まさかいい歳こいた大人になってサッカー漫画にはまるとは思ってなかったのだ。
まあ本当にいい歳こいた大人はそもそも漫画もゲームもはまりゃしないのだがな。
主人公は達海(35)。サッカー監督。監督としては若い。が主人公としてはトウが立っている。という微妙な設定。
イマドキ主人公がこんな年齢なんて、島耕作先生くらいでしょう。
この監督、ふらふらへらへらしていて頼りない。天然。
頼りないのに、キメる時だけ異常にカッコ良い。ものすごい求心力だ。
舞台となるのは弱小J1チームのEAST TOKYO UNITED。
本拠地は隅田川スタジアムでクラブハウスは浅草にある。
エンブレムは提灯がモチーフ。マスコットは河童。
経営には大資本は入っていないらしいが、ユニフォームの前面にでかでかとある広告は「OEDO EXPRESS」。
東武鉄道がジェフに資本参加したらこうなるの図か?
そう思うと、主人公の記者会見での口癖「分かんない」も、口が堅い某ジャパン監督の姿と重なって見える。
(とはいえ主人公本当はめちゃくちゃビッグマウスだがな)
原作者がジェフファンだというのも影響しているか。
この原作者の前作はもろジェフがモデルらしいという話も最近知った。
<ユニフォームはコンサドーレに似ているという話はもっと最近知った。=070730追記>
話を戻してこの漫画。
あらすじは単純で、弱小チームの元エースだった監督がチームを再生していくという話。
タイトル通り、金星を狙って監督は奇策を次々打ち出す。
その奇策に、選手はおろかフロントや他チームまで振り回されるわけだ。
キャラは多種多様で、泣き虫ルーキーや堅物の老キャプテン、自称王子など選手層が厚いにとどまらず、江戸っ子なオーナー一族やら遠慮のない報道陣やら高邁なライバルチームの監督やら。
かなりファンタジーで、まあ実際にはこういう試合展開はないだろうとか、こういうチーム運営はありえないだろうとか、サッカー素人にもつっこみ所満載なのだが。
サポーターの描き方が熱くて、そして厚くて、リアルで、そこにものすごく共感を覚えるのだ。
監督人事に納得がいかないとクラブハウスにまで怒鳴り込んでくるヤクザっぽい兄ちゃんから、ジュニアチームで練習するガキンチョ、昔は応援していたけれど今はもう熱も冷めちゃったなんていう近所の商店街のオヤジまで。
どの温度の応援にも共感するところがある。
「もう俺サッカーなんて……」とか言っている八百屋のおっちゃんが、達海就任で慌てて押入れから古いユニフォームを出してきたりとか。
(これが主人公の監督が現役だった時のレプリカだってのがしびれる)
選手の趣味とか家族構成とかを丸暗記しようとがんばる子供とか。
ああ、こういう気持ちってあるよね。ファンの応援はちゃんと選手にも通じてるんだよね。
この漫画の真の主人公はサポーターだと思う。
そして、開幕戦ポスターで一番でかでかと写真に写っているのがチーム史上一番のスターだった新監督だというのもある意味リアル。
ちうか、選手の立場ってねえなこの漫画……。
ともかく、
「今年の日本サッカー界、おれが面白くしてやるよ」
という主人公に乗っかってみようかと思っております。
週刊モーニング連載、現在2巻まで発売。
ここから後ろは極めて濃厚な腐女子臭が立ち込めるので、良い子のミンナは読まないように。
このブログは記事の折り返しが出来ないので色だけ反転してみます。
でもデザイン変えて背景色も変わったら意味がないという噂。
ついでに激しくネタバレ含みます。ここから→
狙ってかいているんじゃないかと思うわけだ。
何なんですかあの達海監督と村越キャプテン。
村越は達海に対して積年の思いがある。
スーパースターだった達海を慕って10年前に入団したのに、肝心の達海は渡欧、エースが抜けてチームが低迷した時代に孤軍奮闘してきた苦労の人だ。
今更達海がのこのこ監督として戻ってきて頭越しにスター復活だとか言われても、村越には到底受け入れられないわけだ。
さらに達海は村越をキャプテンから外したりして村越の心を逆撫でする。
で「あんたに俺の気持ちが分かるもんか」とか絶叫する村越。
それってやっぱりあれですか。あれ。
しかし達海も、最後の最後では実は村越を全面信頼。
「お前が背負ってきたもんの半分は これから俺が命懸けで背負ってやる」とか言っちゃうわけだ。
これってやっぱりあれですよね。あれ。
さらに、達海が村越にキャプテンを命じる際に口にするセリフがこれ。
「芝の上では絶対服従」
その筋の関係者じゃなかったら普通出てこねえぞそんなセリフ。
最近モーニングもよしながふみがほも同棲漫画を連載してたりするし。
これは腐女子への宣戦布告だなモーニング。
受けて立つぞモーニング!
<何故……