PARK

新しくお話を作りました
実在するある女性の物語です。

星に願いを・・・・

2012-12-21 14:37:58 | そして・・出会い
そんな私が告白を受けるなんて。

それに、私はどのように返事をしていいかわからなかった。

私は末っ子で甘えん坊。

年下の相手とはうまくいくだろうか。

不安症でいつも誰かに頼りたいと思っている私にとってどう考えても難しいことだった。

ただ私は過去にいじめられた経験があっただけに、たとえ本心ではなくても告白をされたというだけでうれしくて涙が溢れる。

その後、複雑な気持ちのまま部屋を出た。涼介はどうしたかわからない。

気持ちの整理がついていないまま、みんながいる部屋へ戻った。

みんなとワイワイ騒ぐことで複雑な気持ちを発散させていたのかもしれない。

かなり夜も更け、夜中の1~2時だったと思う。誰かが屋上で空を見に行こうと言い出したので、私も行ってみるこ
とにした。

12月の寒い中、天然のプラネタリウムを見ることができた。気が付くと隣には涼介が。そして反対側には初対面の小野田久美がいた。

なんだか不思議な体験をした感じ。隣には告白を受けた人。その隣には、今日初めて友達になって意気投合をした人。

人生には色々な人生があるものなんだなって思う。

もう一つ不思議なことは、寒さを感じなかったこと。

今までの私の冷め切った心を涼介と小野田久美がポカポカと温かくしてくれたんだと思う。

そして、流れ星が見えた。

いつまでもこの仲間たちと仲良くできますように・・・・

告白のことはしばらく誰にも言わないでおこうと思った。

酔った勢いだったし、気持ちの整理がつくまで心の中にしまっておきたかったから。

でも、川田はなんとなく気づいていたようだった。

翌日、寝不足なのに宿の近くにある動物園へ行くことになった。あくびの連発をしながら動物を見学。

涼介はどう思っていたかわからないけど、私はなぜか涼介をものすごく意識するようになっていた。

なるべく隣にこないように、わざと別の人と一緒にいた。

涼介から見たら、かなり不自然な行動に思えたことと思う。意識するあまり、他の人と話をしていても上の空で、
会話がかみ合っていなかったかもしれない。

帰りに記念に集合写真を撮った。

そして、涼介は友達の結婚式の2次会がるので先に帰ってしまった。

私はある意味ホッとした。嫌だとかではなく、どう接していいのかわからなかったからだった。

忘年会も無事に終わり、私はしばらく冷静に涼介の気持ちをもう一度考えてみることにした。

まだ数回しか会っていないし、その数回というのは他のメンバーも一緒。

だから、涼介という個人がどんな人なのかよくわからない。

自分の固定観念で、年下ということがどうしても頭から離れない。

誰かに話したいけど母には前のこともあって相談できないし・・一体誰に話そう。


たまたま高校時代の友人たちと食事に行く約束をしていた。

気が付くと、私は涼介の話をしてしまっていた。

友達から、これと言ってアドバイスらしいアドバイスはなかったけど、話を聞いてくれるだけでも気持ちが落ち着
いた。

ただ一つ。

みんなが口を揃えて言ったのは「二人だけで一度会ってみたら?」と私に勇気を与えてくれた。

私はこの言葉を待っていたのかもしれない。

確かにそうだよね。

年齢で人を判断するのはよくない。

年下でもしっかりした人はいるだろうし。

もし自分と合わなければ、断ればいい話だし。

とりあえず、私は今の気持ちをうまく伝える自信がなかったので手紙に書いてみることにした。

どんな返事が返ってくるか、ドキドキした。

しばらくして涼介から返事が届いた。

緊張の一瞬だった。

封を開け、じっくりと手紙を読んだ。

内容は私に対する気持ちが冗談とかではなく、本心からである旨が綴られていた。

この返事をもらって更に私の気持ちを変えさせた。

とにかく一度会ってみよう。涼介と二人だけで会ってみよう。

年齢だけで人を判断していけないと・・・。




続く・・・

いじめ

2012-12-21 07:10:43 | そして・・出会い
今まで私は中学時代にいじめられたことがあった。

小学校の時から仲の良い女の子が、理由はわからないけどいつしか私から離れていき挙句の果てには
その女の子を気に入っている男の子が私をいじめた。

当時美術部に所属していた私は、母の手作りの巾着袋にキャンパスを入れて学校に持ってきていた。

ある日、ロッカーに置いてあったキャンパスが入った巾着袋が破け、キャンパスも真っ二つに割られていた。

ショックを通り過ぎて、呆然とした。

クラスの連中は私のその姿を見て笑ってる。

どうしてそんなことをするんだろう。

すぐに犯人はわかった。

やったことをみんなに話していたからだった。

それから、仲が良かった女の子も私を無視するようになり、気が付くと私は孤独を味わっていた。

唯一近所に住む女の子の友達が仲良くしてくれた。

そんな中学時代を私は過ごした。

高校に入り自分を変えたい。

たくさん友達を作りたいと思い、自分で何がいけなかったのか色々考えた。

そんな努力の甲斐もあって、女の子の友達はたくさんできた。

でも、中学時代のいじめがトラウマになっているせいか、
クラスメートの男の子と話をすることができなかった。

高校時代にできた女友達は、今でも交友関係がつながっている。

友達っていいなって初めて思った。

その後、専門学校に入学してからも友達に恵まれ、男性恐怖症だった私に
社交性のある女友達がきっかけで話ができるようになった。



続く・・


告白

2012-12-20 17:18:50 | そして・・出会い
いつものようにサーキットでの走行が終わり、それぞれ宿の方へ。

あまりよく覚えていないけど、ざっと20人は集まったと思う。小さな会社の慰安旅行みたいな感じ。

遠くから来る人がいて、食事の時間になっても間に合わない人がいた。

涼介は幹事ということもあって、てんてこまい。すでに集まったみんなは料理を
目の前に待ちくたびれている。

川田がぼそっと一言。

「先に乾杯したらええのに。気がきかんなぁ。」

確かに。

でも、涼介はまだ若く慣れていないのか、後から来る人の連絡を受けたり忙しそうだった。

私も一言「手伝おうか?」でも言えばよかったのだけど、忙しそうにしている涼介になかなか声を
掛けることができなかった。

ようやく落ち着いたらしく、やっと乾杯。

宴会は大盛況に終わり、続いて部屋で2次会をやりワイワイ。

女性陣は初対面の小野田久美という人と意気投合。

誰かが持ってきたと思われるかなり強いお酒を、涼介は薄めずに原液のまま涼介は飲まされたらしい。

私はあまりお酒が飲めないけど、少しばかり飲んでいたせいかあまり詳しいことは覚えていない。

だけど、これだけは鮮明に覚えている。

涼介がかなり酔って宿の廊下に出ていた。

私は様子を見に行ったのだけど、なぜか涼介に別の部屋に連れ込まれた。

部屋には涼介と私の二人だけ。

涼介は顔を赤くして言葉もはっきりしていなかったけど、私にはよく聞こえた。

「好きだ。付き合ってくれ。」

私はあまりにも急な事だったのでびっくりした。でも酔っぱらっているし本心ではないだろう、
ふざけているのだろうと思ったけど、はっきりいってどうしていいのかわからなかった。


続く・・・





メーリングリスト

2012-12-20 07:28:12 | そして・・出会い
その1か月後の10月にメーリングリストのメンバーでBBQをすることになっていたけど
台風の影響で中止になってしまい、別のところでボーリング大会をやろうということになった。

今回は色の白い外人風の井上が同僚を連れてくるということで、
また新しく知り合いができると楽しみにしていた。

今回のメンバーは川田、相沢、井上、同僚の江田、藤原。

そして女性陣は山本、石田、沢口と私。

ボーリングといってもみんな住む場所がまちまちなので、我々の住んでいるところから車で
2時間くらいのところで合流。

この時、川田がしきって女性陣は各男性参加者の車に乗せてもらうという企画を出した。

私は涼介と一緒だった。

車内ではちょっとした世間話や車以外の趣味の話がメイン。

その中で、犬の話が持ち上がった。私は大の犬好きでその中でも柴犬が大好き。

よくよく聞くと涼介もどうやら柴犬が好きらしい。

井上の同僚の江田は我々より結構年上の人らしく、とても落ち着いて見えた。

車が好きというよりも写真を撮るのが好きとのこと。

それぞれの愛車の写真を撮ってもらうということで参加したらしい。

江田はみんなの愛車の写真を撮っている間、私達女性陣はただ見ているだけだった。

撮影も終わりそろそろボーリングでもやろうかと、ボーリング場へ向かった。

その時、気のせいか江田は女性陣の後ばかりペタペタついてきた。

後ろから声が聞こえた。なんだか気味が悪い。

「あの・・。写真を撮らせてもらっていいですか?」

「え?」

私は初対面の人にいきなり写真を撮られるのが嫌だったので、やんわりとお断りした。

離れたところにいた沢口裕子にその話をしたら同じように言われたと言っていた。

その後、なるべく江田に近づかないようにした。

ボーリングの後は近くにある健康ランドに行き、汗を流す。

それ以来、週末というと例のメンバーであちこちと出かけるようになっていた。

もちろん、みんな会社員だし、所帯持ちもいるので参加できる人、
できない人まちまちだけどみんな私を仲間と認めてくれていた。

そして、そんなこんなでこの年ももう年末を迎えようとしていた。

例のメンバープラス同じ愛車に乗る仲間数名と忘年会をすることになった。

幹事は一番若い藤原涼介。

自分が勤める会社の保養所があるからどうか・・ということだった。

もちろんみんなOK。

女性陣は私、沢口、山本、石田のほかに、新しく2名ほど参加することになった。

また新しく友達ができる。ずっと忘年会の日を楽しみにしていた。



続く・・・



花火

2012-12-19 14:15:35 | そして・・出会い
今思うと、仲間パワーってすごいな。こうも人を変えられるものなのかって。

食事の後は花火をすることになった。

人使いの荒い川田が大声で叫んだ。

「花火に使うライターがないから、誰かライターを買いに行って来い!」

ここでマネージャーらしいことをしないと・・・。

宿へ来る前に近所にコンビニを発見したので、大体の場所はわかる。

行くのは構わないけど、始めてきたところだし辺りは真っ暗。

「私一人で行くのは嫌だから、誰か一緒に行かない?」

シーン

結局誰も行く気配がなかったので、私一人で暗がりの道を歩いてコンビニへ行くことになってしまった。

車で通った時はそんなに遠く感じなかったけど、歩いてみると結構な距離。

ようやく辿り着いたコンビニの店先には、ガラの悪そうなお兄さんたちがいっぱいいた。

この辺一帯はそこそこの観光地で、まだ9月の初めの週末ということもあって観光客がたくさんいる。

なんとかコンビニで買い物を終わらせて、宿の方へてくてくと歩いて行った。

みんな冷たいヤツだなと感じていたけど、当時の私はまぁいいかと流すことができていた。

その後、合宿に参加した新しいメンバーが、メーリングリストに登録。

このメールのやり取りが何よりも私の楽しみになっていた。

車に関する細かい内容はよくわからないけど、今度の週末にどこかに行こうという内容や冗談の連発が
書かれたメールが送られてくるのを見ていつも笑っていた。

心機一転してよかった。

新しい職場に趣味を通じた仲間たち。今までの私がどこかへ行ってしまった。


続く・・・


運命の出会い

2012-12-19 07:28:28 | そして・・出会い
その後、同じ車種に乗る仲間たちが数人仲間入りし、学生気分になったのか合宿を行うことになった。

ふと思ったら、女子は私だけ。行ってみたいけどちょっと一人っていうのはどうかと思った。

身近に車好きな女の子ってそういなかったので誘う相手が見つからなかった。

そこで相沢氏が勤める会社の同僚の女の子に声を掛けてみようかという話が出た。

今まで何の接点を持たなかった人とまた友達になれる。とてもワクワクした。

その人も参加できるかどうかわからないので、自分でももっと心当たりの人に声を掛けてみようと思った。

同じ職場で少しだけ仲が良くなった3歳年下の沢口裕子というおっとりした子に声を掛けてみた。

難色を示すと思ったら、あっさりと「いいよ。」と言ってくれ、なんとサッカー部の川田のことを知っているとのこと。これでなんとか女性メンバーを確保した。

いよいよ合宿当日。

私と沢口裕子は川田の車に乗せてもらうことになり、出発!

相沢氏の勤務する会社の保養所にて宿泊。参加者は相沢氏、川田、井上、新しく入った相沢氏と同じ世代の橋本氏、川田と同い年の平井氏。女
性陣は私のほかに沢口裕子と相沢氏が誘った山本順子とそのお友達の石田淳子だけだと思っていた。

ところが、川田が言うには後から一人男性が来るという。彼はこの日にライセンスを取得するので、講習を受けている最中とのこと。

川田は「まだ24歳でお前らより若い。」と嫌みのように言った。

なんて失礼な。

女性陣では相沢氏が誘った山本順子が一番年上。彼女はやっぱりお姉さん的存在で、飲み物や紙コップなど色々なものを用意してきて手慣れた感じに見えた。

私はサッカー部のマネージャーでありながら、そんなことも気が付かないなんて少し自信を無くした。

山本さんは姉御といった感じで、初対面でありながら男性陣からも頼られていた。

どういうわけか、逆に女性陣同士の空気が重い。

ここでじっとしている訳にはいかないし重たい空気をなんとかしたい。

思い切って山本さんに「何か手伝いたいんだけど、何をしたらいいかな?」と話しかけてみた。

山本さんはチラッと私の顔を見た。

「それじゃ、これをみんなに配って。」

と飲み物が入った紙コップを渡された。

「OK!」

沢口さん、石田さんも同じく手伝った。

それをきっかけに重たい空気になっていた女性陣の壁が一気になくなり、気が付くと軽く話をするようになっていた。

しばらくして、後から来るという新入りメンバーがやっと到着した。

彼の名は、藤原涼介。まだ24歳という若さ。

髪少し長いらしく後ろで縛っていて、髪の毛の色も少し明るい。

ちょっと見た感じはチャラい。

うわ~、しかも車のボディにたくさんのステッカーが貼ってある。

今、集まっている男性陣とは少しタイプが違う。

もしかして、私達とは住む世界が違う人なのかな?

年齢も年下だし・・話が合うのかな。

この時、私には絶対縁のない人だと思っていた。

走行会と呼ばれるイベントが行われた。

ライセンスを取得したドライバーが自分の車でサーキットを走るという単純なことだけど、彼らにとってはそれが魅力らしい。

男性陣からサーキット1周のラップを計測して欲しいとの依頼があり、女性陣は楽しく話をしながらラップ計測に精を出した。

無事に走行会も終わり、宿へと向う。

最初に想像していたよりも、全然雰囲気が違って明るくて面白い人たちばかり。

学生時代の友達とは違った雰囲気。

食事の時、お酒を飲んでしまってどんな会話をしたのかなど全然覚えていない。

唯一覚えているのは、話が合わないと思っていた藤原涼介と腕を組んで写真を撮ったことだった。

私は酔った勢いで色々バカをやっていたらしいけど、仲間たちは笑って受け流してくれたしツッコミを入れてくれたりした。

今まで学生時代、印刷会社時代と色々なことがあったけどこの時の私は本当に毎日が楽しいと思っていた。

ちょっと嫌なことがあっても受け流してニコニコできたし、嫌だなとも思わなかった。