厳冬の西穂高岳登頂
厳冬期の北アルプス 西穂高岳に登頂!
厳冬期の北アルプス、西穂高岳。標高2,909mと3,000mに満たない頂稜とはいえ、
名だたる穂高の岩稜が続く難ルートである。
今までの経験と、知識と技術を駆使して、雪の西穂を登る。
撮影した写真の数が余りにも多くて、本編完成はいつになるやら?<次の山行の為、パスするかも?>
今回の西穂登頂は、大きな感動と共に達成感や満足感も一際大きく充実した山行であったので、
取り急ぎダイジェストで 山行記録をまとめておく。
(素晴らしい雪山の展望や穂高の縦走路、そして、スクープ写真もあるので、追って本編を掲載予定?)
丸山を経て、西穂高岳「独標」に至る真っ白な雪稜。
中央の三角が、ピラミッドピーク。 その右、黒く見えているのが 独標。
独標にて。「独標」は「独立標高点」という測量用語。他にもあるが、「西穂独標」が際立って有名。
代表して、 大木場ノ辻~錫杖岳~笠ヶ岳の眺め。 遠くに白く見えているのが、白山。
天狗ノ頭、天狗のコル、コブ尾根の頭,奥穂~吊り尾根~前穂<3,090m>、
明神岳(右へ第一峰~第五峰)、岳沢へ・・・。
ピラミッドピーク、西穂、間ノ岳、天狗ノ頭、コル、コブ岩尾根の頭~ジャンダルム3163m・ロバの耳、
奥穂~吊り尾根・・・
独標までは、さして難しいルートではなくお手軽に厳冬期の景色を堪能することができる。
しかし、その先の西穂高岳山頂までは、上級者向けのコースである。独標までの登りとは一変する。
13ものピークが連なる、急峻でやせた尾根の登下降が連続する。
独標からは、岩の急降下からコルへ。そして、雪に覆われた岩稜の急登。
真っ白な雪稜をピラミッドピークを目指して進む登山者たち。
ピラミッドピーク登頂! 西穂~前穂までが、一望だ。
雪よ 岩よ われらが宿り・・・…♪
ピラミッドピークから先は、さらに厳しいアップダウンの連続となる。
ぎりぎりのコース取りで、ダイレクトに岩稜ピークを縦走していく。
その縦走ルートを3峰から振り返った様子。
遠くに、乗鞍、焼岳。 その手前のギザギザが辿ってきたルート。
一段低い独標<11峰>、ピラミッドピーク<8峰>~チャンピオンピーク<4峰>
3峰から辿ってきた4峰<チャンピオンピーク>~8峰<ピラミッドピーク>~11峰<独標>を振り返る。
後方は、乗鞍と焼岳。
3峰斜面トラバースの途中で、独標~ピラミッドピークを経て登ってきた縦走路を振り返り見る。
西穂山頂直下付近から登ってきた縦走路を見下ろす。写真左上の谷筋は上高地。
360度の大パノラマが展開する西穂山頂に登りつく。
雪の西穂高岳に登頂!
憧れの厳冬期の西穂高岳! 千晴の頭上には 槍の穂先もはっきり見えている♪
槍ヶ岳
山が命と 笑ったあいつ
山を一番 愛したあいつ
雪の穂高よ こたえておくれ・・・・・・・・♪
夏に比べて、雪山の方が大きく、迫って見える感じがする。
夏山とは違う、吸い込まれるような威厳と美しさに満ちた雪山は、
本来人間が踏み込めないであろう神の領域を思わせる。
迫力と美しさに輝く山と空を仰いで、今日も登らせてくれた山に感謝。
所感:
休みと天気が合わず、数年にわたってそのチャンスを狙っていた厳冬期の西穂高岳。
ようやくそのアタックの時が巡ってきた。期待を裏切らない山であった。
恒例の奥穂~ジャンダルム~西穂への縦走だと 西穂手前までがハードな難関縦走ルートのため
西穂はおまけのような感覚のピークで、その先のピラミッドピーク、独標、西穂山荘までは、
ハイキング感覚なのであるが、「厳冬期の西穂」となるとその存在感は大きく、憧れのピークの一つとなる。
西穂山荘~独標までは、スノーハイク+α程度の登山である。
しかし、独標からその先の西穂高岳山頂までは、上級者向けのコース。独標までの登りとは一変する。
13ものピークが連なる、急峻でやせた尾根の登下降が連続する岩稜ルート。大げさに言えば、
命懸けのコースだ。一歩間違えば、「死」もしくはそれに準じる危険との背中合わせだ。
故に、今回の雪山ルートを辿っての西穂登頂は、大きな感動と共に達成感や満足感も一際大きく
充実した山行であった。
夏山とは一味違う白銀の山岳展望は崇高なまでに美しく 私の心に強く刻まれた。
風雪の荒天では、こうは行かなかっただろうが、幸いにも終日の快晴。時折、強風に煽られるが、
山頂に至ると静穏で 心ゆくまで展望を楽しむことができた。(西穂山頂の滞在時間1時間♪)
稜線は例年より雪が少なく(山荘スタッフからの情報)岩が露出している部分もあり、3点確保を要する
登下降に於いては、雪に対する技術に加えて、 アイゼンの爪を引っ掛けない慎重さも求められるコースであった。
岩稜の痩せ尾根に信州側へ張り出した雪庇にも要注意で、岩と雪のミックスの斜面トラバースなどは、
安易にトレースを追わずに 自己の安全確保をする確かなルートファインディングの力も必要だ。
夏なら、鼻歌ルンルンのこのコースも厳冬期登山となると緊張感と共に天候判断も含めて
確実な技術が要求されるコースである。
美しく荘厳な山岳風景に魅せられるが、安易にこのコースに向かうべきではないことを付記しておく。
年明け独標まで、いきたいです。
まさしくそうですね。限られた人しか登れない厳冬期の雪山ですね。今回は長年の願いがかなって、達成されたのですね。おめでとうございます。我々では踏み込めない世界ですので、カモシカさんの記録を見て、雪山気分を味わっています。