真っ暗な夜道を散歩していると、どこからか「カサカサ、カサカサ」
と音が聞こえてくる。音がする方をよく見るとカニが道路を
横切ろうとしている。明け方になると、この時期は車に轢かれたカニの
死骸をよく見る。
カニは陸に住む「オカガニ、イワガニ」である。
モクマオウやオオハマボウといった木が生えている防風林の下や
マングローブ林の周辺などに巣穴を掘って生活している。
沖縄に住んでいるカニの中では大型のカニである。
オカガニの子供は「ゾエア」と呼ばれ、全く別の姿をしており、
海の中を浮遊しながら成長してそして陸に上がってくる。
6月から満月の日になるとオカガニの一斉産卵が起こる。
あたりが暗くなる頃、陸の巣穴から這い出て来て、卵をお腹に抱かえて
放卵のために海に向かう。
満月の満潮から干潮になるときを目掛けて海に到着して放卵する。
時には道路がカニでいっぱいになることもある。
オカガニの一斉産卵は6月下旬から9月初め頃まで見られる。
深夜になるので車には注意を呼びかけているが、たくさんのオカガニが
交通事故で踏み潰されている。