わいわい歌会詠草の２

第二回わいわい歌会詠草

ベティさん　[2005年06月12日(日)]
朝霧に溶ける愛憎睡蓮の浅き眠りを終焉として

瑞紀さん　[2005年06月12日(日)]
水無月の雨やむごとに紫陽花は恋する君と競いて色ふ

ほにゃらかさん　[2005年06月12日(日）
決心が揺らぎ始めて雨やどり優しい嘘を見逃せぬわれ

ややさん　[2005年06月12日(日)]
産声を高らかにあげちっぽけな命は握る宇宙（そら）のはしっぽ

沢木理桜さん　[2005年06月12日(日)]
ゆくりなく梅雨にあらわる青空は色セロハンを重ねし水底

やまもとなおこさん　[2005年06月12日(日)]
「あんた誰」「あたしのほうが聞きたいわ」ドアをはさんで女と女

やまもとまきさん　[2005年06月12日(日)]
天を指す梢まぶしく見上げれば光降る降る我らの上に

謎野さん　[2005年06月12日(日)]
刺さば刺せ叩かば叩け魚（うお）鰹　茗荷・大蒜（にんにく）・青紫蘇・小葱

ゆみさん　[2005年06月12日(日)]
満月の明りでひとり影踏みをすれば今夜も終わらないYORU

海神いさな。さん　[2005年06月12日(日)]
騙されたふりで鳴けない青い鳥握りつぶしてしまえああ、もう

今泉洋子さん　[2005年06月12日(日)]
苅麦（かりむぎ）の
ほめきの季（とき）の
夜の濃さ
夢に誰かが
訪ねて来さうな

kamomeさん　[2005年06月12日(日)]
『エメラルドグリーンって、よごれた川の色だね』呟く朝 出て行く君は

丹羽まゆみ　[2005年06月12日(日)]
ぎんいろの飛沫あげる白鳥を壁にとどめて動かぬ画鋲
飛沫（ルビ）＝とばしり

ekoさん　[2005年06月12日(日)]
逢うことのなければ昏き苦しみに花の絡める夏の夜の夢

keiさん　[2005年06月12日(日)]
失えるものの重さに均衡の破（や）れしこころが弾くハ短調

本音の歌

＊性愛を失わず居り小夜更けて闇の鎮もるなかの裸身に

＊汝がそびら直ぐ立つ若さ変らねば胸熱くしてひとり呆たり

＊汝が足の指ふとくちに含みつつあの杳き日の昂ぶりを恋う

＊若き日は時すら失し白き肌に狂いたり　ただ一途なりしが

＊時を経て同じこころに在りとすれど老いは無情の真実を晒す