伊良部島は大きくわけて佐良浜集落と佐和田集落がある。
佐良浜は池間島からわたってきた人達で、
佐和田はおそらくもともといた人達だと言われている。
佐良浜は池間島が元家なので大主御嶽が信仰の中心で
ミャークヅツが盛大に行われる。
1840年頃、佐良浜の地に大主御嶽を作るまで海を渡り池間島まで
祭事を行いに行っていたそうだ。
佐和田は黒浜御嶽が村建ての伝説を持ち
兄妹産子神(けいまいうぶこがみ)を祀っている。
旧暦6月の酉の日に行われる「六月願い」は佐和田に産まれた女の人や、
黒浜御嶽にお願いして子宝に恵まれた夫婦が毎年参加する習わしがある。
この日は、旅に出ている人の無事を海にむかって祈る
「ポカオサギ願い」も行われる。
村建ての伝説は、昔、天の神様が兄妹の産子神を黒浜の地に
おろし、人間をたくさん作るように言った。
ところが兄妹の最初の子供はブフズ(雑魚)だった。
2番目の子供はアパ(オコゼ)で、
3番目の子供はウナズ(ウミヘビ)だったので、みな海へ還した。
二人は悲しんで神様に相談すると
「夜、ユナの葉を二人の間に置いて寝なさい。」と教わった。
その通りに暮らしていると、ようやく子供が誕生した。
こうしてたくさんの子供をつくり村が出来たと伝えられている。
ユナとはハイビスカスによく似たオオハマボウの事。
佐良浜と佐和田は車で10分ほどの距離であるが、
方言も信仰も異なる。
佐良浜は漁業の集落で佐和田は農業が中心である。