
にもかかわらず今日の出発は朝6時。しかしウインドブレーカーと手足に突っ込んだカイロのおかげで想定よりは凍えずに済んでいます。
今回は紅葉に期待はしていなかったのですが、霧の向こうに秋の装いが伺えました。
紅葉が見頃前なのにこの寒さは何なんだ、とは思いましたが。

家ノ辺の集落を過ぎ県道253号に入ると、どんどん人家はまばらになっていきます。


人がいなさ過ぎて猿が道路を占領していたのですが、俺が近づくと逃げ散ってしまいました。
こいつは逃げ遅れたばかりにカメラに捕らえられてしまったわけですが、俺が捕食者じゃなくてよかったね。

さて今日の目的地その1、仏ヶ浦にやってきました。

奇異な断崖や岩が並び、なるほど「仏ヶ浦」というネーミングにも納得がいきます。
恐山もそうですが、日本の最果ての地にこんな風景を見ればそこに何らかの意味を見出したくなるのも無理からぬことでしょう。


一瞬、大型魚の死骸かと思ってギョッとしました。

しかしここまで来るには遊歩道を歩いて降りてくる必要があり、往復でざっと一時間くらいかかります。

そんな余裕はない!という人も、展望台から全景が拝めます。

仏ヶ浦に次いでインパクトが大きかったのがこの願掛岩。写真ではわかりにくいですが、正面から迫りくるような迫力は圧巻です。

道沿いに裏から見ると、これまた存在感が物凄い。

願掛岩を過ぎ、佐井の集落あたりからはアップダウンが少なくなり、そして北海道がくっきり見えてきます。

さらに北上し、ようやくたどり着きました、大間崎。正真正銘、本州の最北端です。

とりあえず大間と言えばマグロですよね!
大間崎のすぐそばにある海峡荘というお店に入ったのですが、今日は平日だからかさほど混んでいませんでした。
お味の方はというと、味覚が雑巾な俺でもこれは普通のマグロと違うと思えるほどに美味しかったです。
3000円もしやがりましたが、決して高くはない。多分。

マグロを堪能し、あらためて大間崎を眺めてみました。
確かにここは本州最北端ですが、最果て感はあまり感じません。現世の果てを感じた恐山の方がよっぽど最果て感があります。
その理由は明白で、北海道がバッチリ見えちゃってるから。昔の人も、ここが世界の果てだとは思わずあの島に渡ったのでしょう。

ならば俺も行かねばなりますまい、最果てのその向こうまで!
なおこのフェリー便は一日に二便しかなく、大間発は13:40が最終便です。
寒いのを承知で早朝に出発したのは、これに間に合わせるためでした。

というわけで、さらば本州!

一時間半程度の短い船旅、見えてきたのは函館山です。
陸から見るとそこまで存在感を感じませんが、海からだと実に巨大。函館のシンボルとされる所以がわかります。

函館という土地には「始まりの地」という印象があります。まさしく北海道の玄関口、そこに自転車で上陸したというのは実に感慨深い。
この感覚は、飛行機で千歳に降りても味わえないものだろうと思います。
と言っても既に午後3時を過ぎています。空港に行く前に、函館っぽい所をサラッとサイクリングしていくとしましょうか。





最後に函館山に登って夜景でも見るかと思ったのですが、ロープウェーがメンテナンスで終日運休とのことでした。
函館山の道路は自転車通行禁止ですし、今日は諦めるとしましょうか。まあ、また来る機会はあるでしょう。
