カモシカさんの山行記録・旅日記etc.

山は心のふるさと。登山(アルプス~低山まで)・ハイキング・小旅行の気ままな記録です。

SOS 香貫山

2011-03-20 | 散歩にて

 

 

 TOP写真は 本日私が目にした痛々しい切り株・・・・・・。

 このような状態が山頂を取り巻く斜面で・・・・。

 

生活環境保全林とは…

森林には、災害の防止や水資源のかん養など様々な機能があります。
森林を散策することによって、心身に安らぎを感じる体験をされたことがあるでしょう。
これを、森林の保健休養機能といい、森林の持つ大切な機能の一つです。
荒廃した森林の整備を通じて、保健休養機能の高い森林を造成し、緑豊かな生活環境・自然環境の保全・創出を目指しています。
なお、生活環境保全林では、遊歩道やあずま屋などの休憩施設を整備していますので、森林浴などのレクリエーションにぜひご利用下さい。

                       <生活環境保全林について:京都府のHP解説抜粋>

 

 3月20日、午後から天気が崩れるとの予報。

 曇り空の下、お昼近くになって暖かくなってきたので ほんの少しだけ外を歩いてみることに。

 その最中も頭からは常に地震と津波のことが離れない。被災地のことも気にかかる。

 しかし、健気に咲く路傍の花たちの姿に癒される。寒い冬を耐え、今また春のこの時を迎え

 生命の輝きを放ち始めた。 今厳しく辛い状況下の被災地も必ずや

 復興のその時が来るであろう。

  スミレ

  アカツメクサ

  タンポポ

  カラスノエンドウ

 

 そして、ソメイヨシノの桜のつぼみ!

 沼津では今 こんな感じで膨らみかけてきました。

 

 静岡地方気象台の観測では、 静岡市で6輪の開花を確認。

 本日全国一早く ソメイヨシノの開花宣言を発表した!

 

 それはそれで嬉しいことだ。何となく心も軽やかになる。

 

 しかし、その直後私が目にした光景は・・・・・・!!!!!

 

 

 今日は香貫山遊歩道を辿って 市街地から沼津アルプスの北側に回ってみた。

 つい最近1月に縦走したときには、確かに鬱蒼とした自然林の林だった所だ。

 香貫山山頂と展望台が、丸見えだ!

 こんなの今まで見たことがない。拙ブログで「沼津アルプス縦走」をご覧になった方、

 或いは 実際沼津アルプスを縦走した方、香貫山だけでも登ったことがある方も

 きっと初めて目にする光景だと思います。

 赤いリボンが付けられた竹の支柱は サクラの幼木を支えています。

 

 牛臥山も駿河湾も一望の展望に。展望がよくなったことはいいのだけれど・・・・。

 斜面にあったはずの鬱蒼とした自然林がなくなっている!

 コブシ、コナラ、クロモジ、クロガネモチ、クスノキ、ムクノキ、ハリギリ、アカメガシワ、ガマズミ

 等など思いつくだけでもこんな感じ。私が知らない名前の木だっていっぱいあった。

 私には悲鳴が聞こえてきた!

 サクラと引き換えに命を奪われた木々たちの・・・・・。

 

 

 

 

 傍らには こんな看板が。 何か矛盾してないか?

 

 嶮しい沼津アルプスの中で唯一標高193mの香貫山は

 山域全体が市民の憩いの場としての公園化したお散歩向けの山にはなっているのだが、、。

 

  林野庁か農林事務所か県か市かは分からないが、

 浅はかな人間のエゴで 全山桜色に染まる香貫山の公園化を考えたのだろう。

 とても全国民が賛成しての着手とは考えられない。

 広報にもこんな内容のニュースは出てない。 

 

 南西側だけでなく中瀬町方面の北斜面も同じような状態だった。

 愛鷹山が見えている。天気がよければその後に富士山だ!

 一般に展望がいいことは、我らヤマノボラーにとっても嬉しいのだが、

 何も山頂へ行って、展望台から360度の展望が得られればそれでいいのである。

 自然の林を伐採し サクラを植えることが本当にいいことなのか?

 山の斜面を丸裸にしてしまっていいのか?

 サクラの樹には 虫がつく。 昔から其処に生えていた山桜なら微妙な生態系の中で

 バランスをとっていたはずだ。

 人工的に植えられたソメイヨシノの山にしようなんて 浅はか過ぎやしないか。

 鬱蒼とした自然林が、雑木があってこその山だ。

 中学生の時 国語の授業で横浜国立大学教授:宮脇昭の説明文を勉強した。

 富士山スバルラインの両脇のシラビソなどの死にかけた針葉樹の話から始まって、

 大木が正常に育つためには マント群落とソデ群落という低木や雑草・苔を残さなくては

 森は育たない。大木とマント群落・ソデ群落は持ちつ持たれつの微妙な共存バランスの中で

 お互いがうまく助け合って生きているのだ。街路樹を作るときもその木だけでは育たない。

 という内容の説明文だったことを覚えている。

 サクラは確かに 美しい。 しかし、サクラだけ植えてもダメなのである。

 まして、「山」という自然環境にそれはダメージが大きすぎないだろうか?

 私は植物の専門家ではないので、100%正確なことは論じることができないが、

 なんか危険を感じるのである。

 見栄えの悪い樹は 切り捨て。。。。。

 この考え方って、実は現代の我々人間社会の投影のような?

 

 

 

 

 

     誰が切ったの?     誰が命じたの?

    このことって 全市民・全県民が本当に望んでのことなの?

    四季折々の自然の変化が美しい日本だけれど

   1年に1度 サクラの花を観るためだけに 全ての日本人が このありさまを望んでるの?

 

   香貫山は 丘のような低山で市街地にある山だからいいの?

   もっと分かりやすく言えば、八ヶ岳の秋はカラマツを中心とした地味な黄葉だから

   色合いの冴えない木々は伐採して、

   其処に真っ赤に色づくカエデやナナカマドを新たに植えて 全山真っ赤な紅葉を観よう

   ということに等しい。

   香貫山について知らない方でも このように置き換えて考えていただけると

   状況が分かりやすいと思います。

      山高きが故に 尊からず  山低しと言えども 軽んずべからず

 

   私には切り倒された木々たちの悲鳴しか聞こえてきません。 

   真の生活環境保全林って なんなの? 

 

        香貫山のSOSが聞こえる!

 

 

 

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8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
森は泣いている (RN)
2011-03-21 07:59:50
ほんとにそうですね。みんな人工的になってしまう。自然環境って大事。

黒姫山麓アファンの森へ来ましょう。

http://www.afan.or.jp/

http://www.afan.or.jp/afan_now/

返信する
RNさん ( カモシカ)
2011-03-21 21:33:18
>森は泣いている
至る所の森や山がね。 宮脇さんの著書にも「森が泣いている」というのがありましたね。

宮脇さんは、土地本来の潜在自然植生の木群を中心に、その森を構成している多数の種類の樹種を混ぜて植樹する「混植・密植型植樹」を提唱し活動していますね。
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Unknown (食う寝るさんだ~す)
2011-03-21 23:14:36
何たる惨状・・・目を疑いますね。
ホント悲しいです。
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食う寝るさん ( カモシカ)
2011-03-22 20:25:48
このありさまを目の当たりにして 唖然としました。
物言えずして切り倒された木々たちの叫び声を想像すると 本当に悲しい光景です。
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Unknown (つばさ)
2011-03-24 11:16:34
本当に、こんな感じで人工的に変えてしまうと、「香貫山生活環境保全林」という看板が空々しく感じますね。人は集まるかも知れないが、山の生活環境も変わってしまいそうですね。
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Unknown (上松 B作)
2011-03-24 20:38:17
林野庁は一体何を考えているんでしょうか?

桜の名所などいくらでもあるでしょうに・・・

こんな無意味な伐採ほど腹立たしいものはありませんね
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つばささん ( カモシカ)
2011-03-24 22:55:54
サクラは美しいし、花見も日本独特の文化としては大事なもの。しかし、年に1回限りのイベント人寄せのために山のトータルとしての自然環境を破壊してしまっては何にもなりませんね。
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 B作さん ( カモシカ)
2011-03-24 23:01:54
>林野庁は一体何を考えているんでしょうか?
自然の生態系を守るべき知識を持ったスペシャリストもいるんだろうにね。

>こんな無意味な伐採ほど腹立たしいものはありませんね
切り株を見る限り朽ち果てて駄目になった木ではなく 明らかに勢いよく生きていた木ですからね。サクラを植えることと伐採した木について論理的に納得できる説明看板くらい設置するのかしらん。

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