川崎フューチャー・ネットワーク(特定非営利活動法人)

みんなの力で、川崎を “環境都市” に!

川崎あるものがし:その3 市民共同おひさま発電所

2009-01-12 | 環境コラム
明日から電気がつかないよ、と言われたら、いったいどうしたら良いでしょう?
あっという間に生活に困ってしまいますが、そういうことも考えてみなければな
らない日が近づいているのかもしれません。

石油埋蔵量のピークが近づいている、という話があります。将来的に、石油その
ものがなくなってしまうという話です。ピークは2010-20年の間くらい(その後
は産出量が減少していく)という人もいますし、まだまだ先の話、という人もあ
ります。埋蔵量そのものはまだまだ持つけれど、今後は産油地の深い深いところ
から掘り出さねばならなくなるため、コストが上がるだろうと予測する人もいま
す。どちらにしても、あまり明るい未来がありそうな話ではありません。

さて、日本は世界第4位のエネルギー消費国なのですが、エネルギーの自給率は、
わずかに20%(原子力を除くと4%)だそうです。石油に関して言うと、石油依
存度は49%。第一次石油ショック前の1973年度のエネルギー供給の77%を石油に
頼っていた頃よりは移行が進んだとはいえ、まだまだ高い依存度です。石油がな
くなってしまったら、まさかいきなり電気がなくなりはしないでしょうけれど、
電気料の大変な高騰を招く可能性はあるかもしれません。

また、化石燃料は燃やす際にCO2を排出しますから、地球温暖化にも深刻な影響
を与えると言われています。便利な生活を続けるためにはエネルギーは欠かせな
いけれど、温暖化も食い止めねばなりません。

そんな中から、CO2の発生が少ない原子力発電と自然エネルギーを求める声が起
こってきました。

どちらにも、それぞれに問題はありますが、現時点での政策では、原子力は約27
%が導入されているのに対し、自然エネルギーは0.96%と大きく差がついていま
す。導入の目標値も2013年までに1.63%と、他国も目標値とは比べものにならな
い数値となっています(イギリスが20%、デンマークが30%、ドイツが40%。そ
れぞれ2020年の目標値)。

そんな中で、先月、8月24日、元住吉の国際交流センターに、川崎市で初めての
市民出資による「市民共同おひさま発電所」が開設されました。設置費用850万
円のうち、150万円が市民の寄付によって賄われた発電所です。「かわさき地球
温暖化対策推進協議会」市民部会ソーラーチームが長年の活動の末、待ち望んで
の開設でした。
http://www.cckawasaki.jp/%e4%ba%8b%e6%a5%ad%e5%a0%b1%e5%91%8a/hatudensyo-gaiyou

残念ながら、今回は市民が負担した費用はすべて寄付となり、出資という形には
なりませんでしたが、川崎市の自然エネルギーへの小さくて大きな「第一歩」で
す。いずれ、ここを基点として、市民が自分で使うエネルギーを選び、出資して
いく道が生まれてくる可能性を秘めています。

川崎市のエネルギーの地産地消を目指して、ここがゴールではなく、スタートと
なるよう、見守っていきたいと思っています。


参考:
資源エネルギー庁
http://www.enecho.meti.go.jp/topics/energy-in-japan/energy2007html_/part_1.htm
環境エネルギー政策研究所
http://www.isep.or.jp/
1億人のグリーンパワー
http://www.1okunin.net/index.php
青森県エネルギー問題懇談会連絡協議会
http://www.acci.or.jp/energy/energy/en01/en01.html

                      2008.9.10.「KF-net通信 Vol.4」掲載
                                      三枝信子 


☆あるものさがしとは:
 川崎市には、こんな良いものがあるよ! というご紹介のコーナーです。
 推薦も歓迎します。
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