アモーレ・カンターレ・マンジャーレ

自称イタリア人のオヤジが、好きなサッカーやらグルメやら、何でも不定期に気まぐれに書き綴るサイトです。

柳家権太楼独演会

2009-03-05 06:31:31 | 落語
先日、横浜にぎわい座での柳家権太楼独演会に出かける機会があった。柳家権太楼といって、ピンとくる方は少ないと思われるが、寄席の世界では有名な噺家である。

 以前も書いたが、1978年の小朝と権太楼(当時はさん光)のNHK新人大賞の争いはまさに甲乙つけがたいものだった。
 小朝の稽古屋がオツで粋な仕立てだったのに対し、さん光の反対車は爆笑モノここにきわまれりという感じであった。

 そのさん光が18人抜きで真打になり権太楼を襲名、丸々とした噺家らしい噺家として寄席を中心に活躍していた。その権太楼を久しぶりに聞く機会となれば楽しみだった。
 開口一番と次に出た弟子のほたるはまあ・・・これはちょっとつらかった。ちなみにほたるは権太楼が前座のときの名前であり、顔も権太楼の若い頃によく似ていたが、まさか親子?なんてやっているうちにお目当ての権太楼、一席目はお化け長屋であった。

 登場してきたときにまず、「あれっ、まさか代演では?」と思ったほどやせて老け込んでいた。えっ、どうしたんだ権太楼、トップ写真とは似ても似つかなかったぞ。
 本人が意識してやせたのならいいんだが、なんとなくやつれたようにも見えたのが、やや心配だ。といいつつ、その口調だが、ややもたついた感じもしてしまった。

 これは印象が変わったことが影響しているのかも知れない。とはいえ、にこっと笑ったときの表情など以前のままであった。
 ということでお化け長屋は強烈なくすぐりでこれでもかと攻める権太楼節、さすがである。すっかり笑わせてもらいながら、中入り。

 ヒザに紙切りの正楽をはさみ、トリの一席は「たちきり線香」だ。この噺は小生も大好きな噺だが、地味な人情噺で、権太楼がどう演ずるかが楽しみだった。
 マクラに麻生首相やいっ平を取り上げ、若旦那という存在を語りながら、スッと噺に入る。口跡があまり良くないことが個人的には気になったが、観客をグッと引き込む力はさすがである

 だが、それでもなお権太楼にはこの噺は合っていないと感じざるを得なかった。芸者さんの女将さんや若旦那の心情はよく描けているのだが、何しろ声に艶がない
 さらに滑稽噺ではほどよいくすぐりも、この噺では少しくどさを感じた。まあ、あくまで個人的な感想ではあるんだが・・・

 しかしながら、さすがに実力者だなあと感じながら、会場をあとにした。とりあえず本格的な落語で爆笑したい向きには権太楼、お勧めである。
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