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#734: 僕の歌は君の歌

2016-02-23 | Weblog
 リバティ・レコードのオーディションを落とされたエルトン・ジョンは、67年に作詞家のバーニー・トーピンと知り合った。エルトンが本格的にレコーディングを開始したのは翌68年からだが、まずはトーピンと組んでソングライターとして注目を集めていく。

 70年の8月、アメリカ進出の足掛かりとして、まだ無名の新人歌手だったエルトンは、ロサンゼルスでプロモーション公演を行った。トゥルバドールというクラブのステージに立ったエルトンは、ピアノの弾き語りを披露、そこに集まった観客の反応を伺った。その時に歌ったのが「僕の歌は君の歌」(Your Song)、トーピンの手になるロマンティックな歌詞とエルトンのクラシカルで典雅な雰囲気を持ったメロディを持った曲だった。彼のアメリカ進出を決定づけた瞬間であった。

YOUR SONG (1970)
(Words by Bernie Taupin / Music by Elton John)

It's a little bit funny this feeling inside, I'm not one of those who can easily hide
I don't have much money but boy if I did I'd buy a big house where we both could live

If I was a sculptor, but then again, no, or a man who makes potions in a traveling show
I know it's not much but it's the best I can do, my gift is my song and this one's for you

And you can tell everybody this is your song, it may be quite simple but now that it's done
I hope you don't mind, I hope you don't mind that I put down in words
How wonderful life is while you're in the world...

この気持ちは少し笑える 僕は気持ちを隠せる人間じゃない
お金は持っていないけど もし持っていたら 二人で住める大きな家を買うんだ

僕が彫刻家ならって考えるけど そうじゃない それとも旅回りの薬売りだったらとも思う
大したことじゃないとわかっているけど これが僕の精一杯 僕の贈り物は僕の歌 君のための歌さ

これは君の歌だってみんなに言っていいんだ 単純な歌かもしれないけどやっと出来たんだ
気にしないでほしい 僕の書いた言葉だってことを 気にしないで
君がこの世にいるだけで人生は何て美しいんだろう...



 「僕は彫刻家でもないし、旅の薬売りでもない」とか、「屋根の上で苔を蹴っ飛ばした、言葉がなかなか出て来なくて」(I sat on the roof and kicked off the moss, well a few of the verses well they've got me quite cross)とか、バーニー・トーピンの書いた叙情的な詞のイメージがなかなか瑞々しいほか、ピアノを中心にしたストリングスがたっぷりとフィーチャーされるポール・バックマスターの編曲がこの曲にピッタリと合っている。エルトンのじっくりと歌い上げる歌唱もすばらしい。スリー・ドッグ・ナイト、ロッド・スチュワート、ジェリー・マースデンのほか、綾戸智絵などもカバーしているが、蚤助の聴くところ、エルトンを超えるヴァージョンは未だない。

 何よりも、注意していただきたいのは、この曲は「男から男へ」の愛の歌であることだ。エルトンはゲイ(というよりも両性愛者というべきかも…)として知られるが、歌詞の中で相手に「boy」と呼びかけているのだ。イギリス人ながら、ゴスペルの影響を受けたロックシンガーとしての顔と、優しいバラード歌手としての面と両面性を持ったアーティストだが、この曲は後者の代表作であろう。以後。彼は70年代だけでも15曲以上の大ヒットを放ち、レジェンドとなっていくのである。

気ぜわしい質でバラード歌えない

これは、多分、蚤助自身のことでありましょう…(笑)。

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