アモーレ・カンターレ・マンジャーレ

自称イタリア人のオヤジが、好きなサッカーやらグルメやら、何でも不定期に気まぐれに書き綴るサイトです。

大橋巨泉逝去

2016-07-20 14:52:06 | つれづれ
永六輔の後を追うように・・・大橋巨泉が亡くなったとの報が流れてきた。またひとつオヤジ世代にとっては大きな影響力を持った人が亡くなったことになる。

 大橋巨泉さん死去 82歳…11PM、クイズダービー がん闘病11年

 6月28日にはこんな記事をアップしているので、重なる部分があるし、しかもすでに覚悟せざるをえなかった状況だが・・・もう一度記しておきたい。
 彼が遺言として週刊現代に書いていた、「今回ばかりは、野党に入れてください」という言葉もむなしく、投票日の2日後に亡くなったというのも象徴的か。

 冷静になれば、参院選で野党が勝ったところで参議院の与党がひっくりかえることもない。ついでにいえば衆議院の状況から見てもどうということはない。
 だから今回の選挙で野党が勝っても、政権がひっくりかえることはないのだが、某総理の「あの混乱の時代に戻していいのか」という言葉に、この国の国民は乗ってしまった次第だ。

 つまり与党が負けてもあの時代に戻らないのだが・・・そんな判断すらできない、この国の国民に対して、彼はもう未来はないとあきらめたのかも知れない
 さて、巨泉氏といえばつまりセミリタイアの先輩であるが、小生が初めて海外に行ったのがバンクーバーで、巨泉氏のお土産屋さんに立ち寄ったことを覚えている。

 さらに次に行ったのがオーストラリアで、ここでも巨泉氏のお土産屋さんがあった。まさに小生の頭の中に、優雅なセミリタイア生活が染み込むキッカケになったという。
 以前のこんな記事でも巨泉氏のことを取り上げながら小生はリタイア生活へのあこがれを書いている

 追悼番組を見ていて改めて知ったが、彼がセミリタイアしたのが56歳だった由。前回も書いたが、彼の著書「人生の選択」に感銘を受けた小生である。
 「人生あと20年くらい、読みたい本も、見なくちゃいけないビデオもたくさんある。ゴルフもしたいし、好きな歴史の勉強もしたい」という言葉は、ゴルフを落語に変えれば、まさに小生の今にドンピシャである。

 この本については否定的な意見も多かった由。曰く「巨泉のようにリタイアできる余裕が庶民にできるか」とか「まだ働けるのに何考えているなんて」といったものだ。
 個人の価値観だから、生涯現役で働くという価値も否定しない。だが、働くために生まれてきたのか・・・とも。

 昨日芥川賞が発表された。「コンビニ人間」というユニークな視点の作品だという。まだ読んでいないが、マニュアル化した対応により、組織の歯車になることで、自分のアイデンティティを見出す主人公らしい。
 そして、それはこの国の国民の多くが実は同じという主張でもある。

 偶然にも、この国の国民に対して、「本当にそれでいいのかい」と言い続けていたのが、巨泉氏だったと思う。組織や国の歯車を目指す人生こそが素晴らしいと(潜在的に)思っている多くの日本人・・・いいのかなあって。

 小生にとっては、遊ぶために働く(厳密には働いていた)のであって、まさにあと20年・・・したいことをして、人生を終わりにしたいものだ。
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