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謝れ!償え!なくせ!アスベスト被害 ~署名のご協力をお願いします~

2019-02-20 12:11:50 | 組合からのお知らせ

 

建設アスベスト訴訟において国の責任を認める判決は2018年9月20日の大阪高裁判決で10回連続となりました。

使用者に対し労働者に防塵マスクを使用させることの義務付けの遅れや石綿建材への警告表示や建設現場における警告掲示の義務付けを怠ったことなど国の責任は明確です。

一人親方等に対する国の責任を認める判決の流れも定着しつつあります。建材メーカーの損害賠償義務を認める判決の流れも定着しつつあります。

建材メーカーの責任を認める判決も5回に渡って出されています。すでに国と建材メーカーの責任を認める判決の枠組みは固まりました。

中皮種や肺がん、石綿肺等のアスベスト関連疾患は極めて重篤でかつ不可逆的に進行し多くの原告が解決を見ることなく亡くなっています。2008年の首都圏訴訟の提訴時から10年以上が経過しますが全国12の訴訟の被害者原告703人のうち提訴時の死亡者が304人、提訴後の死亡者も198人に及びます。現在生存している原告はわずか28%にしか過ぎません。国が裁判を長引かせ原告が次々に亡くなる事態が続いています。

原告は建設工事を通じ長年日本社会の屋台骨を支えてきた人たちです。原告の「命あるうちの解決」を望む声は実に切実です。

一日も早い全面解決を図ることは広く国民世論が求めるところです。国は最高裁の判決を待つことなく今こそ原告以外の被害者も対象とした「建設アスベスト被害者補償基金制度」の創設を含む全面解決を図るべきです。

 


建設作業従事者にアスベスト被害が集中

我が国に輸入された約1000万トンのアスベストの7~8割は建材に集中的に使用されこれを現場で扱った建設作業従事者に石綿関連疾患の被害が多発しています。毎年発表される石綿関連疾患の被害による労災認定者数をみても建設業が過半数を占めており今後も2万人を超える被害発生が見込まれています。建設アスベスト被害はまさに我が国最大のアスベスト被害なのです。


なぜ、建材製造企業と国が争うのか

建材製造企業は危険性を知っていながら各種石綿建材を開発し発がん性が指摘されるようになった後もさらにはノンアス製品を開発した後も大量の石綿建材を製造し最後まで石綿建材による利益を確保し続けました。

また国は早くから石綿の危険性を知りながら何らかの規制や対策も行わずむしろ石綿建材使用を耐火構造に指定するなどして石綿建材の使用を促進させました。

こうした建材製造企業と国の責任を明らかにすることで全面的な被害救済と今後の被害根絶をはかる必要があります。


建設アスベストの経過

2008年に東京1陣訴訟が提訴されて以来、北海道・東京・神奈川・京都・大阪・九州の6か所にそれぞれ1陣訴訟

2陣訴訟が提訴されました。原告数は約800名、被害者数は700名にのぼります。

これまでに7つの地裁判決、4つの高裁判決が出され対国は10連勝となりました。

さらに3つの高裁判決で一人親方に対する国の責任が認められ建材製造企業の責任も5つの判決で認められています。


 

アスベストによって天職を奪われた建築職人とその遺族からのメッセージ


私たちは建築の仕事に誇りをもって一生懸命に働いてきた職人とその遺族です。

快適で安全な建物を早く、強く、きれいにつくる。直して、壊して、また建てる。

完成した建物を上から下までゆっくり眺める。充実したひととき。

親方でも子方でも,手間請けでも雇用でもこだわりを持って働く者は皆、職人です。

日本の経済発展を支えてきた自負があります。


できる事ならもう一度現場に出て働きたい。汗水たらして,ほこりまみれになって、働きたい。

私たちは灼熱の太陽も身を切るような寒さも一向に苦になりません。でも、アスベストに冒された今の体では

働けません。無念を残して亡くなった職人もどれほど大勢いることか。悔しくて、情けなくて、たまりません。


アスベストという毒入り建材をつくって売り続けた建材製造企業と、それにお墨付きを与えてきた国。 

危険だと分かっていたのに、何故教えてくれなかったのか。何故禁止しなかったのか。

いつまでも過ちから目を逸らし被害者に向き合わない加害者に怒りで声が震えます。


心配なのは今も建物の中に大量のアスベスト建材が残っていることです。改築や解体の時に若い職人や近隣住民がアスベストを吸い込むのではないか。21世紀後半になってもなお、アスベスト被害が続くのではないか。こんな苦しみは私たちだけで終わりしてほしいのに規制や対策が不十分な現状を見て見ぬふりはできません。


理不尽な人災を招いた建材製造企業と国の責任を明確にすること、それが全てのアスベスト被害者の救済とノンアスベスト社会の礎を築くことに繋がる。そう信じて私たちは困難な裁判に立ち上がりました。

提訴から早10年。この仕事を一日も早くやり遂げることが志半ばで逝ってしまった幾多の建設職人と私たちの願いであり、決意です。

  

全国建設アスベスト訴訟原告団 一同


アスベスト被害は終わっていません。アスベスト被害の救済と根絶は国民全体の課題です。

建設アスベスト訴訟の公正判決署名にご協力お願いします。

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