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勝手に書評

私が読んだ本の書評を勝手に行います。

不機嫌な職場 なぜ社員同士で協力できないのか

2008-07-21 | ビジネス
タイトル : 不機嫌な職場 なぜ社員同士で協力できないのか
著者 : 高橋克徳、河合太介、永田稔、渡辺幹
出版社 : 講談社現代新書
出版年: 2008年

---感想---
成果主義といわれて久しい日本。その日本企業の職場が、最近おかしくなってきていると言う。その問題点・原因に迫り、対処方法まで記した書。

私も、それほど長い年月会社員をしている訳ではないのだが、確かに本書に記されているように最近の職場の雰囲気は、自分が新入社員だった頃の雰囲気に比べて、変わってきている。どこがどう変わってきているかと具体的に説明する事は出来ないのだが、全体的にクールで、他人に関わる事を避ける傾向が見えるような気がしますし、自分にどういうメリットがあるかを物凄く気にする社員が増えてきている気もします。これほど短期間に、ここまで会社の雰囲気が変わるのかと驚くところもありますが、それは、やはり会社のマネージメント層にもその責任の一旦はあるんですよね。自分も反省です。

この本の伝えたかった事は、目的意識の醸成と、社員間のコミュニケーションの重要性ということなのではないのでしょうか。サイバーエージェントの件は目的意識の醸成をどのように行い、維持していくのかと言う事ですし、ヨリタ歯科クリニックの件は、スタッフ間のコミュニケーションの円滑化による仕事への参加意識の向上のような気がします。

自分ができる事は小さな事しかありませんが、職場で挨拶を励行するなどの、小さな事からコツコツと、職場の雰囲気を向上させて行けたらいいなぁと思いました。

一度も植民地になったことがない日本

2008-05-03 | ビジネス
タイトル : 一度も植民地になったことがない日本
著者 : デュラン・れい子
出版社 : 講談社+α新書
出版年: 2007年

---感想---
タイトルを見ると、歴史関係の本と思いますが、実際は違います。著者の名前を見て分かるように、著者は外国人と結婚した日本人。結婚後、日本を離れて様々な国で生活した経験が書かれています。海外から見た日本、日本から見た海外、日本のいい所・悪いところと言う感じの内容です。実際、読んでみて、「あぁ、そうだな。」と言う思うところも多いです。しかし、この本の良いところは、単に海外からの視点で日本を批判しているだけでは無く、逆に海外に居るからこそ分かる日本の良いところ、その一部がこの本のタイトルにもなっている事ですが、そう言う観点からも書かれているので、中々良い勉強になります。

部下は育てるな!取り替えろ!!

2008-03-26 | ビジネス
タイトル : 部下は育てるな!取り替えろ!!
著者 : 長野 慶太
出版社 : 光文社
出版年: 2007年

---感想---
何とも過激なタイトルの本ですが、「お客には絶対に謝るな!」の著者と言うことで納得です。前著の「お客には絶対に謝るな!」が一般社員向けとすれば、こちらの「部下は育てるな!取り替えろ!!」は、その上司の管理職向けと言う位置付けだそうです。

読んでみて、所々(と言うか、かなりのところで)、その内容に頷いてしまいました。自分でやっていることが間違っていない(少なくとも、同じ事を思っている人がいる)と言うことが確認できました。ただ、著者ほど徹底はしていないので、まだまだですね。合理的で、論理的な人員活用論です。

スタバではグランデを買え!

2008-03-22 | ビジネス
タイトル : スタバではグランデを買え!
著者 : 吉本 佳生
出版社 : ダイヤモンド社
出版年: 2007年

---感想---
タイトルは、スターバックスと言う人気コーヒーショップの名前を関しているが、その内容はスターバックスのことだけではなく、広く一般的な商品・サービスの価格決定のからくり・考え方が記されている。例示が卑近で非常に分かりやすく、理解しやすい内容になっているのはすばらしい。特に、複雑なケータイ料金に関しての考察は、一読に値するのでは無いだろうか。でもねぇ、スターバックスのグランデって、大きすぎるんですよ(笑)。

シュガー社員が会社を溶かす

2008-02-04 | ビジネス
タイトル : シュガー社員が会社を溶かす
著者 : 田北 百樹子
出版社 : ブックマン社
出版年: 2007年

---感想---
「ちかごろの若い者は・・・」と言うのは、いつの世も年長者から言われていたものですが、このところの”若い者”は、本質的に違う気がします。その疑問に、一つの回答を出したのが本書。

”シュガー社員”が、自分だけ勝手に溶けてくれれば問題ないのですが、周囲にも悪影響を与え、引いては、職場や、会社全体にまで悪影響を及ぼしてしまうところが大問題。読んで見て、最初は「あぁ、いるいるこう言う奴」と思う程度でしたが、読み進むにつれて、その余りの非常識さ加減に、段々と腹が立ってきました。私の近くには、”シュガー社員”が居ない事を祈ります。

官邸崩壊 安倍政権迷走の一年

2007-12-22 | ビジネス
タイトル : 官邸崩壊 安倍政権迷走の一年
著者 : 上杉 隆
出版社 : 講談社
出版年: 2007年

---感想---
この本が出されてまもなく、あっけなく本当に崩壊してしまった安倍政権。この本を読んでみれば、その政権崩壊の兆しは、政権発足の頃から内在し低多様に思える。逆に言えば、よく一年も持ったなぁと言うのが感想である。その後発足した福田政権は、安倍政権を他山の石として堅実に政権運営されているようであったが、それは幻影だったのか? このところ、安倍政権を髣髴とさせる政権末期的出来事が見受けられるのは気のせいだろうか? やはりこの次は、民主党小沢政権?

日本人には教えなかった外国人トップの「すごい仕事術」

2007-12-02 | ビジネス
タイトル : 日本人には教えなかった外国人トップの「すごい仕事術」
著者 : フランソワ・デュボワ
出版社 : 講談社
出版年: 2007年

---感想---
日本にいる外国人企業トップへのインタビュー集。日産・ルノーCEOのカルロス・ゴーンを始めとして、シャネル日本法人社長リシャール・コラス、スターバックス・コーヒージャパンCEOマリア・メルセデス・M・コラーレス、エコール・クリオロ シェフ アントワーヌ・サントス、新生銀行社長ティエリー・ポルテと、全5名の社長等に話を聞いています。

著者のフランソワ・デュボワは、その名前から分かるようにフランス人なのですが、実は、この本に出てきている社長たちのほとんどもフランス人か、フランスにゆかりのある人。全くフランスにゆかりが無いのは、スタバジャパンのCEOマリア・メルセデス・M・コラーレスだけです。

タイトルから受けるイメージと、本の内容が若干違うかな?と言う感じがします。「すごい仕事術」と言う事になっていますが、そう言うよりも、人として、企業人として、出身国以外の国で活躍するまでの、その人のキャリアの考え方などの、人生論に近い内容です。タイトルのイメージと違うから、役に立たないかと言うとそんなことは無く、むしろ、淡々と仕事論を語られるより、こう言うような内容のほうが面白いかもしれません。

踊る大捜査線に学ぶ組織論入門

2007-11-16 | ビジネス
タイトル : 踊る大捜査線に学ぶ組織論入門
著者 : 金井 壽宏、田柳 恵美子
出版社 : かんき出版
出版年: 2005年

---感想---
2005年9月の出版なので、スピンオフ作品『容疑者 室井慎次』公開直後ですが、本書では、それよりちょっと前の『踊る大捜査線 THE MOVIE』と『踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』の20のセリフから、組織論を紐解いていきます。

それにしても、選ばれたセリフが「事件は会議室で起きているんじゃない、現場で起きているんだ」とか、「レインボーブリッジ封鎖できません」とか、「室井さん、命令してくれ! おれはあんたの命令を聞く!」とか名セリフばかり。それらのセリフを組織論で分析すると、とっても興味深いことが分かってきます。踊る大捜査線は、日本企業の縮図を描いていると言うことを聞いたことがあるんですが、本当にそうなんですね(?)。

鈍感力

2007-10-30 | ビジネス
タイトル : 鈍感力
著者 : 渡辺 淳一
出版社 : 集英社
出版年: 2007年

---感想---
小泉元総理が、支持率低下に悩む安倍前総理に対してアドバイスを行ったことでも脚光を浴びた言葉「鈍感力」。まぁ、その安倍前総理も、第168回国会(臨時国会)の所信表明演説の直後に辞任を表明し、国会を混乱に陥れたのも記憶に、まだまだ新しいところです。

読んでみて、確かに『鈍感力』って、重要なんだなぁと思いました。私は、身に付けたいですね。自分のいろんな悩みが、敏感であることにも原因の一部があるのも理解できました。まぁ、あんまり鈍感では困るでしょうけど、適度に鈍感なのは、この世知辛い世の中を生きていくうえで、必須な素養なのだと思います。

小泉官邸秘録

2007-10-06 | ビジネス
タイトル : 小泉官邸秘録
著者 : 飯島 勲
出版社 : 日本経済新聞社
出版年: 2006年

---感想---
小泉政権の後を継いだ安倍政権も、安倍首相の突然の辞任宣言によりあっけなく崩壊してしまったわけですが、間違いなく、戦後政治の一つの転換期にあたる小泉政権の中枢にいた飯島秘書による約5年の小泉政権の記録。もっとも、その飯島秘書も、今回の福田政権誕生にかかわるゴタゴタで、小泉事務所を辞める辞めないと言う騒動を引き起こしていますが・・・。

小泉政権誕生から、その終末まで、すべての年代の事を記してありますが、何と言っても一番多く紙面が割かれているのが、この10月に民営化されたばかりの郵政民営化に関する件。本書は、3部構成になってかかれていますが、最後の第3部の全てを郵政民営化に関する記述に割いています。それだけ思い入れがあったと言うことと、逆に、それだけ周囲の反発が大きかったので、改めて立場を明らかにしようとしていると言うことでもあると思います。

ただ気をつけなければいけないのが、この本はどうしても郵政民営化を推進したいと言う立場の人の視点で書かれていると言う事実を忘れてはいけません。本書中に、「普通の国で一番多い公務員は軍隊だが、日本では郵政。これはおかしい。」と言う論調のことが何度か記されています。この文章だけ見ると、論拠としてなるほどとも思いますが、実際のところは、絶対数でどのくらいか、その国の総人口に対する割合で見るとどうなのか、と言う客観的視点が欠けています。また、もっと言うと、日本の場合、自衛隊と言う組織の歴史的経緯から、その定数が同じくらいの規模の国と比較してどうなのかと言うことも考えなければ、前記のような議論が出来ないと思うんですけどね。いずれにしても、そう言う、一面的な視点でしか書かれていないということをよく理解して、読み進む必要があります。