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勝手に書評

私が読んだ本の書評を勝手に行います。

ソニーの遺伝子 不可能を可能にした商品開発プロジェクト/勝 美明 著

2003-12-27 | ビジネス
タイトル : ソニーの遺伝子 不可能を可能にした商品開発プロジェクト
著者 : 勝美 明
出版社 : 日本経済新聞社(日経ビジネス人文庫)
出版年 : 2003年

---感想---
WEGAの開発にまつわる物語である。

このあたりの話は、いわゆるソニー本にも出ているので内容自体に新鮮味は無い。それでも、ソニーの「人がやらないことをやる」と言う遺伝子の垣間見た気がする。通常の三分の一の期間で行われた商品開発の話は、同じような商品開発部門に属している私としては、参考にもなり、自分で出来るのかと疑問にもなり、やって見たくもあり、やりたくない気もする。しかし、成し遂げたこと自体は非常にすばらしいことであると思う。

ウォルマートの時代/ロバート・スレーター 著

2003-12-27 | ビジネス
タイトル : ウォルマートの時代
著者 : ロバート・スレーター
出版社 : 日本経済新聞社
出版年: 2003年

---感想---
世界最大の売上を誇る企業、ウォルマートに迫る本である。この”世界最大の売上”と言うのは、別に小売業に限ったことではなく、GEやGMなどの重厚長大企業も含めての、地球上にある全ての企業の中で最大の売上である。小売業が、国家を代表するような重厚長大企業を上回る売上を上げるということは、現代における一般市民の生活の大きさを示しているといっても過言ではない。

ウォルマートの規模が拡大したのは、この10年近くのことである。それは、創業者サム・ウォルトンの居なくなった時期とも重なっている。サム・ウォルトン自身も、ウォルマートをアメリカでは大手のディスカウントストアにしたが、それでも、売上はいまの数分の一の規模であった。往々にして、偉大な創業者を持つ企業は、その創業者の亡き後はパッとしないものだが、ウォルマートの場合は、むしろさらに拡大していった。この事実は非常に興味深い。

また、もう一つ興味を引くのが、ウォルマートの企業文化である。見たことは無いが(一度見てみたいものである)、ウォルマートチェアなるものが、株主総会やその他の重要な会議の際に行われるそうである。このチェアアップで、従業員や株主との一体感を維持拡大していっていることは想像に難くない。また、その一体感が、ウォルマート躍進の原動力の一つであるのだろう。

アサヒビール大逆転 男たちの決断/大下 英治 著

2003-12-27 | ビジネス
タイトル : アサヒビール大逆転 男たちの決断
著者 : 大下 英治
出版社:講談社(講談社+α文庫)
出版年 : 2003年

---感想---
いくつかのアサヒビールをテーマにした本は読んでいるが、これはその総集編的なものに感じる。アサヒビール奇跡の大逆転を成し遂げた4人の経営者、樋口廣太郎、瀬戸雄三、福地茂雄、池田弘一を中心にまとめたものである。

それにしても、確かに奇跡的な業績回復である。昨今、企業経営に際しては『選択と集中』といわれるが、アサヒビールは必然的にではあるが、事業を選択・集中して、まさに奇跡的な業績回復を遂げている。四人それぞれに持ち味はあるが、一番大きいことは、引き際を心得ていたと言うことではないだろうか。往々にして、奇跡的に業績を回復させた経営者と言うものは、その地位に固執するようなことがあるが、アサヒではそれが無かった。それが、逆に、多段ロケットの様に次々と業績を伸ばしてきた遠因であろう。

追うものから追われるものへ。アサヒの立場は180度逆転した。今の状態を維持し、伸ばしていけるのか、非常に興味深いところである。

ソニーと松下(上・下)/立石 泰則 著

2003-08-30 | ビジネス
タイトル : ソニーと松下(上・下)
著者 : 立石 泰則
出版社 : 講談社(講談社+α文庫)
出版年 : 2003年

---感想---
ライバルとして比べられる事の多いソニーと松下を、創業者の精神をどう繋いで行ったか、一時の不振をどのように克服していったかと言うことに焦点を当て、記している。元々は、『ソニーと松下 21世紀を生き残るのはどちらだ!』として刊行された書の文庫化である。

現実として、松下よりソニーが上手く行っているとも言えるためか、本書の全般的トーンは、ソニーに好意的に感じる。松下とソニーにこれだけの差が出来てしまったことに関する分析は本書に詳しいが、やはり一言で言えば「世代交代」が上手く行ったか否かと言う事に尽きるように感じる。ソニーは、PSやSPEなどが好調であるが、これらは娯楽サービス。好不調の波が大きい。これの平準化が望まれるのではないだろうか。一方松下に関して言えば、優良小会社を完全小会社化するなどして、事業の再編成を行っているが、それが本当に成功するかどうかを確かめるために残された時間はあまり多くないではないのだろうか・・・。

タイトル 戦略プロフェッショナル シェア逆転の企業変革ドラマ/三枝 匡 著

2003-07-27 | ビジネス
タイトル : 戦略プロフェッショナル シェア逆転の企業変革ドラマ
著者 : 三枝 匡
出版社 : 日本経済新聞社(日経ビジネス人文庫)
出版年 : 2002年

---感想---
ミスミの三枝氏による書。とある企業を舞台に、親会社からやってきた若手幹部がどのように企業を変革していったかという物語。一応小説ではあるが、実際には三枝氏本人の体験談をノベライズ?している。

読んでいると、非常に日本的情景が描かれ、「あるある」という感じである。小説仕立てではあるが、実際には著者本人の体験談を下敷きにしており、全くのフィクションと言うわけではないと言うところが興味を引かれるところであり、また、実際に行ったと言うところに説得力もある。

しかし、必ずしも全ての場合がこの本の様に上手く良くとは限らないだろう。ケーススタディの書として参考とするのが良いのだろう。

リエンジニアリング革命 企業を根本から変える業務革新/M.ハマー、J.チャンピー 著

2003-07-27 | ビジネス
タイトル : リエンジニアリング革命 企業を根本から変える業務革新
著者 : M.ハマー、J.チャンピー
出版社 : 日本経済新聞社(日経ビジネス人文庫)
出版年 : 2002年

---感想---
現代の日本企業復活の参考にもなる、企業業務の変革のケーススタディ。

下記にはナンバーワン企業の分析であるが、こちらは一度沈んだ企業がどのように企業内に革命を起こし、復活してきたかということの書である。(中には、企業成績が良いうちに革命を起こし、さらに業績を拡大した企業もあるが。)

いまの日本企業に本当に必要なのは、このようなリエンジニアリング革命なのではないだろうか。

ナンバーワン企業の法則 勝者が選んだポジショニング/M.トレーシーー、F.ウィアセマー 著

2003-07-27 | ビジネス
タイトル : ナンバーワン企業の法則 勝者が選んだポジショニング
著者 : M.トレーシーー、F.ウィアセマー
出版社 : 日本経済新聞社(日経ビジネス人文庫)
出版年 : 2003年

---感想---
世の中でマーケットリーダーあるいは勝者と言われる企業を分析し、何がその企業をマーケットリーダーたらしめたのかを分析している。

分析されている企業は、AT&T・ユニバーサル・カード、インテル、エアボーン・エクスプレスの3社。インテル以外の2社は、日本ではお馴染みではないが、その業界では非常にすばらしい業績をあげている企業である。

後から言われてみれば、「なるほど。なぜ気がつかなかったのだろう。」と思わせるようなところが多いが、それが真似ができないと言うところが他社を寄せ付けない業績をあげている理由なのだろう。

巨匠が解く日本経済の難問/日本経済新聞社 編

2003-07-27 | ビジネス
タイトル : 巨匠が解く日本経済の難問
編者 : 日本経済新聞社
出版社 : 日本経済新聞社(日経ビジネス人文庫)
出版年 : 2003年

---感想---
日経新聞に連載されていた企画の文庫化。文庫化にあたり、イントロの「この講義のポイント」が追記されている。

ケインズ、アダム・スミス、マルクス・・・など早々たるお歴々の理論を、混迷する現在の日本経済の分析に用い、日本経済の回復の道しるべを分析している。

解説を読んでみると、なるほどと思わせるところは多い。しかし、竹中金融経済担当大臣が中々実績を出せない事の裏返しなのかもしれないが、理論と実際の経済は中々異なるのだろうと思う。言って見れば、経済学は過去の分析や全くの理論に過ぎず、物理や化学の様に実際の実験によって実証され定理となっているものはない。これらの大経済学者の理論に実行すれば本当に日本画経済が回復するのかどうなのかは判らない。

ソニーの「出井」革命/立石 泰則 著

2003-07-27 | ビジネス
タイトル : ソニーの「出井」革命
著者 : 立石 泰則
出版社 : 講談社(講談社+α文庫)
出版年 : 2003年

---感想---
ソニーの現CEO出井伸之氏の就任により起きたソニーでの「革命」の話。

確かに、こう言うのはばかられるが、出井氏が出てくる直前のソニーは我々一般消費者が期待しているソニーではなかったと、今にして思えば思われる。出てくる商品は、普通に他のメーカでも出すような凡庸な商品であり、嘗て、WalkmanやCDの様な革命的な商品を得会に供給してきた先進的企業の面影は見られなかった。

出井氏が社長兼COOに就任して以来、vaioなどのヒット商品も出、何かしてくれるのではないかという一般消費者のソニーへの期待を満たすような製品が出始めている。ソニーの革命はまだ道半ばかもしれないが、これからもわくわくするような商品が出てくることを期待して止まない。

ホンダのDNA継承術/長谷川 洋三 著

2002-10-20 | ビジネス
タイトル : ホンダのDNA継承術
著者 : 長谷川 洋三
出版社 : 日本経済新聞(日経ビジネス人文庫)
出版年 : 2002年

---感想---
業界再編の嵐が吹き荒れている自動車業界において、トヨタのほぼ半分の規模ながら、再編の波にもまれず、独立独歩の道を歩いているホンダの、今に至るまで取り組んできた様々な活動、苦闘の歴史。今でこそホンダはトヨタを脅かす存在になっているが、10年程前は「ホンダも終わりだ」と言う様な風評が流れたこともあった。ちょうどその頃は創業者本田宗一郎の晩年の頃であり、会社としてのカルチャーがブレ始めた時期だったと言える。本書では、企業カルチャーが書き込まれたDNAをいかに継承していったか、今のホンダの好調ぶりの原点と言えることが述べられている。ホンダのDNAを時代に合わせて継承していくことがこれからもホンダが生き延びていく条件だろう。