里海邸|大洗海岸。東京都心より90分、大海原が広がる静かな別邸へ

「素朴を上質に」海の別邸は、隠遁時間。~波と光色。湯と縁側。陶と食。磯と木の食卓。|里海邸 金波楼本邸 公式ブログ

団塊世代、憧れの大洗ライフ

2006年02月23日 | 思うこと
 多くの団塊世代がリタイアするとされている「2007年問題」ですが、あらら?もう来年ですね。就業人口の大幅な減少がバンバン加速され、高齢社会の本格化ということなんでしょうね。
 若い世代からすれば、あれこれ心配なこともあると思いますが、不況が続いた観光業界にとってはプラスに働くという見方がされているようです。大勢の日本人が仕事から解放され余暇が増えるのです。

 この間NHKでご主人が仕事をリタイアしたご夫婦が長年の東京暮らしをやめて、大洗の南にある大洋村(現・鉾田市)に移住した話を放送していました。奥様は喘息持ちだったため、残りの20年をより過ごしやすい空気の良い沿岸地域である大洋村で過ごそうということになったという話でした。多分。(うろ覚えでごめんなさい)
 それでこのご夫婦は海岸をウォーキングやジョギングしたり、地域の健康増進施設「とっぷさんて大洋」に通ったりしながら、健康をどんどん獲得し、野菜王国茨城の食世界にどっぷり浸りながら?静かでヘルシーな生活をエンジョイしているといった内容だったと思います。流行の言葉でいうと「とってもLOHASな」生活をしているようですね。

 今後茨城は首都圏から熱い視線が注がれるのではないかと勝手に思っています。茨城の風土はリタイア後の「新しい人生20年」を考えるのになかなか悪くない場所なのかなと。
 海あり山ありで気候が穏やかで、ほどよい自然に恵まれているのです。圧倒的なスケールの自然景観はないのですが、ほどよく田舎ライフを楽しめる「癒しの県」ではないかと思うのです。また交通が便利で、そこそこ生活するのに便利な地域インフラがあります。漁業も農業も盛んで、米も酒も茨城はかなりの実力があるんですよって専門家の人から言われるぐらいです。茨城は首都圏の食料庫なのではないかと思うぐらいです。

 このような情勢の中で大洗が取り組むべきことは、移住人口を増やすことと言いたいところですが、地価が高くてなかなか難しいとか聞きます。実際に住むのは鉾田市以南を希望されるそうです。それなら大洗は「たった一日の移住気分」を提供できないか?と考えています。宿の役割として「大洗の生活に対する憧れ」がベースとなった観光、つまり由布院的に言えば「生活観光地」を実践することです。

 「憧れの大洗ライフ」

 団塊リタイア世代は、深層心理の中で今までの人生と違う価値観の生き方を楽しみたいと思っているはずです。今までの人生とは何か?それは現在TVのニュースで起きている事件から読み取れると思います。
 戦後の高度成長とバブル崩壊、リストラと家庭崩壊、働きすぎと成人病、ネット社会と情報氾濫、治安の悪化。。。等。モノが豊かな日本社会は、他国から見れば羨ましいはずですが、「下流社会」なんて本が出版されたように豊かさを実感している人は案外少ないし、むしろ現代社会を住みよい社会だと思っている人はあんまりいないんじゃないかなと思ってしまいます。
 
 消費者はにっぽん人の理想の生活を再び探しているのではないでしょうか?「素朴な挨拶」「田舎の町並み」「自然の恵み」「健康の獲得と維持」「モノづくりの楽しみ」「家族で過ごせる場所」「子供に見せたい風景」。。。大洗はきっと対応できると思います。宿はその役割の一部しか果たせませんが、自分は宿屋の立場から「憧れの大洗ライフ」を提案していきたいと考えております。建物が古いので宿のリニューアルを準備していますが、現在そんなことを考えています。そのために私は「大洗らしさ」をもっと勉強しなくてはなりません。「大洗の魅力に関わる人を幸せにする宿」を心から作りたいそう思っています。

 誰のために宿をやるのか?お客様のため、自分のため、家族のため、地域のため、ずっと悩んできました。結局ありとあらゆるもののためにやらなくてはならないのだろうと思うようになりました。

 生まれながらの大洗人ではないので、大洗の歴史、文化、環境、産業の変遷などを皆様に色々と教えていただければと思っています。自分一人では「大洗らしさ」を適切に表現するだけの智恵や知識がありません。大洗に新しい宿をつくることについて興味のある方がいらっしゃいましたら、どうか私にお声をお掛け下さい。

 こんなところでこんな発表をするのも奇妙ですが、自分の考えていることをしっかりと伝えられるこのブログには本当に助けられています。