さて、ラダック。
何から書こうかしら。
今回も色々あったからね。
チベタン・ターコイズを買いまくったが、
まずは、仏像かな。
石仏ですな。
カシミール仏。
本物の。
15世紀以前の物だね。
15世紀にはカシミールはモスリム支配下になったから、
それ以前です。
それにしても、カシミール仏。
ラダックですらない。
「カシミールの物は、カシミールで買えばいーんじゃない?」と思われるかもしれんが、
大嘘つきモスリム・アンティーク商人からカシミールなんかで
怖くて買えません。
自分の眼に加え、
彼の家族も以前からよく知っている知人から買うのが良いのである。
そもそも、
アンティークに置いて、
モスリム系業者は、一部を除いて、よほど信頼関係がない限り、
値段交渉が面倒くさすぎる。
結構、でかい。
ズッシリとした重さもある。
一瞬、シヴァかと思ったが、
手に持つシャンカ(法螺貝)と蓮華、
四つの腕から、
ヴィシュヌ神だと思う。
カシミール様式のヴィシュヌ。
ヒンドゥーの三大神の一人です。
日本だと、那羅延天になるのかな。
カルギル近隣の巨大岸壁仏は、
700年から800年前のマイトレーヤ(弥勒菩薩)との事だが、
そのデザインと同じ様式。
日本での弥勒菩薩とは全く姿は違います。
この像も通常のヴィシュヌとは異なってます。
イケている。
パティナ(古色)が滲み出ている。
ガチ系だ。
バリバリのチベット鍍金仏も極めて好みだけど、
こういうのも欲しかった。
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どうやって手に入れたのかって?
それは言えない。
来歴も明白で、説得力がしっかりしているが、
それゆえ、言えない。
だって、表に出ていないし、
ガチの仏像とタンカの売買はタブーで禁止されているから。
空港からも出せません。
手に入れる前、
知人の売主に
「ラダックから陸路で出るんだろ?」と確認された。
セキュリティ・チェックが厳しい、レーの空港。
「まー、そーなるよね」と僕は返した。
その瞬間、
僕はマナリ経由で陸路で遥々デリーに向かう事になった。
その前にも一悶着あって、
同席した、ある友人の地元の業者が手に取り、
彼のお客さんとスマホでやり取りしていた。
どうやら、お客が考えてるらしく、
友人は一旦、その場を離れた。
その隙に!
ワタクシ、ズバッといったよね。
一応、売主にも「わし、買って良いのか?」と確認して、
オーケーだ、と言われたので速攻で買い切った。
後日、その友人に会ったら、
「あの仏像、お前が買ったんだろ?
お客からオーケーが出て、戻ったら無かったよ。笑」と言われた。
そして彼は続けた。
「あれはヤベーよ、デリーの空港で」
知ってるわ、
出しちゃいけない系だしね。
その時は友人の店でお茶をしてた時の事だったが、
彼は棚をゴソゴソし、
「これで包めば大丈夫。銀紙に黒のプラスチック・バッグ(黒のビニール袋)で
包めば、X線を通さないからね」と銀紙を差し出し、言ってくれる。
その銀紙。
お菓子袋やんけ。
僕、一応、宿に戻り、包んだよね。
しかし、私は気が付く。
空港で、X線が通らない塊があった方が怪しくね?
そう、
僕は包みを解いた。
半身だし、分からんだろ。
最悪、スーツケースを開けられても、
「カーン・マーケットのインテリア・ショップで買ったんだ」と言えば、
いけるだろ。
手持ちのカバンにさえ入れなければ、
問題ない。
手持ちのカバンにNGの物を入れて空港に行ってしまって、
最悪な事になったチベタンの友人も知っている。
ただ、以前、イスタンブール空港でスーツケースを開けられて、
大騒ぎになった過去を持つ、僕。
・・・で、結果。
忘れてたよね、俺。
スーツケースに入れたまま放置していた。
だって、
ラダックから延々、合計28時間以上かけてデリーまで行き、
日数も経ち、デリーでも色々と忙しかったからさ。
そー言えば・・・、と気が付いたのは、
乗り継ぎのクアラルンプール空港の喫煙所。
デリーの空港では、
すっかり忘れてて、
グッド・アース(超イケているインテリアや食器、服の店)の服の事を考えていた。
俺は本当にアンティーク・ディーラーなのか?
いや、
前回のネパールで、
パッソ(象牙・一応違法)の、でかい数珠を自国に持って帰るのを、
超ビビってた、
タトゥーだらけのアメリカ人より、
その点に関しては、
僕の方が向いているだろう。
いずれにせよ、
全く怪しいそぶりも見せなくて済み、
完全にスルーできた。
無事に手元にございます。
結構な金額がしたが、
もうこれは手に入れざるを得ない物の一つでした。
もし売れなければ、
台座を作って自宅に飾ろう。
以上
中身がなかったですな。
古いカシミール仏像を買ってみた、でした。
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