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おフランス留学記~パリやのに

おフランスはパリ近郊のHECなるビジネススクールに留学し、MBAをこころざす筆者の日記。

今年の10大ニュース

2006年01月01日 03時37分40秒 | おフランス生活
あけましておめでとうございます。フランスではまだだけど。

うちの両親から「新年のご挨拶」という題名のメールとともに、「我が家の10大ニュース」なるファイルが添付されてきた。サザエさん家じゃあるまいし(苦笑)・・・

それより僕も知らないような大事件が10大ニュースの中に入ってたらどうしようとドキドキしながらファイルを開くと、1位は「新車(アコード)購入」という平凡なニュース。おかげさまで平和な一年が過ごせたようで何より。

そういえば、うちの10大ニュースといっても旅行以外に特に大きな出来事ってなかったな。10個も思いつかない。

様々なメディアも今年の10大ニュースを掲載しているようだ。僕自身の日本の情報キャッチアップも兼ねて時事通信が選ぶ国内10大ニュースを見てみよう。

1位  衆院選で自民圧勝、郵政民営化法成立
郵政だけじゃなくてドンドン改革をお願いします。政治家は官僚から政治をとりもどしていただきたい。しかる後には政治家にも任せちゃおけないけど。

2位  JR福知山線で脱線事故、107人死亡
しかしひどい事故だよな。日本が目をつぶってきた負の部分を象徴している。

3位  マンションなどの耐震偽装発覚
しかしひどい話だよな。きっとこれだけじゃないんだろうな。日本人の道徳観なんてこんなものなのか(僕が言うなって?)。

4位  ライブドア、楽天がTV局株大量取得
六本木ヒルズ族は信用できないけど、マスコミはもっと信用できないし、TOBについては第三者から文句言われる筋合いのない話なのでこの件に関しては2社を支持したい。

5位  全国でアスベスト禍
これは知らないニュース。前からある話のようだけど。

6位  東証出来高バブル時上回る、システム・誤発注で混乱も
ずいぶん好景気だってニュースでは言われてるけど、日本に帰ったら肌で感じるのかな?ぬか喜びで終わらないようにしっかり改革して産業の足腰を鍛えよう(われわれもがんばって国を豊かにしよう)。

7位  愛知万博開催、目標上回る入場者数
この手のものが目標を上回るって本当に意外。さすがトヨタ、さすが名古屋というべきなのか。収益性はどうなってんだろな。後片付けも環境配慮でお願いします。

8位  小泉首相の靖国参拝で中韓とあつれき
参拝したり教科書認定したりするのはいいんだけど、素人じゃないんだから、もっと全体感を考えたきめ細やかで上手なコミュニケーションをお願いします。やってるつもりなんだろうけど。

9位  小学女児殺害や高1の凶行で衝撃
いやー、日本はどうなっちゃったんだろう。小児性愛者や萌えカルチャーに対しては、治安当局もマスコミもサルコジ流に「ゼロ・トレランス(容赦なし)」で厳しい態度でお願いします。それだけが原因じゃないけれど。こんな事件が続くようだとますます出生率が下がりそう。

10位 紀宮さま、ご結婚
おめでとうございます。9位でも11位でもなく10位に入れるという時事通信の小技はなるほどとうならせる。

今年も下らないグチを書き続けますが、どうぞよろしくお願いします。

鉄道員(ぽっぽや)

2005年12月31日 03時22分32秒 | おフランス生活
今日は正月の食材の仕入れのために中華街に出かけた。
それにしてもすごい雪。

写真はパリから帰ってくるときにたまに乗換をするMassy Palaiseau(マッシー・パレゾー)駅。ここから1時間に2本(日曜と晩は1本)しか走らない支線で村まで帰る。いやマジで「鉄道員(ぽっぽや)」の世界。

この駅のホームの小屋で凍えながら待ってるのって結構ツライっす。ひどいときは本当に1時間待つからね。


セーヌ川の親子

2005年12月27日 00時56分06秒 | おフランス生活
セーヌ川沿いは本当にどこを切り取っても絵になる。

セーヌに行く度に、毎回同じような風景なのについ写真を撮ってしまう。もちろん天候や時刻によって光の加減や雲の形や木の色が違ったり、道行く人がいい味を出してたりするのでどの写真も同じではないのだが。

でも昨日撮ったこの写真が最近ではベストかなと思ったので掲載してみた。「セーヌ川を眺める親子」ってなんだかありがちな題材だけど。

セーヌ川だけじゃなくて、パリには写真に収めたい風景の連続。僕のような素人でも気の向くままに写真を撮ればいっぱしの作品になってしまう。モノクロームにしても良い感じになる。
パリを題材に写真を撮って写真集にしたりするのって、やっぱしゲタを履いてる気がする。

はじめてのバレエ

2005年12月26日 01時16分59秒 | おフランス生活
パリのオペラ座は内部を見学できるようになっているのだが、行く度に「リハーサル中」だとか「公演準備中」だとかで客席に入ることができない。

しかしオペラ座の目玉といえば客席の頭上に描かれたシャガールの天井画をおいて他にないので、日本に帰るまえにぜひ一目見ておきたかった。というわけでいっそのことオペラ座でバレエを見ることにした。バレエなんて生まれてこのかた観たことも興味を持ったこともなかったが、シャガール見たさに。

実際に見たシャガールの天井画(写真)は評判に違わぬ素晴らしい作品。数々の楽器を演奏する天使(?)とともに、エッフェル塔やら凱旋門やら、パリの風景がふんだんに取り入れられている。周囲のキンピカのド派手な内装をやわらげるように上手く調和していた(これがなければ悪趣味な成金劇場で終わるところ)。

バレエの演目はLa petite danseuse de Degas(ドガの小さな踊り子)。ドガはライフワークとしてバレエの踊り子をテーマにした作品ばかりを創り続けたアーティスト。オルセー美術館にある一体の踊り子の像のモデルとなった少女の半生を昨年バレエ化した。

初めてバレエを見て感心したことが四つある。

①爪先立ちってすげーな
靴の中はどうなってんだろ。しかも立つだけでなくあれで飛んだり跳ねたり走ったり、って超人だな。しかし痛そう。

②一部の隙もねーな
頭からつま先まで、体のすべての動きが律せられていて、張り詰めた感じ。普通に歩いてるときも気を抜かない。動いてるとき以上に、静止したときこそそれがわかる。オペラはバレエよりも遥かに大らかな感じ。

③やっぱ難しいな
バレエはセリフがない無言劇なので、動作だけでストーリーを伝える。したがってオペラとは違って言葉がわからなくても理解は容易に思える。
しかし、オペラは筋書きさえ事前に予習しておけばあとは楽しめる万人向きの「エンターテイメント」なのに対して、バレエは観衆に一定の教養やリテラシー(読解能力)を求める「舞台芸術」であるように思う。オペラとは違って一定の「型」の組み合わせによる形式美が存在するように思う。その意味で日本で言うと能や狂言に似ていると思った。

④これは土着の文化だな
大胆なことを言うようだが、バレエは踊るほうも観るほうもやっぱし西洋人(特にフランス人)向きだ。日本人でも立派な技術を持ったバレエの踊り手はいると思うが、やっぱし限界がある気がした。西洋人が歌舞伎役者として歌舞伎座の舞台に上がっても違和感があるのと同じだ。単なる技術だけでなく、背景にある精神世界を体現することが困難だし、そもそも日本人が西洋人の役を演ずるのはリアリティがない。

まあでもバレエは意外と面白かった(僕個人的にはやっぱしオペラの方が好きだけど)。皆さんも機会があればぜひ。

パリのノエル(2)

2005年12月24日 03時46分45秒 | おフランス生活
ヴァンドーム広場はクリスマスツリーでいっぱい!

と聞いていたので行って見た(写真)。まあ確かにたくさん並んでた。

でも真昼間なのに暗いしさぶいなあ。なんだろこの寂寥感は。パリ随一の華やかな広場のはずなのに。

やっぱし光が弱いのかなあ。日本で言うと樺太あたりだもんな、緯度。

パリなんて太陽が昇るだけまだマシなほうで、これよりさらに北の日中ほとんど太陽が昇らないようなところに至るまでたくさん国があって、たくさん町があって、たくさん人が住んでるんだなあと思うと、やっぱ北ヨーロッパ人が夏になると狂ったように太陽を求めて地中海やカリブ海に繰り出すのもわからんではない。

ところで明日はパリに一泊して、日本とは違ってほとんど誰も街に出かけないクリスマスイヴのパリを見てきます。

広告エボリューション

2005年12月23日 01時57分06秒 | おフランス生活
写真はシャンゼリゼにあるBNP Paribasの支店。最近パリ中心部でこういう姿になった支店を見かける。通りがかったパリっ子たちも一体何なんだ、と覗き込んでいく。

本当に一体なんだろうと思ってwebsiteを訪れてみるとようやく理由が分かった。
BNP ParibasがLuc BessonのArthur et les Minimoysというアニメ映画のスポンサーになってて、それで支店をこういった姿に改装したわけである。
銀行の支店を使ってこうした広告活動を行うのは、銀行というお堅いイメージ上いろいろと賛否両論があったことと推察される(日本ではまずムリっぽいけどフランスではそうでもないのかな?)。

しかし、日本でもフランスでも、広告というものが手を変え品を変え、年々進化していくのには目を見張るものがある。

僕がフランスで感心するのは一部の広告コンテンツに見られる創造力の豊かさと(残念ながらフランスで見かける広告の多くはずっと前に述べたように意味不明でセンスが悪いが)、広告媒体の幅の広さである。こんなところにまで広告が、とかこんなスタイルの広告があったのか、と思わされることも(たまに)ある。

中でも目を引くのがフランスの屋外広告専門のJC Decaux(ジェー・シー・デュコー)社。世界各国を席捲し、最近は三菱商事との合弁でMC Decaux社として日本にも上陸したようだ。
websiteを訪れてみるとどんな広告をやっているかがわかると思うが、もともとのアイデアはバス停に屋根を無料で提供する代わりにそこに広告をつけて稼ぐというもの。自治体も自分の懐が痛まずに住民の利益になるわけだからまさにWin-Winというわけである。日本でよく見かける雑然と見苦しい看板や屋外広告と違って非常にスマートで都市景観にもなじんでいる。

そういえば広告って本当に都市景観や市民の心理に対して責任があるな。
あまりに度が過ぎると脅迫になってくる気がする。

25ユーロ

2005年12月22日 03時48分36秒 | おフランス生活
帰国直前にもかかわらず、まあ日本の音楽を久しぶりに聴いてみるかということで、日本のアマゾンからCDを2つ注文した。
ひとつは倖田來未のベスト版、もうひとつは平井堅の「歌バカ」。
僕は最近の日本の音楽事情はさっぱり知らないが、この二人はフランスに来る前からも当然知っていたし、現在のJポップを代表するミュージシャンのうちに入っているという感覚は持っているのでベスト版が出たと知って早速注文してみた。

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それで今日DHLの兄ちゃんが配達に来たわけだが、いきなり金を要求。
D兄「25ユーロ払ってください」

僕「払ってくれって言ったって、もうインターネットで支払い済みだよ」

D兄「それとは別にこれは税金なので支払ってください」

僕「そんなバカな。本当に払わなきゃいけないの?」

といいながらもフランス語でそれ以上突っ込んだ反論を展開する自信もなかったのでしぶしぶ25ユーロ(CDをもう一枚買える金額!)も支払うハメになった。
フランスの消費税にあたるTVA(Taxe sur la valeur ajoutée)は19.6%と気が狂うような数字なのでこんな額になってしまう。そう考えたらオレだいぶフランス政府に税金払ってるな。

納得がいかないのでアマゾンのwebsiteを再度チェックしてみると、確かに目立たないところに、税金を払う可能性があるという注意書きを発見。こんなんじゃ分かれへん。決済時には注意書きがなかったし、そういうのはフランスの税金の額も含めて表示すべきじゃないのか?

と一通り憤った末に泣き寝入りを余儀なくされたわけだが、よく考えてみると日本のCDって高いなあ。本当に高い。

フランスのCDはアメリカほど安いわけではないが、19.6%の消費税込みでも15ユーロ前後には収まる。日本は消費税率5%にもかかわらず3千何百円ってどういう料簡だろうか。

映画だってそうだ。フランスではいくら高くても9ユーロ。午前上映開始なら5ユーロを切る値段で映画が見れる。日本の1800円ってなんだ?

ここんとこのコスト構造には多分に土地代とかがからんでいると(半ば自らの責任を回避するかのように)当事者からは言い聞かされているが、それだけじゃないだろうという気もする。実際に分析してみたことはないけれど。
結局のところビジネスレベルでの真の競争のない内向きのシステムの中で、誰かが甘い汁を吸っているに違いない。ミュージシャンや映画館の責任とは思えない。その背後にある何か(誰か)だ。

メディアの問題にも絡んでくるのだが、日本の消費者でいる限り彼らが差し出す「情報」やら「エンターテイメント」やらを彼らの言い値で黙って買わざるを得ない状況にあるのは実に口惜しいことだ。外国のメディアやエンターテイメント産業が健全だと言い切る自信はないが、少なくとも舶来モノの情報やエンターテイメントを選択するアクセスがあるということは非常に重要なことだ(だから外国語を習得するということは必要なことのひとつである)。

「公正な取引」「公正な競争」ってなんだろね、日本では。
「買う人がいるからこの値段で売って何がいけないんだ」じゃないだろう。

マスメディアのことについてはまた今度もいろいろと掘り下げて、ぐだぐだ独り言を述べます。

パリのノエル

2005年12月21日 04時44分17秒 | おフランス生活
今日はノエルを目前に控えたパリの街を歩き回る。
どこもすごい人出だと思ってたけどそうでもない。百貨店とか行ったらすごいんだろうけど。

写真は凱旋門から見たAvenue des Champs-Elysées(シャンゼリゼ通り)。車の列が紅白になってて良い感じ。
毎日のように山に登ってるから足腰が鍛えられたかと思ったらそうでもない。凱旋門の屋上にたどり着くころには足がつりかけてた。

香水と美少女マンガ

2005年12月20日 01時30分02秒 | おフランス生活
今日、フランス版「NHK教育チャンネル」とも言うべきfrance5(フランス・サンク)で面白い番組をやっていた。
Le monde des parfums(香水の世界)と題されたこの番組は、香水の歴史について様々な研究家やパフューマー(クリエイター)が紹介するもの。古代エジプトに始まり、手袋の革の匂い消し、ファッション用、そしてメトロのトンネルの香り付けに使われるに至る様々なエピソードを紹介。ココ・シャネルのインタビュー映像なんてのもあった。
まさに香水の歴史はフランスとは切っても切れない感じ。

フランスで生活していると香水(パルファン)の存在を日常的に感じる。
雑誌はもちろん、バス停などの屋外広告、テレビCMなど、広告における露出度も高い。テレビをつけていると「ヌーヴォー・パルファン(新作香水)」というキーワードを何度か耳にすることになる。
香料や香水の生産、そしてマーケティングにおいてもフランスは世界の中心であることを感じる。それは百貨店やブティックなどで行われる新作香水の発表イベントにも表れる(写真はパリを代表する百貨店Galeries Lafayetteで行われたThierry MuglerのAlienの発表イベント)。

香水をはじめとするファッション産業がフランス経済に占める割合なんてごくわずかに違いないが、こういう産業を集積していることの副次的効果は決して小さくないという気がする。
フランスはもともと芸術の世界的な中心地であるには変わりないが、ファッションや香水という「大量生産できる芸術」を発信できる意味はさらに大きい。
(日本がマンガやアニメやゲームを通して、アメリカが映画や音楽を通してしているように)

そう考えると、日本のポップカルチャーってすごい影響力を持っているなと感じるが、秋葉原的な美少女マンガに代表される「萌え」カルチャーをオモテに出す(マスメディアでコレクトなものとして認知する)ことは僕はやめたほうがいいように思う。
それを通して日本や日本人のイメージが形成されるのだし、現代日本の様々な病根がここに内在しているのだから。そういうのはあくまでマニアの方々だけでアングラでやっていくものじゃないのだろうか(個人的には「メイド喫茶」なるものを一度見学してみたいものだが)。
でも、もしかしてマスメディアが秋葉原をオモテに出すことで、秋葉原っぽいディープなカルチャーが、大衆向けにdiluteされて毒が抜かれていくのかもしれないけれど(そうなったらコアなマニアはどこに聖域を求めるのだろうか)。