かずべ~のつぶやき

かずべ~の釣り情報管理者かずべ~のつぶやきブログ
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鮎の飼育②

2010年03月27日 14時01分00秒 | ノンジャンル
3月も終盤、桜の花が開く時期になりました。そろそろ各河川の天然遡上鮎の遡上が本格的に始まる頃です。しかし、ほんと今年は雨量が多いですね。多い雨量は遡上鮎の遡上を足踏みさせる…けれども上がり出すと通常よりも早く上まで上る。この降水量の多いのが吉と出るのか凶と出るのか…先日の月遅れの大雪は山に天然のプールを作るかと思ったのですが、そうでもありませんでした。あっという間に溶けて流れて、、、もう山頂付近にも残雪は残っていません。

さて、120cmという広い環境で自然に近い形で過ごす鮎たち、餌の食べ方もおもしろいものが見られました。

成魚まで養殖環境で育てられた養殖囮鮎は実に与えた餌を食べるのが上手で、餌を入れるやいなやすぐに寄ってきて口を開けて走り回ります。さらに水面に浮いている餌まで体を半分ジャンプさせながら食べます。

それに対して天然鮎は餌を食べるのがへたくそで、水中を漂う餌の一粒一粒を一回に一粒ずつぱくんと食べます。ほとんどの餌は食べきれず底に沈んでしまいます。

ところがいったん餌が水底に落ち着くと、今度は立場が逆転します。養殖鮎は底に沈んだ餌を食べ尽くせません。水面すれすれを勢いよく泳いで水流を作り、舞い上がった餌をぱくんと食べます。

けれど天然鮎は底に沈んだ餌をコケハミ行動で口にすくい取って食べます。底に沈んだ餌を舞い上がらせるのも口や体を底石にすれさせて舞い上がらせます。

これはまだ水槽環境になれてないからなのでしょうか。。。いや…いつか2匹の鮎はそれぞれの餌取り活動を学んで似たものになるだろうと思っていたのですが、そうはなりませんでした。

天然鮎は自分のテリトリー内で石ハミ行動をずっととるのですが養殖鮎は1ヶ月2ヶ月と経っても石ハミ行動がとれないでいました。石についたコケに対しては正面からつつくような行動が時には見られたけれど、体を横にして石にすれさせながら口で石についているコケをはぎ取るようなあの鮎独特の石ハミ行動はとることはありませんでした。養殖鮎は流れてくる餌しか食べないのです。

これを見ていて
最近各河川で時々行われている成魚放流。
この鮎たちは放流された川で餌をとることができているのだろうか?と疑問に思いました。よく成魚放流は放流後2~3週間でたくさんの鮎が死んで流れていくのが見られます。冷水病で死んでしまったと思っていたのですけれど、そればかりではないかもしれません。

鮎の飼育①

2010年03月14日 10時33分00秒 | ノンジャンル
いよいよ今年も3月を迎え、川が開きました。
今年初めての釣行は峠の雪を警戒し、ぐるり高津本流から匹見と回っていきました。
半年ぶりに訪れる川
たった半年なのにとても懐かしく、見られたことがとてもうれしく感じます。
少しばかり涙が目をにじませたりして、、、
ちらり見では特別川相も変わって無く、今夏も僕たちを変わらずに迎えてくれそうです。

さて、話は本題に帰りまして
実は昨秋(9月初旬)に空き水槽があるので「鮎を水槽で飼ってくれ」と頼まれまして
120cmの水槽に鮎を飼育する環境を作りました。
かなり昔から自宅で釣る対象の魚を海淡水問わず飼った経験があるので
飼育環境を整えるのは難しくないのですが
「鮎は年魚だから長く活きても12月には死にますよ。」
ということを了承してもらいました。(自宅でも最長12月24日まででした。)

鮎の飼育で一番の問題は餌です。天然鮎は人工飼料を食べた経験がありませんので
餌付けが難しい。これまでもこれがうまくいかず、生きながらえなかったことが多くあります。(当然12月24日まで生きながらえた鮎はうまく餌付いてくれました。)
そこで考えて今回は1匹は囮用に買った養殖鮎、もう一匹は佐波川で掛けた天然鮎の2匹(雌)を水槽に入れました。養殖鮎は人間が与えた人工飼料を食べてきた経験があるので餌付けするのは比較的簡単です。この養殖鮎が餌を食べる姿を見て天然鮎にも与えた餌を食べる学習をしてもらおうと言うことです。この考えはうまくいきました。与えた餌には見向きもしなかった天然鮎も、2週間後には養殖鮎を見習って餌を食べてくれるようになりました。

120cm水槽に2匹という少ない数は、鮎が縄張りを持つからです。過去の研究から天然の鮎は鮎の生息の環境上の密度によって畳み一枚分から座布団一枚分の縄張りを持つと言われています。事実60cm水槽ではいくら水の状態をよく整えても複数匹水槽に入れても飼い続けていると、縄張り争いによって淘汰され、最後には1匹しか生き残りません。

今回は120cmという広い空間を与えることができるので2匹ぐらいはなんとかなるのではないかと思ったのですが、最初はいつも近づいて一緒にいた鮎がそのうち争いを見せ始め、ついには天然鮎優位で縄張りが形成され、養殖鮎は隅に追いやられていました。(一度優劣がつくとその関係は覆ることはありませんでした。)それでも餌付けが成功してますので追われながらもなんとか餌を食べ、共存が成立しました。

この2匹の水槽環境はおもしろかったですね。2匹が追い合う姿をずっと見ていることができました。縄張りに進入してきた鮎を追い鮎はカー!っと大きな口を開けて向かっていきます。狙い場所は性器です。後ろから性器めがけて突進。「追われる鮎に針がついていたら…」と想像しながら眺めていました。よく錨針が口の中にすっぽり入る形で鮎が掛かってくるわけもわかりましたね。