アモーレ・カンターレ・マンジャーレ

自称イタリア人のオヤジが、好きなサッカーやらグルメやら、何でも不定期に気まぐれに書き綴るサイトです。

「競争しないワタミ」を読んで

2012-03-19 05:49:15 | つれづれ
過労死の認定問題をキッカケに、ワタミに対するバッシングや不買運動などが起こっているが、今日の話は自分のスタンスをどこに置くかで評価が180度変わるだろう。

 まず事実関係を紹介すると・・・この2月に居酒屋チェーンを展開するワタミグループが高齢者や子育て家庭向けに始めた食事の宅配サービス「ワタミタクショク」が運営するコールセンターが東日本大震災の被災地、陸前高田に開設されたという。
 その時給は、最低賃金の645円だという。さあ、議論はここからだ。

 就業した人の声として「この沿岸部に、コールオペレーターの仕事をつくってくれるだけで感謝」というのがある一方、「競争しないワタミ」と題する記事は反対から見る。
 ポイントは、時給の設定だが、最低賃金にした理由としてワタミ側は、「周辺の需給バランスが崩れると、他の企業が参入しにくくなるから」と説明しているという。

 就業者がいうように、他に働く口がなければそれでもありがたいのだろうが、ピッタリ最低賃金というのは、企業としてみればきわめて有効なコスト圧縮である。
実に率直な、競争否定であり端的に言えば、カルテルの発想だと、記事の筆者は言う。「これは給与カルテルとでも呼ぶべきものです」と。

企業が競争の中で生きている存在である以上、優秀な人材を確保することは、勝ち抜くためのポイントであろう。(小生を採用した会社は、長年割に合わないことになったが・・・)
 だが、この論理でいくと、「従業員確保のために賃金を増額する必要もなくなる、待遇を競う必要もなくなります。これで雇用主の利益はバッチリ」と筆者は結ぶ。

 これが、過労死認定とその後の社長の発言の前だったら、この事実に対する評価は違っていただろうとは思うが、確かにこの記事の筆者が言うように、ワタミという会社がどんな本音で動いているのか見えてしまうのが、なんとも・・・である。
 この記事の最後にあるように「競合他社を圧迫しつつ、賃金抑制の面では率先して談合を呼びかける、そうしたワタミの手法が許されるようなことがあって欲しくない」というところに我々はしっかりした評価をすべきかと。

 社長自身は、きっと被災地支援のために雇用を創出し、コールセンターを作った。社会貢献的なことをしっかりやっているんだ・・・と胸を張るんだろうが。
 その一方で「倒れるまで徹夜だろうが、何だろうがやらせる。で、できたら無理(な課題)ではなかった証拠だ」と言い切る社長の下では、小生3日も持たないだろうことだけは確かだ(汗)
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