テラじいさんの魔法 その48

やることなすこと気分次第。

まずは部屋決め テラじいさん。

変態老人の自由奔放グラフィティー。

どうぞー。





やっ！　ワシじゃ！

コミュニケーション学部の生徒としては、断然 寮で生活した方がいろいろ捗るっちゅーもんじゃ。



ホントは男女共同のが良かったんじゃけど……。

教務課の人が　「あなた絶対エッチな事件起こす！」　とか言うもんじゃから、強制的に男子寮じゃ……。

しぶしぶね。　しぶしぶ。



さて。　まずはワシの住む部屋を決めんといけんな。

早いもん勝ちじゃからな、とっとと各部屋見て回るかの。



ここはリビングじゃな。　……それにしてはちと狭いか。

談話室　ってな感じじゃろうか。



お～！　レコードいいねっ！

ここの寮、なかなかワカッてるね！



……ん？　なんじゃこれは？



シャコシャコ　シャコシャコ



あ～　はいはい。　ドリンクバーね。



しかも無料なのね。　ずいぶん気前がいいのぉ～。



……あっ！　いかんいかん。　のんびりしちゃおれん。

続々と他の生徒が到着しとる。　早よせにゃ。



まず１階の101号室。

ん～　なんか赤みがかっててイヤじゃわ……。

でもあのレコードプレイヤーだけは頂いていくかのぉ。



102号室。

……ふむ。　ここは陽当たりもイイし、１階じゃから移動も楽チンじゃな。



しかもワシのアート心をくすぐる道具もいろいろ置いてあるし。

この部屋で決まりかな……？！



いや。　全部見てみなきゃわからんな。



201号室。

ん～……　ここはなんも面白いもんがない。

強いて言えばこの本棚がちょっと可愛いってくらい。　でもデカすぎるから要らんわ。



202号室。

……なんか汗臭くてかなわん。



203号室。

このスタイリッシュなデスクトップは気になるが、部屋は普通じゃな。

ま、とにかく階段の昇り降りがメンドクサイから　２階は　ナシ　かな。



あっ！　そいや新入生歓迎会とやらに呼ばれてるんじゃった！

続きはあとにしよう。



ヤダァ～　飲めや歌えの大騒ぎじゃったらどうしよぉ～！？　明日の講義に響いちまうんじゃなぁ～い！？

ちょマジ響くとかヤメテほしぃ～わぁ～ｗ　初日から机にヨダレとかないわぁ～ｗ　もぉ～ｗ


◆◆◆






あぁ～　ドキドキしてきた。

こんなこともあろうかと、昨日　鼻の角質取るやつとか美顔パックとかやっといて良かったわぁ～。



えぇ～！？　おじちゃんって、おじいちゃんのクセにお肌ツルツルゥ～！　とか言われる。　きっと。



ふぉ～っ！　おるおるっ！　娘に獣に悪そうな男子っ！

いつどんちゃん騒ぎが始まってもおかしくないシチュエーションじゃな。　ワホワホ。



……ん　なになに？

「新入生の皆さん　ようこそシムズ大学へ」

ほぅほぅ。

「ささやかですが、大学生活に欠かせないエンジョイアイテムの数々を無料で差し上げます」

……へぇ～。　やっぱ町全体が気前いんだねぇ～。

「これをもって、新入生歓迎会にかえさせて頂きます」

か。　…………え？



えなにこんだけ……？

…………飲めや歌えとかはないわけ！？



……んだよクッソ～

もうあるだけ全部もらってくわぁ～！

てか大学のパンフレットとか誰得だよ　んっとにもぉー！



あーっ！　むしゃくしゃするっ！



大学生ってもっとこう　華やかでぇー　酒と女とときどきレポート　みたいなそーゆーやつじゃないのぉー！？

キィーッ！



エイッ！　もうこしてやるっ！　エイエイッ！



……あっ！　ちょ！



バタンッ



プシュ～

………………。



てへへｗ　バチ当たっちゃったｗ


◆◆◆



あらっ　ピンポンしとる。　……楽しそうじゃな。

ワシもやってみたいな……。



……な、仲間に入ぃ～れてっ！



……やっぱいいわ。　あいつら耳遠いみたいじゃし。

それよかこの美味しそうなお菓子たちが気になる。



どれ　じゃー　「チーズデニッシュ」　ひとつもらおうか。



…………えっ！？　金取んの！？　……なんで？



なんでもかんでも無料ってわけじゃないのかぁ……。

あ～あ。


◆◆◆



ワシって！　お金持ちのクセに！　セコいとこあるから……



素敵っ！

ドンッ！



おうおう　キてみろキてみろっ！　今度は負けんぞっ！



♪ ピロ～ン

……んっ！？



あらっ！？　ウッソ！？　スニッカーズみたいなの出てきちゃった！



ラッキィ～。

……なぁんだ。　ちゃんと無料のあるじゃない。　ねぇ。



チョロいな。　大学生活なんてこんな調子でやってきゃなんとかなるわい。



あむっ



……んっ　まぁ無料じゃし、味はこんなもんじゃろう。



………………。



てか今ワシ袋ごと食わなかった！？



いやいやいや　こうしちゃおれん。　とっとと帰って部屋の物色の続きせにゃ。



まだ見てないとこあったよな。


◆◆◆



204号室。

おっ　ファミコンあんじゃん　ファミコン。

これは頂きじゃな。



んっ？！

なんじゃあれは！？



あっ！　これもしかして絵ぇ描く用のスプレーなんじゃない！？

キャー！　これ欲しい嬉しい。



この寮は地下もあるようじゃ。

行ってみるかの。



あらま。　寮にもピンポンあったのか。　んじゃあんな息苦しいとこでやんなくてもここでできるわな。



地下の部屋は２つあったが、どちらもパッとせんから、最初に目星をつけた　ここ102号室で決まりじゃ！

……ふむ。　レイアウトもこんなもんでいいじゃろ。　どーせずっと住むわけじゃないしの。



ほんじゃ　こいつが主催した　寮内の「焚き火パーティー」　ってのがあるみたいじゃから　ちと参加してくるわっ！

……しかしこいつ　……ワシと同じ臭いがしなくもない。　ムグムグ。




つづく