振り向けば大宮の夜が明ける。 少し変わった角度から眺めるの!

大宮在住。
伸び行く大宮市、
その時々の目に留まったことなどを楽しくユーモアも交えて
書きたいと思います。

アンデルセン童話親指姫に翼が付いた。終。

2018-11-05 23:41:30 | ブログ

 

「わたし、もぐらのお嫁にならなきゃならないの。そうしたら、もう2度とお日様を

見ることができなくなる。」

 

「さあ、僕の背中に乗ってください。僕と暖かい南の国へ行きましょう。

そこは1年中暖かくて、美しい花が沢山いつも咲いているのです。」

 

 

「行くわ、今度こそ行くわ。」

やっと、自分の意志を行動に移すことを決めた親指姫でした。

 

親指姫はツバメの背中に乗りました。長い旅になります、腰に結んでいたリボンを

ほどいて、ツバメと自分の体を、しっかりと結びつけました。

 

 

「行きましょう、僕にしっかりつかまっていてください。

僕の羽があなたを守ります。」

 

ツバメは親指姫を乗せて大空へ飛びたちました。

空の中を森の上を越えて、とても高い山々の峰を越えて、広く大きな海をツバメ

は自由自在に飛んでいきました。

 

海の上では、荒い波の上をすれすれに飛び過ぎたり、冷たい氷だけの島も通り過

ぎていきました。

 

高い空の中を飛んでいるのに、親指姫は少しも怖くはなかったのです。大好きな

ツバメと一緒なのです。

ずうっと、会いたかったツバメの背中はとても柔らかく暖かいのです。

 

 

雨が降ると頭をツバメの羽の下に隠し、寒くなるとツバメの優しいふんわりと

した羽の間にもぐりこみ、その間から小さい頭だけをちょこんと出して、目の前

の移りゆく凄いパノラマを驚きを持って眺めていました。親指姫の目はキョト

キョトしっぱなしでした。

 

 

「とても綺麗だわ‼ ツバメさんとても綺麗だわ!」

 

長い遠くへの旅を何日も続けたツバメと親指姫に、暖かな風が吹いてきました。

とうとう南の国に着いたのです。

 

「とうとう来たんだわ。」

コバルトブルーのとても澄んで綺麗な空は光で輝いていました。

大好きなお日様はあふれんばかりに降り注いでいました。

 

沢山のブドウの実が重たく房を垂れて、おいしそうなオレンジが実っている間

を黄色い蝶や、小さな白い蝶、大きな緑の蝶など色とりどりの見たこともない

ようなそれはそれは美しく彩やかな蝶々が沢山飛び回っていました。

 

 

 やがて、湖が見え、白いりっぱな宮殿が見えてきました。

「ツバメの巣はあの白い宮殿の柱の上にあります。あなたはあの綺麗なお花が

いっぱいのお花の園に行きましょう。」

 

 

 

「嬉しいわ!」

ツバメは親指姫を大きな真っ白いお花の上にそっと下ろしました。」

お花の上に下りたとたんに親指姫はアッと叫び目をまんまるにしました。

とっても驚いたのです。

お花の中にはちっちゃな人が親指姫と同じくらいのちっちゃな人がいるではあり

ませんか?

 

その人は、とても素敵でハンサムで金の冠を頭にかぶっていました。

そして肩には天使のような真っ白い翼を付けていました。

 

「あなたは誰? どこから来たの?」

その人はとっても驚いて尋ねました。

 

「私の名は親指姫です。北の国からツバメさんの背中に乗ってここへ来たの。」

 

「私は花の王です。ここは沢山の花の精が住んでる素晴らしい所です。

あなたのように美しい方は今までお目にかかったことはありません。」

 

 

 

 

やがて、結婚式の日になりました。

花々からは天使たちが現れて、沢山のプレゼントを二人に贈りました。

ツバメは歓びの声をさえずり続けました。

 

親指姫が受け取った素晴らしいプレゼントがあります。

それは柔らかなふんわりキラキラとした2枚の羽でした。

王様の背中にあるのと同じ空を飛ぶことのできる羽の翼でした。

親指姫は羽をつけて花から花へ飛び回ることができるのです。

 

「なんて、素敵なことでしょう!」

 

若い王様は言いました。

「私はあなたを今日からママヤと呼びます。もう親指姫ではありません。」

幸せなママヤ姫は、王様に手を差し伸べました。

 

最後が特に凄いですね、天にも舞い上がるような大きなご褒美が

プレゼントされます。

 

この章は白雪姫が加筆させていただきました。

 

 

アンデルセンは一生を独身で通しました。

あらゆる階層、あらゆる人々から愛され大作家として世界に不動の地位を築き

1875年(明治8年)に70歳になりお誕生日の祝福を世界中の人々から送られ

ましたが、なんとその数日後に永眠をしたということです。

 

 

 

 

 

親指姫は一粒の幸せな涙をポタンと落としました。

新しい種ができるかな?

 

 

人間の心は辛い楽しい経験を得る事により成長をしてゆく。

アンデルセンの長いお話には修行物語のようなものが多く、

主人公は多くの障害にぶつかりながら、一つ一つ乗り越えながら、失敗しながら

心を成長させていく。

 

自分の意志とは関係なくヒキガエルに連れ去られて、川の中、睡蓮の葉の上に連れ

ていかれてしまった。

悲しくてただただ泣いているだけだった親指姫。

 

お魚さんに助けてもらったのに、今度はコガネムシに連れ去られ、睡蓮の葉に蝶々を

つなげてしまった後悔、そして食べる物もなく着る物もボロボロの親指姫の命を救っ

てくれた野ネズミとの出会い。モグラとの結婚話。

 

仮死状態のツバメを野ネズミのおばあさんに内緒で看病をします。

ここらあたりから、すべてに受け身だった親指姫の大きな成長が始まります。

嫌だという感情を言葉で素直に出し始めました。

自分の思ったことを行動に移します。

 

またヒキガエル、黄金虫、野ネズミとモグラの特性も上手く表現しています。

 

もういいんだよ、十分に恩返しはしたんだよ、野ネズミのおばあさんは利用しよう

としたのさ。さあ、振り向かないで行きなさい!

 

救いようのない窮地に立たされた日、なんと空から神のようなツバメが現れる。

 

今度は躊躇なく、自分の方から積極的に自分の意志を表明する、自分自身で新しい道

を選択し決断する。

小さくて小さくてか弱い子が勇気を振り絞る!

 

親指姫が1830年代に書かれたとすれば、1865年の不思議の国のアリス以前の童話で

あり、不思議とアンデルセンにはあの当時の暗いようなイギリスの児童文学に羽をつ

けたような明るさがある。

 

乾孝氏のコメントに加筆をしました。

大変に失礼を致しました。

「おはなしアンデルセン」童話本の中から親指姫を少し変えて書きました。

童心社 昭和40年初版発行 昭和61年刷発行本から

 

 

 

有難うございました。

 

 

 

 

童話用の絵が用意できなくてすみませんでした。

後で入れておきたい?

最後に言わせてください。

なんて素晴らしいアンデルセン物語でしょう、

すばらしい、すばらしい、すばらしい!

 

ここまで読んで頂き本当に有難うございました。

クリスマス頃にまたアンデルセンでいくよ~~~!

その時また来てねえ~~!

約束よ!

 

    

 



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