『もし、この世の中から僕が死んでしまったら、どれだけの人が僕のために泣いてくれるだろう』
もしかしたら大勢かもしれない
もしかしたら少ないかもしれない
でも、それを確認することは絶対に出来ないんだ
死んでしまったら、意識、人格、記憶さえ土に還るから
そして、人の悲しみは時間がゆっくりと薄くしてくれる
僕のこともきっと、薄れていくんだろうなぁ
完全には消えないとしても、向こうが透けて見えるくらいに薄れていくんだろうなぁ
そう思うとすごく怖いんだ
僕との思い出は、その人たちの中ではゆっくりゆっくり薄れていって、その中のいくつかはホントに消えてしまうかもしれない
僕は何より『忘れられる』のが一番怖いんだ
誰か一人でも、一生涯僕のことを忘れないでいてくれたら、僕は完全なる死ではなくなるだろう
・・・だけど、忘れられてしまったとしたら、それは完全なる死だと思う
その時、その完全に忘れられた時、本当に僕は『死』んでしまうんだ
そう考えるとどうだろう
一体、泣いてくれる人たちの中で僕は、いつまで生き続けられるんだろう
偉大なる海を眺め、優しい風に吹かれ、静かな渚に打たれながら・・・
僕自身がとても非力だと知った
何ひとつ確信が持てず、大切なものも守れない・・・
何ひとつ何ひとつ・・・