2008年の下半期は前半に引き続き、『ただ旅がしたい』という気持ちでいっぱいだった。
下半期の後半は、デジタル一眼レフを始めたこともあってか、写真を撮りに旅に出る、ということもしばしばあった。
7月 <高知 室戸岬と鰹のタタキツアー>
天気のいい夏、鰹が旬だと知って思いつきで高知県へ向かった。
まずは四国の南東にある室戸岬へ。
愛車をオープンにし、海から来るそよ風を受けながら車を走らせる。
空には雲がなく、海との境界線が分からないくらい青く澄んでいる。
街の市場へ向かって鰹のタタキを注文した。
目の前で焼いた藁で鰹を炙ってくれる。
一つのショーのようだった。
当然だが、今まで食べた鰹の中で一番うまかった。
香ばしい鰹に白いご飯が進む。どんどん進む。
わざわざ高知まで来た甲斐があると感じた。
7月 <台湾 台南・台中ぶらり旅>
初めて一人旅をしたのが台湾だった。
この台北駅から何度と電車に乗っただろうか。
大学の頃だけで台湾へは10回近く足を運んでいるはず。
日本人とはちょっと違う顔立ちの人たち、都会の高層ビルの下にある小汚い屋台の群れ、何百と連なる華やかな夜市、全てが新鮮だった。
当時は在来線でせいぜい快速くらいしかなく、九州ほどしかない台湾の鹿児島あたりにある高雄や台南へ行くには5、6時間かかった。
しかし、この新幹線を使えば2時間でいけるという。
日本の東海道新幹線をそのまま輸入している電車に乗って台南へ向かった。
中は日本の新幹線そのまま。
なんだか出張に行っている気分になってしまい、複雑だった。
在来線で隣に座ったおばちゃんから果物をもらったり、途中の駅で物売りが窓から手を入れてきたりするほうが楽しいと思った。
台南で知り合った若者達。
デジカメをパシャパシャとり、比較的上手な英語を操る彼らを見て、なんだか昔と変わってしまったのかなと少し寂しい気持ちになった。
とってもいいやつだったけどね。
8月 <中国 北京オリンピック>
2002年の日韓合同のサッカーワールドカップ、2006年のドイツワールドカップ、そして今回の北京オリンピック。
これらに参加している僕は周りからよっぽどお祭り好きなやつと思われているかもしれない。。。
鳥の巣スタジアム。
会場は全てが遠く、思ったより便利が悪かった。
さすが中国・・・。
気が利いてない、全く・・・。
今回プレミアが付いてなかなか手に入らないという開幕式のチケット。
バーコード管理されている分厚いチケットだった。
開幕式での日本チームの入場。
この後の開幕式は今回のオリンピックの中で一番胸に残るものになった。
あまりにも遅い時間まで続いていたため、最後の最後のジャッキーチェンの歌を聴いている人は少なかった。
本当はジャッキーファンの私もそこまでの体力の余裕はなかった。。。
9月 <ペルー リマ・クスコ マチュピチュの旅>
アンコールワットと同じく大学の頃から憧れていたマチュピチュ、これも叶えてしまった・・・。
あっけない・・・。
が、夢にまで見た憧れの土地にやってきた気持ちは言葉に表せないものがある。
通常のツアーであればマチュピチュは日帰りが多いそうだ。
私はそこへ1泊し、マチュピチュを二日間楽しんだ。
綺麗な景色を楽しむというより、憧れだった土地にいることを喜んでいた。
ペルー万歳だって。
到着した時、片道4回の飛行機での長い移動が一旦終わり、まさに『万歳』な気持ちだった。
ペルーの女性警官は日本の警官よりも勇ましく見えるのは気のせいか・・・。
この景色が見える高台に4、5回は登ることになった。
朝、昼、夜、全て違った景色を見ることが出来る。
朝もすがすがしく気持ちよかったが、夜のアルマス広場のライトアップはずっと眺めていても飽きない美しさがあった。
10月 <福岡 納豆専門店ツアー>
思いつきで帰った福岡。
納豆専門店に行く為だけの旅行。
贅沢してます。
納豆屋さんの標語。
なんでも粘り越しで行きましょう。
ずっと福岡に住んでて福岡タワーを写真に収めたのは始めてかもしれない。
11月 <北海道 洞爺湖 海の幸ツアー>
一人でまた先輩のうちへ遊びに行った。
天気が悪かったがあえて洞爺湖へ。
さすがに人が少なかったが、温泉は最近冷え性で悩んでいる体を元気にしてくれた。
夜中の11時なのに30分は待たされた信玄のラーメン。
うまかった・・・。
でもカニうにいくら丼が一番のお気に入り。
二日連続で食べても全く飽きなかった。
12月 <マカオ ぶらり二人旅>
綺麗に整備された都市と混沌と雑居ビルが入り組んでいる路地裏とが混在している街だった。
マカオのカジノで動く金額はラスベガスを越えているという。
街中ではおじさんたちが中国将棋を楽しんでいる風景にも出くわす。
マカオの象徴でも有るマカオタワーでは数人がスカイジャンプを楽しんでいた。
次は挑戦しようと心の中だけで誓った。
12月 <バリ島 夫婦水入らずツアー>
空港に到着して『EXIT』のドアを通過するとき、いつも思いっきり鼻から呼吸することを心がけている。
バリの空港に着いたときもそうだった。
東南アジア独特の熱気と香辛料とも表現できないような匂いが鼻を付いた。
到着は深夜だったがこのような女性が出迎えてくれ、首に花飾りをかけてくれた。
どんな気持ちで遅くまでこんな格好をしているのだろうか。
ガイドに連れられて到着したビラの部屋はプールが付いたかなり広い空間にあった。
こんな贅沢が許されるのだろうかと・・・・。
お風呂にはすでにたくさんの真っ赤な花びらが浮いており、逆に入るのが申し訳なかったのでたくさん写真に撮っておいた。
これで思いっきり入れるぞと。
途中でお湯の出が悪くなるのはご愛嬌。
このビラにはレストランは全くなく、朝食はスタッフが個人個人のビラで作ってくれる。
これまたなんて贅沢な・・・・。
バチがあたりそう。
日本に帰ったらしっかり働きますからお許し下さい神様。
こんな都合のいいときにだけ神様と仏様を使う私。
毎朝彼らが朝食をサーブしてくれる。
今回は2回連続ナシゴレンとミーゴレン。
後半2回はアメリカンブレクファスト。
今回海辺のレストランの2階席を予約。
夕日が周りを全て赤く焦がすほど輝いていたのが印象的。
誰もがカメラを夕日に向けていたのも面白かった。
妻と二人でゆっくりとした時間を過ごすことが出来た。
以上が2008年下半期の旅でした。
バリに行く出発前の関西空港で沢木耕太郎の『旅する力』を暇つぶし程度の気持ちで購入した。
彼の言葉の中に印象的なフレーズがあった。
『大事なのは旅行に行くことそのものではなく、向こうで何を感じて何を考えたか感受することが一番大切』。
世界中を旅している彼のその言葉に頭を思いっきり殴られたような衝撃を覚えた。
最近の私は「ただ旅がしたい」という気持ちだけで目的地をクリアーする感覚だった。頻繁に旅行に行くようになり、思い返してもあまり印象に残っていないものも確かにある。それはきっと『クリアー』しただけの旅になってしまっていたのだと思う。
これからの旅は昔あったような『感受』を大切にし、3月に新しく増える家族と一緒に旅を続けて行きたい。