おフランス留学記~パリやのに

おフランスはパリ近郊のHECなるビジネススクールに留学し、MBAをこころざす筆者の日記。

結びのことば

2006年03月31日 20時35分55秒 | エピローグ(帰国後)
長い間お世話になりましたこのブログも今日をもちまして終了し、新しいブログに引越したいと思います。新年度だしね。

いろいろと愚痴っぽいことや毒舌なことも書いたので、お見苦しいところはあったかと思いますが、読んでくださったみなさんにはお礼を申し上げたいと思います。
もし私の心無い記事で気分を害されたことがあったとしたら、深くお詫びを申し上げます。単に思いつきで書いたうたかたの愚痴に過ぎません。

ブログを書いていて良かったのは、
①友達に近況報告ができた。
②日本語で文章を作る習慣を継続できた。
③「毎日なにか書かなきゃ」というプレッシャーのおかげで、一日ひとつは意味のある(いや本当は無かったかも)活動をするモチベーションとなった。

でも③は結構大きいように思います。ほうっておけばなんとなく過ぎていく一日一日をいつくしむように、ブログ記事というラベルを「過ぎた一日」に貼り続けていく作業。名前のない一日一日に意味を見出す作業。
1週間で7つ記事を書くと、「今週も7日間生きたなあ」という気にもなるものです。ブログをつけていなければ、「あれっ、もう一週間すぎちゃった」ってことになってしまったかもしれません。
きっと日記をつけることの大事な目的のひとつなのでしょう。

というわけで、今後も懲りずにブログをつけていきますのでヨロスク。
アビアント!

目黒川の桜

2006年03月30日 19時08分49秒 | エピローグ(帰国後)
が咲いていた。

僕が東京で最も気に入っている風景のひとつ。
本当は中目黒近辺の景色が一番美しいのだが、今日見たのは少し下流なので余計なビルなんかが邪魔してイマイチ。

でもまあ春が来たってことで。今日の強風で散らなければ今度は中目黒に見に行こう。

ゴミ箱のゆくえ

2006年03月29日 18時31分18秒 | エピローグ(帰国後)
日本は本当に公共のスペースにゴミ箱が少ない。
もともと少ないのに、テロ対策うんぬんでさらに少なくなった。

フランス人に比べてゴミを路上に捨てるなんてことをあまりしないから、そのマナーの良さを当て込んでる面もあるのだろうけれど。

パリはその点、街のあらゆるところに緑色の半透明のゴミ袋が設置してあり、市から委託を受けた業者が回収してまわっていて本当に便利に出来ている(それでも路上に捨てるフランス人というのは一体?)。

テロ対策というのもわかるけれど、日本もパリみたいに透明なゴミ箱(袋)にすればいいじゃないかと強く思う(最近そういうのも見かけるようになったが)。撤去って極端すぎやしないか。責任とりたくないってことなのだろうか。
もしくはテロ対策という名目に隠れた単なるコスト削減じゃないかと疑いたくもなる。

話は変わるが、日本の家庭ゴミの収集はなぜ外国のようにコンテナ方式にしないのだろうか?
写真はフランスで住んでいたアパート。写真右下にコンテナが2つ見えるが、ここにゴミを入れておく。路上に積んでおくよりも清潔だし美観も損ねない。それ以上に、ゴミ収集車の後部にコンテナをセットするだけであとは機械まかせで中身が回収されるので回収人も楽だしスピーディ。コスト削減にもなっているはずだ。
ゴミ袋を積んだ上に網をかぶせたりするよりも余程良い方法だ。

なぜいつも日本では、一生懸命にやってるのにズレた方向に行ってしまうのだろうか。

フリーペーパーのゆくえ

2006年03月28日 22時28分03秒 | エピローグ(帰国後)
ひさしぶりにフランスの写真を掲載した。つい2ヶ月ほど前なのにすごく懐かしい。

今日のお題は、日本でも最近になって百花繚乱の様相を呈してきたフリーペーパー。
駅や店先に置かれていたり、郵便受けに入っていたり、路上で配られていたりと、普段手に取って読む機会も多くなった。

だけど日本のフリーペーパーって、読まされている、というか、手近にあるからヒマつぶしに読んでみるか的な受動的な面がないだろうか。毎号楽しみに待っている人なんて少数派だと思う。

でもフランスは違う。写真のようなスタンドにフリーペーパーが置かれるや否や、通行人が争って取っていく風景が毎朝見られる。たいていスタンドは時をおかずして空っぽになってしまう。特に人気なのは20minutes(ヴァン・ミニットゥ)。

人気の理由はそのコンテンツ。
20minutesは毎朝発行されるのだが、中身は毎日のニュースやカルチャー、アート特集やTV欄、そして天気予報や数独まで。
つまり毎朝タダで、一般紙と同じような情報を入手できるのである(多少大衆向けではあるが)。多くのフランス人は「20minutesさえあれば新聞はいらない」とまで思っているようだ。
そして驚くことに、20minutesのニュースは独自に仕入れたようなのもあれば、一般紙が提供しているものもあるのだ(記事提供料を受け取っているのだろう)。一般紙にとっては、商売敵であり、パートナーでもあるのだ。

日本で、果たして同じようなフリーペーパーが生まれる余地があるだろうか。
一般市民が潜在的に望んでいるのは、雑誌の出来損ないみたいなのじゃなくて、そういうフリーペーパーなのではないだろうか。
十分収益を出せるビジネスだと思うがどうだろうか。産経新聞あたりなんか、ここで一挙に形勢逆転できるチャンスだと思うのだがいかが?

「そんなフリーペーパー出したら、既存の新聞が売れなくなっちゃうよ。」というなかれ。そういうフリーペーパーが出たとしても、恐らく人々は既存の新聞の購読を思ったほどやめはしないのではないだろうか。
一般紙は家用、フリーペーパーは外出する家族個々人が駅でピックアップして読む、なんて住み分けに結局なる気がするのだが。

なぜ誰もやらないのだろうか。何が障害になっているのか?市場性が無いようには思えないけれど。誰もやらないなら自分でやってみたいが。

DVD騒動

2006年03月27日 21時10分42秒 | エピローグ(帰国後)
フランスで買い込んで来たDVDたち。
日本のDVDプレイヤーでは再生できないことが判明。リージョンは同じなのだが規格が異なるらしい。日本のDVDはフランスの機械で再生できたのにおかしいなあ。

というわけでリージョンフリーのDVDプレイヤーを求めて、しぶしぶ秋葉原のヨドバシカメラに行ってみることにした。萌え~。

店員いわく。
「もうどこのメーカーでも製造してないし、量販店でも扱ってないですよ。っていうか置いてはいけないんです。」

納得がいかないが、やむをえないのでネット通販で改造品を裏ルートで購入することにした(こんなこと書いてだいじょうぶかな?)。

僕は一体どうして電機メーカーがこういう不便を消費者に強いるのかが理解できない。
ヨーロッパで買ったDVDを見るのに、なぜコソコソしてネット通販で怪しげな改造品を買わなければならないのか?フランス語で話すヨーダを観ることがそんなにいかがわしいことなのか?一体誰の利益になるのか?
海賊版対策だとかいろんな理由があるんだろうけれど、そういう悪知恵が働く人たちは別にリージョンで分けたって壁を乗り越えてくるだろうに。
別に全ての商品をリージョンフリーにする必要はない。その代わり、リージョンフリーのDVDプレイヤーを選択することができてもいいはずだ。

こういう理不尽さは今話題のPSE法と通じるものがある。
この法律だって裏で電機メーカーがロビイングしているのかもしれない。

でももし自分が電機メーカーや映画会社で働いていたり、そういう企業がクライアントだったりすると、こういう画策をしてしまうのだろうか。Ethic的に問題はないのだろうか。

2006年03月26日 12時22分04秒 | エピローグ(帰国後)
品川のとあるレストラン街で福引をやっていたので引いてみると・・・

「お客様おめでとうございま~す!!2等が当たりました!!」

僕「・・・で、何が当たったんですか?反応薄くて申し訳ないですけど。」

スタッフ「エッ、知らないんスか?テレビでも話題なんですよ!おウチで有線が聴けて、MDにも録音ができる機械をプレゼントなんですよ!!たったの5名様ですよ。」

僕「はあ・・・で、月々の視聴料はどうなるんですか?」

スタッフ「(気まずそうに)えー・・・それはプレゼントの対象外で・・・」

僕「月々いくらなんですか?」

スタッフ「(気を取り直して)CD2枚分と同じ6000円とお得なんですよ!!」

それはいらない。

僕のストレス解消法は、ジムで運動することと、美味い酒を飲むことと、バカみたいに本とCDを買いまくること。
明らかに月間CD購入枚数は軽く10枚を超えるペースなのでそういう機械があったら安上がりのようにも思えるが、何と言うか、HMVでCDの現物を衝動買いするところにストレス解消の妙味があるのだ。ジャケット見て、「あっ、コレいいな」みたいな。
それに有線だと欲しい音楽がいつでも入手できるわけではない。

結局、受賞は辞退したが、変なところで運をつかっちゃったなあ。

いちご狩り

2006年03月25日 18時17分51秒 | エピローグ(帰国後)
今日は行楽日和ということで乙女チックに山梨でいちご狩り。

時間無制限ということで意気込んで行ったものの、そんなに食えるもんじゃないね、いちごばっかし。
でも新鮮ないちごは花の香りがしてなかなか美味かったです。

MBA就職活動日記(7)

2006年03月24日 21時58分28秒 | 就職活動
今日はビジネススクールのネームバリューについて。

僕はHECの国際性やプログラムの内容、そしてヨーロッパで勉強できることの魅力でHECに留学することを決めたのだったが、正直言ってコンサルにアプライするにあたっては若干の不安もあった。

HECは今年のFinancial Timesの世界ランキングでも22位と、決して評判の悪くない学校だし、少なくともフランス人なら知らぬ者はいないくらいのネームバリューはある。以前NOVAに通っていたときにも、講師のフランス人に「HECに行く」と言うと誰もが「C'est magnifique !!(すごいね)」とか言って祝福してくれた。

しかしここは日本。HECのことなどほとんど誰も知らない。
ビジネススクールを目指す人たちの掲示板なんかを訪れてみると、戦略コンサルはトップ7スクールの出身者しか入れないとか、まことしやかに喧伝されていたし、コンサルのサイトに行ってメンバーの略歴を見ると誰しもが超有名なビジネススクールのMBAである。だから本当にHEC出身者としてコンサルで働けるのか、正直言って確信は無かった。

ところが、結論から言うと、HECでも全く問題が無かった。
面接に行っても誰もHECのことなんて知らないし、うっすら心当たりのある人でも、「いやーヘックっていい学校なんだよな。」とか言われたりもするけれど。
少なくとも書類審査でHECだからといって「ケッ、何この学校。しらねーな。」と落とされることは皆無だった。

だから、学校のブランド力なんて関係がないのだと思った次第です。
もちろん、「なぜHECという学校を選んだのか」に対して説得力のある回答を準備しておく必要はありますが。
なのでこれから卒業されるHECの方は(HEC以外の方も)自信を持って就職活動に臨んでください。

MBA就職活動日記(6)

2006年03月23日 19時57分18秒 | 就職活動
今日は年俸交渉について。

僕は今回数社からオファーをいただいたが、実質的に年俸交渉の余地はほとんどなかった。

普通の企業であれば、職位ごとの給与額が固定されているため、年俸交渉の焦点は採用時の職位についての交渉となってくる。
ところがMBA新卒での職位はある程度決まってくるのが現実なので、交渉の余地は非常に小幅であると言わざるを得ないし、その意味で上限は非常に限られている。いきなり部長待遇で、とはいかないわけで。だからオファーをそのまま飲まざるを得ない。

結局、給与交渉の余地があるのは、比較的新しく小規模な会社で(対応が柔軟)、新設されたポジションということになるのだろう。だからといって市場水準からかけ離れた水準までアップできるとは思わないけれど。

MBA就職活動日記(5)

2006年03月22日 20時38分10秒 | 就職活動
今日は面接について。

コンサルの面接に共通するのは「ケース面接」が行われること。
もちろん、志望動機やら今までやってきた仕事の説明なども通常の面接と同様に行うのだが、そういったやりとりは15分くらいで切り上げて、あとはじっくりとケースで試される。

ケースには大きく分けて2種類ある。
①Estimation Case
ある製品の市場規模などの数値を、一切の基礎データを与えられずにその場で推論するタイプの問題。たとえばこんな問題。
「東京にドアは何枚あるか?」
「日本のトイレットペーパーの消費量は?」
「日本のミネラルウォーター市場の規模は?」
「日本の双眼鏡市場の規模は?」
「日本の1年間の車のフロントガラス補修枚数を推定するためには何を調べればよいか?」

もちろんどの問題にも正解はあるのだが、正解にたどり着くことが求められているわけではなく、あくまで筋道を立てて説明が出来るかどうか、そして回答が常識的な水準からはずれていないか、を試されている。
このタイプの問題にはコツがある。それは、「その商品はどこで使われているか?」を最初に考え、それから「人口×使用率×使用頻度×単価」などの関数に分解していってひとつひとつ攻めていくことである。男性と女性などのセグメントに分けることも重要だったりする。

②Business Case
ある企業がある問題に直面している場面を想定し、その原因と解決策を探っていく問題。たとえばこんな感じ。
「TOMYのミニカー事業における問題は何でどう解決するか?」
「特段強みもない中堅ハブラシメーカーが赤字転落。どうする?」
「あるスキー場で入場者数が横ばいだがリフト券売上が低下している。なぜか?どうすべきか?」
「沖縄のバス会社が赤字転落。どうすればよいか?」
「あるオフィスビルでエレベーターの待ち時間が長いと苦情があった。どうすればよいか?」
「コンサルプロジェクトである事業部長が取り組んでいたプロジェクトを中止するアドバイスを行うこととなった。どうするか?」

これも途中まではコツがある。
まず問題発生の原因を特定すること。そのためにたとえば赤字転落が問題なら、「利益」を「売上-コスト」に分解。そしてさらに売上とコストを分解していく。どのファクターに問題があるかを明らかにするために面接官にいくつか質問を投げて探り出す。
さて、原因がわかったら解決策だが、このステップではクリエイティビティと戦略論のフレームワークをフル活用して様々なプランを生み出さなければならないのでがんばってくださいとしか言いようがない。

また、Business Caseなのだが5~7枚くらいの資料を手渡されてマーケット分析をした上で各プレイヤーの取るべき戦略を回答する問題や、財務諸表とマーケット情報を渡されて分析した上で会社のとるべき戦略をスライドを作成してプレゼンさせられる会社もあった。本当に大変だった。


こういったケース面接についてはコンサルを目指す人はもちろん、事業会社をめざす人にもぜひ準備をしておくことをお薦めする。理由は2つ。

①事業会社の経営企画部にはコンサル出身者がおり、場合によってはケース面接を課す可能性がある。僕自身は2社ほど事業会社と面談したが、両方ともコンサル出身の経営企画部長が面接に出てきた。

②勉強になる。ケース面接の対策をすることを通して自分の中で鍛えられた部分が結構あった。それはMBAで学んだことの復習ばかりでなく、論理的に物事を考えて説明することの訓練だった。いずれにせよ、学生ボケしていた自分の頭を相当シャープになるまでリハビリすることができたのは大きな成果。

各ビジネススクールのコンサルを目指す学生たちのクラブ活動なんかで、ケースの過去問が蓄積されたりしているのでぜひチャレンジしてみてください。
僕のお薦めはWhartonの資料。