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#72: ♪そーれ、それそれ、お祭りだぁ!

2008-09-19 | Weblog
「けやぐ柳会」の第1 号会員である芳男氏はカラオケ名人で、かつて北の酒場でその名調子をよく聴かせてもらったものである。
数ある彼のレパートリーの中でも“お祭りマンボ”は酒席を一気に盛り上げるきっかけとなる威勢の良い楽しい歌であった。

昭和27年、美空ひばりの歌で大ヒットし、数多いひばりの代表曲のひとつである。
作詞、作曲は洒落たモダンな曲作りで定評のあった原六朗で、当時一世を風靡していたマンボを使ってお祭り気分を出すという彼の代表曲でもあった。

この曲の歌詞には、「チャキチャキ」、「テンツクテンツク」、「ピーヒャラピーヒャラ」、「ワッショイワッショイ」と考えてみると面白い語感の言葉が使われている。

広辞苑によれば、「チャキチャキ」は「嫡々(ちゃくちゃく)の転」とあり「生粋」「正統」「本場もの」などと記述されている。
また「テンツク」は「テンツクテン」と囃子の太鼓の、「ピーヒャララ」は笛の音を表したものだということは分かるが、「ワッショイ」は「重いものを大勢で担ぐ時の声」とか「大勢が掛け声して騒ぐ声」と記されているのだが、この語の語源、起源の記述がない。

「大勢」が一緒に行う時の声なので、「和を背負う」からきたというもっともらしい説を聞いた覚えがある。
また、韓国語の「ワッソ」が語源という説もある。
「神がやってくる」の意だそうで、もしそうだとしたら、日本の祭りの掛け声が日韓の繋がりのしるしということになり面白いことになる…
いずれにしてもこれらが“お祭りマンボ”のテンションを否応なしに上げていく役割を果たしている。

「♪私のとなりのおじさんは、神田の生れで、チャキチャキ江戸っ子、お祭りさわぎが大好きで…」、「♪そのまたとなりのおばさんは、浅草育ちで、チョッピリ美人で、お祭りさわぎが大好きで…」とこの曲には、祭りに夢中になりすぎて火事に見舞われたり、泥棒に入られたりしてしまう「おじさん」、「おばさん」が登場する。
祭りの後で後悔しても、祭りの笛太鼓が響き出すと居ても立ってもいられずまたもや浮かれだす庶民の姿である。

厳しい経済環境の中、世は衆議院解散、総選挙という政治の季節に向かおうとしている。
私が選挙権を得てから30年余、みんなで神輿を担いでお祭り騒ぎをして、結果多くの人々が後悔するということが一度ならずあった。
文字通り気づいたときは「後の祭り」である。
われら少国民、さらにどれだけ政治家に「マンボ」を踊らされることになるのか見極めなくちゃ……

……てなことを、先週の日曜日の昼下がり、渋谷道玄坂でたくさんの神輿が繰り出していたところに遭遇(画像)、見物しているうちに白昼夢のようにぼんやり考えていた。

「子供らが離れて軽くなる神輿」(蚤助)

「華やいだ顔がそろった豆絞り」(蚤助)



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2 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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スリバン (蚤助)
2008-09-20 08:41:50
「お祭りマンボ」には「スリバン」という言葉が出てきますが、ご承知のとおり「擦り半鐘」のことですね。火事になると半鐘を叩いて知らせるわけですが、遠火だと「カン…カン…カン」と間隔が長く、近火だと続けざまにこするように鳴らします。これが「擦り半」で近い火事のことです。都会では見かけなくなりましたが、蚤助の育ったところに火見櫓があって、暗くなってから半鐘が鳴ると不安にかられ怖い思いをした記憶があります。小学生になって消防署に社会見学に行き、火見櫓に昇らせてもらってからは、半鐘の音に対する不安感が鎮火?して消防士にあこがれるようになりました。理由は、また火見櫓に昇れるから、ってホント単純、「××とケムリは高いところに昇りたがる」ようで…
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原六朗 (蚤助)
2008-09-20 09:03:28
「お祭りマンボ」を作った原六朗は、アルトサックス奏者としても活躍し、江利チエミ主演の「サザエさん」シリーズなどの映画音楽を担当しました。モダンで明るい音楽は師であった服部良一の作風に似ています。嫌いであった演歌の作曲を依頼されることが多くなって嫌気がさし、仮病などを使って徐々に第一線から身を引いて行ったようです。余談ですが、彼の作品では同じく美空ひばりの昭和30年のヒット曲「素敵なランデブー」という曲が好きです。確か、三人娘(ひばり、チエミ、いづみ)が共演した「ジャンケン娘」の主題歌でした。
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