坐忘日記

このコラムは、僕が日々の出来事のなかで、何か変だぞ、と感じたことを
縦横無尽に書き殴ります。

不就学児童を知っていますか。

2006-12-12 20:25:20 | Weblog
不就学児童を知っていますか。在日韓国朝鮮人以外の定住外国人の子供たちで小学校、中学校へ行っていない子供のことだ。日本では、日本人でなければ親が義務教育を受けさせる義務を負わない。自治体も把握しきれていないので、就学前に「入学する小学校は○○小です」といった、日本人になら送付されるはがきも送られてこない。

今はまだ大した問題になっていないが、不就学児童の存在は日本の初等教育を受けていない、読み書きのできない在日外国人が育つことを意味する。そのうえ母国語に関しても、両親は仕事一辺倒で子供の読み書きを教える時間もない。

日本語、母国語とも話せるだけで読み書きできない子供が育ち、やがて大人となり日本社会に巣立とうとしていることは10年、20年のスパンで考えると恐ろしいことだ。当然、この層は自分たちだけのコロニーを作り出すことだろう。もちろん、その地域が無法地帯になる可能性は非常に高い。

今から手を打つべきだ。

そんな状況を知らせるべく外国人集住都市の首長らが集まり、国に対して施策の充実を求める「外国人集住都市会議2006」が11月21日、都内の都市センターホテルで行われた。
「外国人集住都市」というのは、ニューカマーと呼ばれる南米日系人を中心とする外国人市民が多数居住する都市のことで、全国に18カ所ある。群馬県の大泉町では外国人の割合が総人口の15.8%に上る。(他市は欄外参照)。

 同会議は2001年に浜松市長の呼びかけにより設立された。これまで、毎年、外国人住民に関わる施策や活動状況に関する情報交換を行うとともに、首長会議を開催し、国、県及び関係機関への提言などを通し、地域で顕在化するさまざまな問題解決に向けて取り組んでいる。特に2005年、2006年の2年間は多くの課題の中で最も緊急性の高い「子供」に焦点をあて「未来を担う子どもたちのために」とした。

今回の会議は3部構成で第1部では18都市首長のリレートーク。第2部では提言に関する国の取り組み(提言は欄外参照)。第3部で地方自治体、国、経済界による討論会が行われた。
そんななかで特に緊急の課題は不就学児童の問題だ。これに関しては、各自治体で独自の取り組みを行っている。
大垣市、美濃加茂市、富士市、盤田市、湖西市、西尾市などでは日本の小学校への入学手続きについて、広報誌でのPRや対象世帯へ宛てた案内の送付などにより周知を図っている。 
大泉市、美濃加茂市、豊橋市、豊田市、四日市市、鈴鹿市などでは公立小学校の制度や入学に関する手続きなどについて、事前の説明会を開催している。
可児市、浜松市などでは、入国や転入した子供の保護者に対して、公立学校あるいは外国人学校の説明を行い、教育の場へとつなげている。
太田市では「プレスクール」浜松市では「ぴよぴよクラス」として、小学校入学直前に、実際の小学校を使用して、ひらがな・カタカナの学習を始め、トイレや給食といった小学校生活への適応力をつける体験教室を開催している。

まさに各自治体任せとも言える不就学児童対策だ。今後、国は成人として育ち日本の社会で否応なく生きていくことを選択させられる日系移住者の子供たちを日本の教育制度の中にきちっと取り込んで初等教育を行っていかなければならない。近い将来禍根を残す結果となることは目に見えている。

こうした状況が現れてきた根幹には1990年の「出入国管理及び難民認定法」の改定がある。日系人は、父母や祖父母が日本人であったという事を考慮し、就労活動に制限のない「定住者」や「日本人の配偶者等」という資格で入国できるようにしたことが大きな要因となっている。その当時、長期受け入れ先の証明や日本語の能力についての付加事項がなく、日系人側も短期就労で帰国していた。だが、回数を重ねるごとに帰国するより日本への定住を選ぶようになる。そうした状況下で現況のような状態が生まれたのだ。

この状況は地方自治体の努力で現在、改善されつつあるように見えるが、その実態は定かではない。また、先に挙げた「外国人集住都市」だけの問題ではなく、各都道府県すべてに数はまだ少ないが不就学児童は潜んでいる。外国人児童の不就学の実態が把握できる仕組みを早急に確立し、定期的な全国調査を行い、在留期間更新や在留資格変更の要件として子供の就学を定めるようにすべきである。


※外国人集住都市は群馬県太田市、同大泉町、長野県上田市、同飯田市、岐阜県大垣市、同美濃加茂市、同可児市、静岡県浜松市、同富士市、同磐田市、同湖西市、愛知県豊橋市、同岡崎市、同豊田市、同西尾市、三重県鈴鹿市、同伊賀市、同四日市市の市町。
具体的データ:http://homepage2.nifty.com/shujutoshi/

※提言:http://homepage2.nifty.com/shujutoshi/