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きもちばかりで

片倉小十郎景綱に興味津々

第40話 勇敢なる一騎討ち!の巻

2010-08-08 20:50:00 | 伊達の鬼萌え
前回登場で惚れた八坂孫三郎がぁ――ッッ!!

少女マンガで言えば「ひとめぼれしたイケメンの彼は、学園の生徒会長で、しかも隣りには可愛い彼女が!さあどうする?!」みたいになるところでしょうが、「ひとめぼれした強面(イケメン)の武将(かれ)は、敵軍の殿(しんがり)で、しかも可愛い軍師の長巻で首チョンパ!さあどうする?!」に。…さあどうするじゃねぇよ。

いやぁぁぁぁだめぇぇぇぇ孫三郎ぉぉぉぉぉ、もう少し、今少し支えてくれたら義胤様が来てくれたのにぃぃぃぃ!!!

これは、ひとめぼれした彼に死んで欲しくない女の叫び。

お話の展開としては、たった2週しか登場してないキャラの一騎討ちにこんなにゾクゾクしたのは前代未聞です。
孫三郎と小十郎の間に、それまで何かの因縁が描かれているわけではなく、おそらくあるのは「槍の孫三郎」の武勇評判だけ。つまりこれは、個人対個人の一騎討ちではない。金山城と相馬武士たちの心意気を背負った孫三郎と、伊達の軍勢を動かす責任を背負った小十郎との、相馬軍対伊達軍のぶつかりあいの象徴・イデアとも言える戦いであるわけです。
軍隊対軍隊の近代的≒人間味の少ない戦い方へと変貌を遂げる戦国時代の過渡期に、古式ゆかしい美学ともいうべき時間が流れます。

そして孫三郎は、殿となって皆を城中に退かせるだけではなく、自らも「良き死に場所」と思える死をもってして前回で心乱れバラバラになりかけた相馬軍の心をひとつにまとめました。これは物凄い「采配」です。
「してやられ申した… 勇敢なる相馬武士の心意気に!」
伊達の軍配者、完敗を認める一言です。

もうね、戦の大局としてどうだったか、なんてことは言うだけ野暮。
一瞬一瞬に花を咲かせて生きる、そして死ぬ。これがその花か、と。そんな気持ちに少し近づけた気がします。
それでも花は咲いて実になり次代に繋がっていくものです。孫三郎も決して衝動的に刹那に散ったのではありません。長い過去を背負い、相馬の、伊達の、奥羽の未来を見据えて咲き続け美しく散った花です。

そんな風に感じられた一騎討ちでした。
惚れた男に死なれたので感傷的です。

第39話 金山城攻略戦!の巻

2010-08-01 22:15:00 | 伊達の鬼萌え
あと一ヶ月で休刊だから、もう残りの号は全部掲載されるんじゃないか、という勝手な思いに取り付かれて中も確かめずに買ったら、今週号は『伊達の鬼』がお休みでした。
しかも来週号は合併号ってなによ!ますます話数が少なくなるじゃないのよ!とブータレてたら、K師匠から「ああ、お盆進行ね」とあっさり種明かしをされました。雑誌個別の事情じゃなくて、印刷所のお休みなんですね。あうあう、失礼いたしました。

でも『刀の鍛冶人』後編おもしろかったし、『戦国武将ノブちゃん』も地味に好きなので買って悪いことはなかったかな。

というワケで、今回は意図して寝かせたわけではない先週号の感想です。

伊達家ノリノリの対相馬戦。またも相馬側にステキな武将が登場です。
 八坂孫三郎。
さすがに相馬家中までは未チェックでございます。伊達家中だってほんの数人しか知らないのに…。でもこれからいろんな本に手を出していく途上で出会えるんだろうなー、と思うとドキドキワクワクです。お名前メモしとこっと。

元気になってよかったよかった、なとび丸が相馬兵にまぎれて情報・世論操作です。群集に恐怖を植えつけてパニックを起こさせる。
こわ~~、マジこわ~! 何がこわいって、自分だったら絶対に恐怖情報に惑わされて逃げ惑う先頭集団に入ってる確信があるからです(コラ)。そしていったん恐怖に駆られた自分が落ち着きを取り戻すためには、恐怖を打ち消すだけの安心を得られる確たる情報を手に入れて納得するか、逃げるのを止めるほどの更なる恐怖を見せ付けられるかしかないと思うのです。どっちにしろ、役には立たないよなー既に。

采配を振る者としては、動かそうと思っている戦力が謂れのないことで見る見る無力になっていく。これは怖い。

主人公が一騎当千でいっぺんに何百何千の軍団をやっつけていく、なんてストーリーを見るよりずっとリアルで怖いです。

もちろん私みたいなへたればかりではありません、相馬軍団。多少のパニックで乱されはしても立て直します。その落ち着きを持った将兵がいて、義胤様が助けに駆けつけようとしています。
「金山城が落ちる前に 伊達の小倅を叩くッ!! それまで持ちこたえよ …孫三郎!!」

以前に出てきた軍事教練のシーンと今回の統制の取れた伊達軍。
持ちこたえられぬと判断した城主。同じように危機感が流れる相馬軍内の不安をさらにあおって乱す忍びの働き。
そんな起こり得るほころびを大きくされたことに気付いて兵を叱咤し、同時に戦場全体に目を配る落ち着きを持った相馬将兵。
このバランスの外からやってくる相馬義胤の援軍。

けっして一方が圧倒的でない、勧善懲悪でない戦い。これですよ! このリアルが真剣勝負であり、同時に哀しい。
そんな中で、できれば小十郎が軍師としてではなく外交官として伊達家を生き残らせていくストーリーになっていってくれたらいいなー、などを思うかたわら、戦闘シーンにも「きゃーっ、かっこいいわー!」などと歓声をあげるのでした。
なんでしょね、この心理はいったい。

兎にも角にも、ひとりひとりが自分の持ち場で命を賭ける、カッコイイサムライたちの群像劇です。こういうのに弱いんだわー。

第38話 輝宗の恫喝!の巻

2010-07-17 16:35:50 | 伊達の鬼萌え
「夢というものは想えば想うほど叶いまする
 このまま迷わず突き進まれよ
 その夢の果てで お待ちしており申す」


笛の音に誘われた夢幻の中、戦国時代小説のキレイどころ2人がゆふらりと言葉を交します。
美しいですねー。
実際がどうだったかは知りませんが、軍記物語などでは美少年小姓の代名詞とも言える森蘭丸と、当ブログでは美少年小姓と断定している片倉景綱です。後者、範囲狭ッ!

容姿の証拠は写真があるわけでなし、でありますが、彼等が有能な側近であった証拠はいろいろ残っております。そこ重要。
そして2人とも小姓としてスタートしている点から見て、容姿も優れていたであろう事が推察されるワケです。才色兼備。お殿様お気に入りの側近になれるのには訳があったというところでしょうねー。世の中にはいるんだよな、美形で頭が良くて性格も良くて努力家で…なんて人が。バイト先にもいます。拝むよ、もう。

なんだか話がそれましたが、今週のプチ萌えツボ。
 蘭丸が去っていく先に待っている馬上に誰かいる。
うっひょー! 蘭丸の馬じゃないんですねー。馬から降りずに遠くで待ってる誰か、なんてアナタそりゃーもうウフフフフ。漢字にすると右府府府府?(やめんか)

キレイどころが露払いの後にご登場は、今回のタイトルロール・伊達左京大夫輝宗様です!!!
きゃーっ!!カッコイイーッ!!てか、カッコ良すぎーっ!!!
はあはあはあ、息切れするほどカッコイイです。いまだかつてこれほどまでに伊達輝宗およびその叔父さん・兄弟たちがカッコよく描かれたマンガがあったでしょうか? あったら教えて。
村田と国分は一門でいいのか?とか思っちゃいけません。そもそも例の席次・家格が制定されたのが政宗時代だそうなので、この時点ではみなさん「親類衆」という意味でオッケーでしょう。
伊達宗家の旗の下に集いますが家臣というわけではない関係。現代に親戚で集まったとき本家に臣従するわけじゃないのと似たような感覚だったのかしら? それぞれ力のある家に養子に出た方々ですから、背負った家の矜持もあります。長幼の序もあります。宗家の嫡男だってそれなりに気を遣って顔を立てるべき親類衆。それを恫喝しちゃう輝宗様の力強さったら!!

宗家の主が恫喝して、一門筆頭が土下座ですよ! これで従えないなら、この場で伊達家に背を向けるしかないのでは。文句の言えない状況を作り出して見せた、ある意味出来レースと言えん事もないパフォーマンス。これが大人の男のしたたかなカッコよさだと思うのですよ。
輝宗様と実元叔父様の間に事前の打ち合わせがあったかどうかは知りませんが、あってもなくてもとにかくこれができちゃう時点でカッコイイ。政治してる!って感じ。

今号のバンチは、めずらしく『義風堂々』でも景勝さまがステキに見えたし(笑った!笑ったよ!真田信繁を見て景勝さまが笑ったよ!逸話によると上杉景勝はペットの猿がふざけてるのを見て微笑んだのが唯一の笑顔目撃例だと言われているので、三段論法でいくとこの信繁がペットのお猿!(違))、『紅蓮の花』の兜をつけた幸村が7割増しにいい男に見えたし、『泣く男』ラストの主人公の笑顔もよかったし、かなり満足だなぁ…

でも一番よかったのは何といっても、輝宗様&一門衆の見開きが中綴じ本の真ん中になっているところだ! サンキュー台割の人!

第37話 苦渋の決断!の巻

2010-07-10 00:24:45 | 伊達の鬼萌え
国分盛重の見事なジャンピング土下座から始まった今週の『伊達の鬼』。宗殖おじさまの「国分 貴様ッ!!」というセリフはやはり「彦九郎 貴様ッ!!」だったりしたら私に大好評でしたね。(なにをゆうとるか)

無垢でかわゆらしい小次郎のあとに登場した小十郎の悪そうな顔がたまりません。これでこそ「伊達の鬼」。
去り際に「あッ!!!」と大声上げてポンッと手を打つコマの、ビクッとする3人が超キュート。中でもお東様のビクッがめちゃめちゃ愛しい! 小十郎、悪いなー。「刑事コロンボ」手法ってヤツですかな。

そして…あの見開き……

マジでホントにビックリした―――っっ!!

帰りの電車の中で読んでたんですが、あまりのショックに瞬時に次のページに逃げてしまいました。そしてそのまま、ことさら丹念に1ページずつバンチを読み進め、しばらく編集後記ページを見つめてから改めて戻って読み直しました。
小十郎、鬼だ。お東の方より一枚上手な鬼だわ。その本気にうろたえるお東の方の愚かしさがいとおしくてたまらない。
ここらへんの、それぞれの立場と得られる情報の差と採り得る、または、採らねばならぬ方策と根底にある心情の描写が優れていると思います。つまりこれが、キャラが立ってるってことなのかしら。

手法的には、前に『天翔の龍馬』でもやったことなんだけど、インパクトは比じゃなかった。まあ受けたショックの中には「ここで?!」という気持ちもあったんですけどもさ。(小田原参陣のときじゃなくって?!という意味で)

ラストの、哀しげに目を伏せる小十郎の表情は深みがあります。
この後、お東様や小次郎たちとの関係はどうなっていくのでしょうか。ストーリー展開にすっごく興味が深まりました。
しかし、「次号、いよいよ相馬最終決戦へ! 政宗の家督相続のため小十郎は戦場を疾駆する!」の予告あおり。うーん、なんとなく、バンチの終わりと共にいったん終わる、って道筋に向かってるような気がするのは深読みしすぎでしょうか?

第36話 大馬鹿者!の巻

2010-07-09 23:32:23 | 伊達の鬼萌え
先週号の感想です。
一週間UPしなかったのは、W杯の寝不足がたまって常に眠気に襲われPCにさっぱり火を入れなかったせいばかりではござんせん。
カラー綺麗だったしさー、とび丸に「大馬鹿だよ!」と言われて「ああん?」という顔をしている成実かわいかったしさー、スナイパー小十郎を目にした途端涙ぐむとび丸にも萌えたし、戸板の上でボロボロ泣いてる戸兵衛もキュートだったし、真打登場!の若様もカッコよかったし、時間と空間の「?」などドラマの前には瑣末、瑣末。

でも、『伊達の鬼』を読み続けて初めて「これは違う」と強く思った回だったんです。

成実が、目を閉じて槍をふるう理由。
「目が見えるとすぐに大将首を刎ねてしまい、戦が終わってしまうであろうが…
それでは、…つまらん」


何この快楽殺人鬼。

好戦的、血気盛ん、という部分を表した描写だということはわかってるんです。ハイ。
でもね、成実は伊達一門筆頭の嫡男なんですよ。「すぐに大将首を刎ねて戦を終わらせる」ことができるのならば、味方の兵を損じずに勝利を得られるからmuch betterである、という方向に思考を向ける立場の人間であって欲しいんですよ。自分が暴れまわってたくさんの兜首をあげる時間が欲しいと思うのは、もう少し下の立場の人の言い分であってほしいなー……

ハイ、わがままですね。もしかしたら史実成実がこんな人だったのかもしれないじゃないですか。そうは信じたくないですが。むしろそんな考え方に偏ったら、実元パパがおしりペンペンしてくれることを希望するんですが。

でも、その感想をUPするのに一週間寝かせました。実はこれが、成実の若さ故のあやまち、という描写で、次号で実元パパのおしりペンペンシーンがあるんじゃないかと期待して……あるわけがありませんね。

まあ、そんな偏ったわがままはさておき、成実の十文字槍の使い方が果てしなく薙刀チックなところは激萌えでした。成実かわいいよ成実。