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基本的に西武鉄道

などと書きながら、詳しくないです。
文字より写真多め

1996.11.3-5

1996年11月03日 | a day
1996.11.3
普段、夜の時間はSが精神不安定だからか会わないのに、この日はなぜか、会っていた。3人でマーチに乗って、TSUTAYA石神井台へ。立ち読み。相変わらずバイクやクルマの雑誌を見てるS。その後、向かいのデニーズで食事して、Sを家に送って行った。いつもの、細い道、いつもの、道が折れたところでSを下ろし、別れた。それが最後。家族以外に会った最後の2人になろうとは、、



1996.11.4
この日、自分は何していたか記憶にない。普段通り東雲に出勤して、翌日ロケの準備しつつ、内野の手伝いをしていたのだろう。なにも知らず過ごし、いつもの1日を終えたのだろう。

Sは、、弟、母と3人でファミレスで昼ごはんを食べ、その後、ひとりE30で走りに行ったらしい。で、狭山湖か多摩湖の外周路で白バイに速度超過で切符切られ、その後、奥多摩方面へ、夕方ごろ、奥多摩駅手前のトンネル出口の公衆電話から自宅へ最後の電話をしたらしい。電話では、ダムで死ぬようなことを言っていたらしく、家族が奥多摩へ向かうが、土地勘が無いので、白丸ダムへ行ったらしく発見できず。その後、Sは、分岐にE30を止め、そこからは徒歩で、あの場所まで歩き、身を投げた。死亡推定時刻20時。死因は溺死ではなく、落下の衝撃で、と聞いたような。水面までは相当に距離があると思われる。家族がE30を発見するも、既に遅し。欄干には、靴と財布が置かれていたらしい。



1996.11.5
S家族は、Sが身を投げた場所を特定してはいたものの、夜間で視界がなく、明るくなってからダムの放水を止めてもらい捜索。発見、回収。警察は出動していたが、母親の職業上、公になることは望まず、ひっそりと処理されたらしい。

自分は、この時点でもなにも知らず、通常に出勤。自分は、若いアシスタントとKNさんとどっか忘れた北関東のほうの工場でのロケ。午前の撮影を終え、工場の食堂で昼食し、歩いている時に、KNさんの携帯に着信。「自宅から電話だよ」というので、代わると、親が「Sくんが亡くなった」と伝えられ初めて状況を理解。しかし、どうすることもできないので、予定通り仕事を進めた。終始冷静だったと思う。なぜならば、今までなんども自殺未遂をしていた上、死にたいという言葉を直接聞いていたからか、。

若いアシスタントに運転させている車中から、KNさんの携帯電話を借り、親友Mに電話した記憶。会社に到着し、内野撮影でごった返しているスタジオで、八王子の寺までの地図をコピー。KNさんからは、「もう、急いでもどうにもならんのだから、オマエは気をつけて行けよ」と言われ、東雲から、マジェに乗って出発。台場から首都高に乗り、先を急ぐ。夜の中央高速は府中付近で赤いパイロンを並べ車線規制。その中を、まだ慣らしが終わっていないマジェ全開走行。急ぐなと言われても、。

S父の葬式で通った、寺の前の曲がりくねった道を蛍光グリーンのレインウエア上下の出立ちで走る。寺到着。ウエアを脱いで、寺に入ると、すでに、祭壇は組み上がっていて、Sの写真。

一旦、帰宅し着替えてマーチでAと共に、MNを拾って、MKを迎えに。お通夜前の今しか、MKは赴くチャンスがないと説得し、同乗。4人で寺へ。

そして、現場へ。黙祷。帰路、あのパジョロの喫茶店でお茶。


葬式
いつだったか忘れたが、Sに対する正装ということで、上下レザーでKR-1で出席。知人に預けていた、愛車ZZR1100もトランポで運ばれ置かれていた。



E30のステレオにセットされていたのは、碧いうさぎ・酒井法子 だったらしい。
自殺の原因は、やはり寂しさ、だったのだろう。
中学2年で出会い、以来、最も親しい友人として接してきたが、Sからはかさなさとか寂しさを感じていた
幼少時からずっと両親が共働きで、家に帰っても家政婦だけ。
高校の頃から眠れず安定剤を服用していた。
父の死で、家族のバランスが崩れ死への思いが加速したのか。
家族は危ういバランスで成り立っている
自殺未遂で、精神病院に入院していた時期もあった
死にたいけど死ねない
何度も家からいなくなって、友人と探してまわった
死にたいけど死ねない
あの場所で、死のうとして、排ガス自殺を試みたけど、ガスが漏れたのか死ねなかった
と言っていた。
あの場所で死ぬなら、あの橋からだよね
なんて、話してて、その通りに死んだ
死にたい人が死んだ
死にたい人がその目的を達成した

Sが生きていたら
良きライバルとなっただろう
共に、写真の仕事に就き、共に、バイク、クルマを乗り回す

悔やんだりはしない
悔やんでも過去は変わらないから

ただ、忘れない
他のこと全部忘れてもこれだけは忘れない
昨日のことのように覚えている
そして、思い出の詰まったバイクに乗り続ける
そして、奥多摩へ行く













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