違いないと確信した。
〈自分の身体の声を聞け〉と医師のYouTube発信か何かのエッセイかで読んだことがあるが、その言葉を思い出した。
地方在住の眼科医師のYouTube動画で目に関する知識や情報の発信を、たて続けに見た。動画編集ソフトを使っているのか、依頼の業者の作成なのか、ビジュアルも良く、簡潔で爽やかで、〈良作〉と絶賛したくなるような動画で、チャンネル登録もしてあげた。眼科に行ったら、ああいう医師が理想的と思われるような雰囲気で、ホームページとブログも見たりし、YouTube動画を数日間は毎日見ていたが、最近はほとんど視聴していない。
何故なら、その医師の数多くある動画で、目に関する病気のタイトルは視聴しないからである。初めて知る目の病名や、専門的な解説が多く、目のいろいろな病名に、ちょっぴり怖くなってしまうのが嫌なのだ。いかにも開業前は大学病院に勤務していた医師らしい専門的な解説も、やや退屈な感じがしないでもない。
私が視聴するのは、目の健康に関するタイトルの動画だけ。緑の野菜、果物、卵、納豆などが目に良いという情報も知った。その理由の解説は、ちゃんと聴いた。
(卵は毎日1個以上食べてるし、キウイフルーツも好きでよく買って来るし、納豆と、オレンジなどの柑橘類は毎日食べてるわ)
と、小さな安堵。目に良いルテインとかいう成分の食品は、好きな物が多く、結構食べていたと気づく。
けれど、緑の野菜はあまり食べていないと気づいた。キャベツとブロッコリーと小松菜ぐらい。きゅうりは中間色で緑の野菜には入らないらしい。青汁ドリンクは3か月で飽きてしまった。
(緑の野菜を生で食べる!)
その情報を得てスーパーで、張りきってと言うのもヘンだが、小松菜、ホウレン草、ケール、ルッコラ、ブロッコリー、サラダ菜、ピーマン、キャベツなど、どっさり買い込んで来た。
市販のドレッシングはふだんから使わないので、一口サイズに刻んだ野菜を2種類ぐらいずつ混ぜ、ゴマ油としょうゆか塩で味付けする。
(あら、思ったより美味しい!)
ケールは名前を知っていたが食べたことはなく、生で食べられるか一口サイズに包丁で刻みながら、ちょっぴり不安だった。けれど、やさしい感触のルッコラと混ぜて食べると、結構美味しいことを知った。
さらに、生の野菜に、ちりめんじゃこか、千切った海苔か、かつおぶしのどれかを混ぜ合わせてゴマ油としょうゆか塩で味付けすると、より美味しいこともわかった。ちりめんじゃこを混ぜるのが一番美味しくて好きだが、そればかりでは飽きるし、時々はマヨネーズをかけることもある。
(生野菜って、こんなに美味しかったのだわ!)
もういくらでも食べられると感動してしまうほどだった。その感動には、朝、パソコンに向かった時の目の〈乾き感〉が薄れる自覚、そして消えた自覚のためもあった。その〈乾き感〉の薄れた自覚と消えた自覚を含めた期間は、生野菜を食べ始めて1週間足らずである。毎食事に複数の生野菜を3皿ずつ用意したが、初めて食べた日の翌日という即効性はなかったけれど、2日後、3日後には目の〈乾き感〉が薄れ、5日後には完全に消えた。間違いなく、眼科医師の発信した情報が、正しかったことになる。食べ物が身体の健康を維持するという証(あかし)である。目薬も使わず、サプリも飲まないで、目の〈乾き感〉が治ったのである。
まさに、医食同源。私が最も信じている、好きな言葉である。
(緑の生野菜が正しかったのだわ!)
チャンネル登録してあげた、会ったこともない眼科の名医に感謝感激でいっぱいである。発信のコメントの中で、薬よりサプリより食材から摂取するのが身体に一番効くというようなことも言っていた。(専門的な言葉で。)
ケールなど生の野菜はよく噛んで味わって食べる。ご飯やお肉の1.5倍ぐらい噛む回数が多いと気づく。よく噛むことは脳細胞を活性化させると、何かで読んだか聞いたかしたことがある。目だけでなく、脳の健康にも良いのだから、一石二鳥である。
葉物野菜を洗うのは、手間がかかる。袋から出して、水道の流水で丹念に洗い、大きなボールに塩水を作って、その中で揺らして洗い、さらにその塩水を流すため、仕上げに水道水で丹念に洗う。それを袋の中の5束か6束を、一束ずつだから、手間だけでなく時間もかかる。
ボールに塩水を作って、その中で揺らして洗う方法は昔テレビで女性料理家が話していたことで、こうすると農薬が取れますよと言ったので、それ以降、ずっと続けている。私が最近買うのは、半分ぐらいは有機野菜だが、ボールに入れた塩水で野菜を洗う習慣はやめられない。
以前、料理に詳しい姉にその話をしたら、そこまで神経質に洗うのと驚かれた。塩水で洗うと農薬が取れるという科学的根拠とか、数十年前の古い情報ということでは、そうする意味があるのか正しいのか不明である。その洗い方でないと気がすまないから、単なる気分であり習慣で、手間はかかるが全然、億劫に感じたことはない。最近は野菜専用洗剤もあるが、それを使ったらいっそう神経質に延々と洗ってしまいそうである。
ドライアイにもならず、目の〈乾き感〉が消えてからも毎日、1日3回毎食事に、1皿か2皿は生野菜を用意して食べている。今では目の健康のためというより、緑の生野菜が美味しくて大好きになったからである。
