きまぐれ通信

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阪神大震災あの日から23年! 小学校へ避難 → 臨時住宅 → 仮設住宅 → 復興市営住宅

2018-01-17 | ブログの日

阪神大震災 1995年1月17日午前5時46分

神戸市長田区の焼け跡。
        
私は震災当時、神戸市灘区に住んでいた。 
家がかなり壊れたので小学校へ避難した。

夜、小学校のテレビに神戸市内の様子が映し出されていた。
母の住んでいる長田区は悲惨な状態だった。
    
゛ 母はたぶんダメだろう! ゛
   
母の住んでいた家は戦争前からの古い家だ。
  
゛ 母は死んだと思った! ゛
                      
      
実家と小学校

左が実家の室内です。
家が倒れなかったのは柱を鉄骨で補強していたからです。
これは私は知らなかった。
鉄骨はグニャリと曲っていたがそれでもかろうじて2階を支えていた。
母は近くの小学校に避難していた。 
行くと母は布団にくるまれて座っていた。
母から自宅に大切なものを置いてきたので取ってきてほしいと言われた。
実家の2階への階段は外れかかっていた。 
いつ落ちるかも分からない。 
余震が来るたびに外に飛び出した。
なんとか母の大切な物は見つけることができた。
母が避難していた小学校は4月から学校が始まるので臨時の住宅(県営住宅)へ移ることになった。
            
        
県営住宅

母はここで仮設住宅ができるまでの1ヶ月間過ごした。
高齢者には不便な場所だった。
                  
         
             
仮設住宅

仮設住宅。 
家を失った人たちが力を合わせて暮らしていた。

仮設住宅の地蔵盆。 
母は仮設住宅で2年間過ごした。

  
     
復興住宅

仮設住宅に住んでいるとき神戸市と折衝して母の住んでいた土地を神戸市に売る代わりに新しく建つ復興住宅へ入れるよう頼んだ。
当時 ゛ 土地ころがし ゛ をする人間が沢山いて母がそれに巻き込まれる危険があった。
母の移転の話が決まると近隣の親しい人も同じ住宅に入ることになった。
この住宅で母は20年あまり過ごした。
私は月に1回母の家を訪問した。
               
気丈な母はまだまだ大丈夫と言っていたが ・ ・ ・
                   
           
この市営住宅も遺品整理が終われば明け渡すことになる。
都会生まれの都会育ちの私には子供のころから田舎が無かった。
友達が夏休みなど田舎のおばあちゃんの家に行っていたなんて聞くと羨ましかった。
結婚してからは唯一の田舎が同じ市内に住んでいる母の家だった。
兄弟親戚が集まるときは母の家だった。
その故郷がなくなった。
    
  
母の住んでいた住宅には単身の高齢者が多い。
毎月母の家を尋ねたときには気づかなかったがこの住宅で玄関や廊下で住人と出会うことはほとんどなかった。
住人と話す機会があった。
    
「 この住宅ではほとんどの人は出歩かない 」
   
「 ドアに鍵をかけて1日家にいる 」
  
正直驚いた。
誰とも話さずただ1人だけで毎日過ごすってあまりにも寂しい。
よく自治会館などで催しがあるが足腰が弱った高齢者が行くのは無理だ。
今日本中でこういう状況に陥っている住宅や地域は多いだろう。
   
実は母が住んでいた集合住宅の皆さんに恩返しとして ゛ 懐かしい映画 ゛ でも上映して楽しんでもらおうかと思った。
しかしこの住宅には集会場が無い。
結構な世帯数が有るのに集会場が無いなんて考えられない。
母が亡くなったのを見つけてくれたのもここの住人だ。
母が亡くなった数日後4軒隣の人も亡くなった。
私は今高齢者がどんな気持ちで毎日過ごしているかよくわかる。
遺品整理が終わったら何かこの住宅の人たちに恩返しがしたい。
     
     
                  

またやってきた!
  

雨が降り足元は泥だらけ。
                  

希望の灯り。
亡くなられた方のご冥福を祈り、残された方の幸せを祈った。
     
テレビや新聞では震災の記憶が薄れると言われています。
しかし私は歳を重ねるごとに人の辛さ苦労が分かり震災の記憶は鮮明になっている。
          
両親を亡くした子供はあのあとどうなったのだろう。
    
小学校へ避難していたご老人はあれからどんな人生過ごしていったのだろう。
  
母が世話になった仮設住宅の会長さん ・ ・ ・
      
忘れようと思っても忘れられない、それが阪神大震災です。
   



               
               
             

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