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紙を彫る。紙で染める。

染め修行はじめました!?

こんにちわ!

どこも桜が満開!🌸 
心が浮き立つ季節ですが皆様いかがお過ごしですか?

型屋2110は先週の日曜日
名古屋で唯一私が知っている型染めの染色工房に行って参りました



「いい型紙を彫るためには、型紙を使う人(染屋さん)にまめに顔を出して話を聞くといいよ」
と教えてくれたのは、染屋さんのそばに工房を構える東京の型彫り職人さんでしたっけね。

(松井さんご無沙汰しております!!)



型屋2110の得意先は関東が多く、
新幹線や長距離バスを使っての出張になるので、
なかなかまめに顔を出すことは難しいのですが💦

今回は自分の作品づくりのお手伝いをお願いするという目的だったので、近場の名古屋の染屋さんにお世話になることにしました😀



普段は「紙を染める作品」なら作ることがあるのですが、生地や技法に合わせた様々な染料や薬品、そして特別な設備が必要な「布を染める作品」は作ったことがなく今回が初めて。

染屋さんは、伊勢型紙の組合の関係でお知り合いになった赤塚染工さん。

工房にお邪魔するのは初めてです。



我ら彫師が心血を注いで彫り上げた型紙が活躍する場所 『 染工場 』

ここで型紙が染め師さんの技術によって美しく鮮やかに洗練された着物や帯、その他さまざまな素敵な作品を生み出す役を担っていると思うと
どこの工房もお邪魔するたびに気持ちが高揚します✨✨✨



自然光を取り込む入口の向こうは広々とした土間。
7mほどある長板と呼ばれる1枚板がずらりと並び、その上に白生地を貼って型染めをします。


同時進行で作業ができるように、頭上にはたくさんの板を置いておける仕組みになっています。
この板、素材によってはかなりの重量があり、一人で片付けたり外に干したりするのはかなりの重労働💦
自慢じゃないですが、運動不足を極める私では抱えて持っているだけでもひと苦労の代物
持ち上げて運ぶなんて到底無理だ....
(美濃和紙の松尾友紀さんならできそうw)


染め職人が男性中心であることはなるほど納得です。
それでも、私の知る限りだと同世代で女性の職人さんと出会うことが度々あり、嬉しくそして頼もしく感じています!!

壁際にはたくさんの様々な染料や糊、配合する薬品や刷毛などがずらりと並び、圧倒されます。
(型屋は小刀と渋紙がありゃ、なんとでもなる感があり、設備投資の無い気楽な職業😂)

特に赤塚染工さんは1つの技法に絞らずいくつもの技法を使い分け幅広く作品づくりをされている方なので余計に多いのかもしれません。

ワクワクキョロキョロしながら一番奥の水槽まで行き、まずなにはともあれ、大騒ぎして湿らせて持参した型紙を水槽にドボン!
(大騒ぎ:前夜に親方宅の玄関を水浸しにしました。ごめんなさい)



型紙は水で伸び切った状態で使用します。

柿渋で丈夫にしてあるからこそ、手漉き和紙を使っているからこそできることです。
型紙の上から染料を防ぐ糊を置いたり、染料自体を刷毛で摺り込んだりして模様を染めます。

今回私は糊を使うタイプの型紙を準備してきました。
「駒べら」(こまべら)という手のひらに乗るくらいのサイズの木のへら(ヒノキ)を使って糊を置いていきます。

作品に使わせていただく白生地を色々と物色した後は
ついに製作開始!

やる気満々の型屋2110!🔥🔥🔥

しかしここで赤塚さんが取りいだしたるは
半透明の洗濯のり。


???😦



染めに使う小紋糊っていうのは、きな粉みたいな色もしくは藍色をしていて、糠・もち粉・石灰とかで出来てるアレじゃないんですか?



「まずは駒ベラの使い方を練習だ」

あ、ハイ(^_^;)


「押し駒だけでも覚えていきな」


押し駒というのは、駒ベラを手前から向こうに動かして型紙の上に糊を置いていく(塗り広げる)やり方のこと。

型紙の上から一面にムラなく、糊の厚みも均一に糊を置かねば染め上がりがムラになってしまいます。
また力の強弱もバラつくと、駒を動かした跡が残り、やはりムラになってしまいます。
(ムラムラうるさくてすみませんw)

駒ベラを上手く使うようになるだけでも2〜3年は最低でも必要でしょう。

染師には欠かせない技術ではありますが...
そんな明日から使える生活豆知識🍀みたいに言われても...
ちょっとやったくらいで身につくのかなあ...😗



戸惑いながらも糊(小紋糊ではなく洗濯糊!)と駒ベラを渡され、型紙は使わず、長板に押し駒方式で洗濯糊を置いていく修業が始まりました。
(洗濯のり混ぜ職人?)


(押し駒見習い?)


あれ?
私、作品作りを手伝ってもらいに来ただけなんだけどな....
そんな考えが頭をよぎります。

黙々と無心で駒ベラを動かすのは、地味に楽しい作業ではあるのですが....

作品を作らねば帰れない....!!






「.....午前中は押し駒ね」


!!?😦


あ、ハイ😂
(やるの、ちょっとじゃなかった!)


容赦ない赤塚さんのしごき(笑)(笑)





と、いいつつも、型彫りをする人間とって染めを知るのはとても重要なこと。

それが分かっているから赤塚さんも自分の時間を割いて教えてくださっているんだなと思うと感謝しかありません😭✨
めちゃくちゃ面倒見てくださって....本当に親切なお方です!🙏🙏


同行した妹弟子の丸田さんと二人。
朝10時からお邪魔して、午前中はひたすら腿の付け根あたりを糊でベタベタにしながら、糊置きの修業で時間が過ぎて行きました....

この後午後からは別の型紙で糊置きを練習し、




の後ようやく自分の型紙に触らせてもらうことができました。


念願の作品制作の始まりです!🔥🔥🔥

しかしこの時すでに日が傾きかけ....




案の定
この日は作品は仕上がらず続きは後日。
ということになりました😙




さて
次回こそ作品は完成するのか!?

まさかまた糊置きの練習から始まるのか....?(や、楽しいんですけどねホント)
もしかしてこのままマスターしちゃう方向なの私?


名古屋での染め修業 まだ続きそうです。
今日はこの辺で!

では皆様良い夜を〜(^o^)/

コメント一覧

kataya2110
@urushi-itteki 時間があれば通ってみたいけどなぁ🥺✨
ほんとに親切で、よく人が良すぎると奥様に怒られるらしい(笑)
urushi-itteki
おおー✨✨素敵体験!!そこまで指導してくれるの嬉しいね!このままマスターしちゃおうぜぃっ‎( ˙º̬˙ )و ̑̑完成が楽しみ!!
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