枝野氏の演説に聞き入る聴衆、
各所で多数集まる
10/15(日) 12:08配信 東洋経済ONLAIN <ジャーナリスト安積 明子 > 抜粋
枝野氏は演説で「権力があれば何をしてもいい。そんな傲慢(ごうまん)な政治がまかり通っていいのか」と、安倍首相の政治手法を批判した上で、「民主主義は、最後は多数決だ。しかし、国民に最大限納得してもらう努力をしない民主主義は、民主主義ではない」と訴えた。
新党を立ち上げた理由にもあらためて触れ、「私も無所属で出ていれば、今ごろ自分の選挙区に張り付いていられる(笑い)。しかし、無所属では戦えない仲間が多くいた。皆さんが背中を押してくれたおかげで、私は立ち上がれた。立憲民主党は、国民の皆さんがつくった政党です」と声を張り上げた。
ただ、党に対する関心の高さだけで勝てるほど、選挙は甘くない。そのことを痛感している枝野氏は、「どうせ(衆院選を経ても)何も変わらないとあきらめている人はいませんか。みなさんがあきらめないために、私は選択肢を示した」と強調。「主役はみなさんだ。後に、この衆院選で、日本の民主主義が本当のまっとうな民主主義になったといわれるためにも、一緒に戦ってください」と、投票を呼び掛けた。
14日は、そんな立憲民主党の勢いを肌で感じるような1日だった。新宿に続いて池袋で行われた枝野氏の街宣も大盛況で、ざっと見て2000人近くが集まっている。立憲民主党は設立間もなく党員はほぼいないため、その多くは組織的動員ではないと見てよい。
「これまでの政治は上からの政治だったが、右からも左からもなく、暮らしの現場からの、草の根からの、下からの民主主義を前へと進めていく。国民のみなさんにお示しをさせていただきたい」
希望の党の小池百合子代表が「右でも左でもないど真ん中のフェアウェイ」をアピールしているのに対し、枝野代表が提唱するのは「下からの民主主義」だ。
立憲民主を完全に評価するわけではないが
安倍一強を崩すなら、筋が通った◎◎◎◎をメインに考えるべきだろう。△△の党だと、当選後に何をするか分からない。
「アベノミクスは豊かな人をさらに豊かにした。確かに株価は上がった。大きな企業を中心として、企業の内部留保は過去最高だ。豊かなものを豊かにすれば、その恩恵はすみずみまで行きわたると安倍首相は言った。確かに高度成長期の日本ではうまくいった政策だ。しかし5年たった。結果的に何が起こっているのか。貧困の格差によって“1億総中流”と言われた日本社会が分断されている。これでは社会が荒れてしまう」
枝野代表がもっとも強調したことは2つ。経済格差と立憲主義だ。立憲主義とは為政者がルール(憲法)を守ることだが、これに反する「忖度政治」でひずみが生じてしまっている。その例が森友学園問題であり、加計学園問題だと主張する。
確かに安倍政権下で日本経済は浮上した。その象徴が株価。10月13日の日経平均株価は2万1155円18銭で引け、約21年ぶりに2万1000円台を超えている。
だが、多くの国民が好景気を実感しているわけではない。安倍政権への不満もくすぶっている。その証拠が、内閣不支持率が支持率を上回っているという点だ。
■ひょっとしてひょっとすれば・・・
NHKが10月7日から9日にかけて行った全国世論調査によると、内閣支持率は37%で不支持率は43%だった。時事通信が6日から9日にかけて行った世論調査でも、内閣支持率が37.1%に対して不支持率は41.8%。一方で比例に投票したい政党は自民党が断トツで30.7%にも上っている。これを見ると、自民党が圧倒的に安定感を持っているのにかかわらず、政権の不支持率が高いという奇妙な現象が生じていることがわかる。
これをどう解するべきか。多くの国民が自民党が作ってきた日本のあり方を支持しつつも、現政権がやろうとしている個々の政策についてはいまいち支持できないという意味だろうか。あるいはとりあえずは自民党を支持しているが、“よりましな政党”ができれば一気にそちらに流れていくという意味なのか。
こうした不満の声をうまく受け止めることができれば、立憲民主党はさらに勢いを増すだろう。さらに、自公側に何か逆風でも加わるようなことがあれば、自公を過半数割れに追い込むようなことが、ひょっとして現実化するかもしれない。今回の選挙で一気に政権奪取に至らないとしても、野党として存在感をもった政党に踊り出ることは、間違いなさそうだ。
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