【Song to remember #13】
■The Valentine Pieces / Glenda Griffith
2月14日ですね。
「バレンタイン・キッス」でくると思ったでしょ?(笑)
おニャン子は新田恵利だけだって言いませんでしたっけ?
その他は興味なし。
「マイ・ファニー・バレンタイン」ですか?
チェット・ベイカーでね。それもチラッと考えましたけどね。
昔から、この時期になると思いだす曲とアルバムがあります。
1977年にグレンダ・グリフィスという女性シンガーがリリースしたSameタイトルのアルバム。
詳しいプロフィール等は分かりませんが、このアルバム1枚のみ残して消えた(?)人です。
その当時、西海岸の歌姫の頂点へと駆けのぼっていた(所謂)リンダ・ロンシュタット・フォロワーの
一人でしょう。
リンダの成功に続けとばかりに、数多くの女性がデビューしては消えていったのです。
全10曲中、自作は2曲のみ。あとはカヴァー中心なので、SSWとは言い難いかな?
ダニー・オキーフの作品を4曲、ジョン・ホール、ジェシ・ウインチェスター各1曲というのもいいセンス。
さらには、「Eagle」という曲はキャロル・キングから提供された曲で、後にキャロルがセルフ・カヴァーしています。
それだけでも、結構な話題だと思うんですが...
それにしてもこのアルバム、参加メンバーがすごい、すご過ぎる。
プロデュースがイーグルのドン・ヘンリーとポップ・カントリー界のトップ・プロデューサーとなる
ジム・エド・ノーマン。
イーグルスからは、ドン・ヘンリー、ドン・フェルダー、ティモシー・シュミット、ジョー・ウォルシュの
4名が全面参加。
先ほどのキャロル・キングもピアノでサポート。
そのほかにも同時期にソロ・デビューしているヴァレリー・カーターやカーラ・ボノフを始め、
J.D.サウザー、ウォルター・イーガンのSSW勢。
絶頂期のリンダ・ロンシュタットに欠かせないアンドリュー・ゴールドとケニー・エドワーズ。
さらにワディ・ワクテル、ダニー・クーチ、ラス・カンケル、ジェイ・ワインディング、
クレイグ・ダーギー、ウィリー・ウィークス、マイケル・ボッツなどそうそうたる
スタジオ・ミュージシャンたちが参加しているのです。
まさに、イーグルス~ウェストコーストの人脈と金脈(?)とでもサブタイトルを付けたいくらいの
すごいことになってます。
これで売れなきゃ、ウソだろ?...で、売れなかったみたいですね、あんまり。
当時は日本盤も出ていたみたいですけど、やっぱり売れなかったのかな?
ジャケットもいいんだけどなあ。
僕が初めてこのアルバムを聴いたのは1979年のこと。
正直、あまり印象に残るアルバムではありませんでした。
(その辺がポイントかな?)
ただ、1曲だけとても気に入った曲があって、それが「The Valentine Pieces」。
(前置き長くてすみません)
この曲は、
ダニー・オキーフのオリジナルで、1972年の2ndアルバム『O'Keefe』に収録されています。
この曲に関しては、ダニーのオリジナルよりもグレンダのカヴァーの方が僕は好きです。
彼女の声に合ってるんだな。
全然目立たない曲なんだけど、僕は昔からずーっと好きな曲なんです。
さて、この曲がバレンタイン・デイにふさわしいかどうかは微妙なところなんですけどね。
歌詞は、男(女?)が一人、夕暮れの窓辺に座り、過ぎ去った恋を愛おしむという内容です。
それで、彼(彼女)の足元にはThe Valentine Piecesが散らばっているんですね。
この「バレンタイン・ピース」というのは、恐らくかつて贈られたであろうバレンタイン・カードを
引きちぎったものじゃないかなあ?と思うのですが。
このCD化もされず、忘れ去られたアルバムも、ある意味バレンタイン・ピースのようなものなのかな?
グレンダ・グリフィスの音源は奇跡的にあったのですが、肝心の「The Valentine Pieces」はありませんでした。
当然かな。
ダニー・オキーフの方も残念ながらありませんでした。
わずかに
ココで聴くことができます。
両方を聴きながら、グレンダのヴァージョンを想像してみて下さい。
ってのは、いくら何でも無理か