前回登場で惚れた八坂孫三郎がぁ――ッッ!!
少女マンガで言えば「ひとめぼれしたイケメンの彼は、学園の生徒会長で、しかも隣りには可愛い彼女が!さあどうする?!」みたいになるところでしょうが、「ひとめぼれした強面(イケメン)の武将(かれ)は、敵軍の殿(しんがり)で、しかも可愛い軍師の長巻で首チョンパ!さあどうする?!」に。…さあどうするじゃねぇよ。
いやぁぁぁぁだめぇぇぇぇ孫三郎ぉぉぉぉぉ、もう少し、今少し支えてくれたら義胤様が来てくれたのにぃぃぃぃ!!!
これは、ひとめぼれした彼に死んで欲しくない女の叫び。
お話の展開としては、たった2週しか登場してないキャラの一騎討ちにこんなにゾクゾクしたのは前代未聞です。
孫三郎と小十郎の間に、それまで何かの因縁が描かれているわけではなく、おそらくあるのは「槍の孫三郎」の武勇評判だけ。つまりこれは、個人対個人の一騎討ちではない。金山城と相馬武士たちの心意気を背負った孫三郎と、伊達の軍勢を動かす責任を背負った小十郎との、相馬軍対伊達軍のぶつかりあいの象徴・イデアとも言える戦いであるわけです。
軍隊対軍隊の近代的≒人間味の少ない戦い方へと変貌を遂げる戦国時代の過渡期に、古式ゆかしい美学ともいうべき時間が流れます。
そして孫三郎は、殿となって皆を城中に退かせるだけではなく、自らも「良き死に場所」と思える死をもってして前回で心乱れバラバラになりかけた相馬軍の心をひとつにまとめました。これは物凄い「采配」です。
「してやられ申した… 勇敢なる相馬武士の心意気に!」
伊達の軍配者、完敗を認める一言です。
もうね、戦の大局としてどうだったか、なんてことは言うだけ野暮。
一瞬一瞬に花を咲かせて生きる、そして死ぬ。これがその花か、と。そんな気持ちに少し近づけた気がします。
それでも花は咲いて実になり次代に繋がっていくものです。孫三郎も決して衝動的に刹那に散ったのではありません。長い過去を背負い、相馬の、伊達の、奥羽の未来を見据えて咲き続け美しく散った花です。
そんな風に感じられた一騎討ちでした。
惚れた男に死なれたので感傷的です。
少女マンガで言えば「ひとめぼれしたイケメンの彼は、学園の生徒会長で、しかも隣りには可愛い彼女が!さあどうする?!」みたいになるところでしょうが、「ひとめぼれした強面(イケメン)の武将(かれ)は、敵軍の殿(しんがり)で、しかも可愛い軍師の長巻で首チョンパ!さあどうする?!」に。…さあどうするじゃねぇよ。
いやぁぁぁぁだめぇぇぇぇ孫三郎ぉぉぉぉぉ、もう少し、今少し支えてくれたら義胤様が来てくれたのにぃぃぃぃ!!!
これは、ひとめぼれした彼に死んで欲しくない女の叫び。
お話の展開としては、たった2週しか登場してないキャラの一騎討ちにこんなにゾクゾクしたのは前代未聞です。
孫三郎と小十郎の間に、それまで何かの因縁が描かれているわけではなく、おそらくあるのは「槍の孫三郎」の武勇評判だけ。つまりこれは、個人対個人の一騎討ちではない。金山城と相馬武士たちの心意気を背負った孫三郎と、伊達の軍勢を動かす責任を背負った小十郎との、相馬軍対伊達軍のぶつかりあいの象徴・イデアとも言える戦いであるわけです。
軍隊対軍隊の近代的≒人間味の少ない戦い方へと変貌を遂げる戦国時代の過渡期に、古式ゆかしい美学ともいうべき時間が流れます。
そして孫三郎は、殿となって皆を城中に退かせるだけではなく、自らも「良き死に場所」と思える死をもってして前回で心乱れバラバラになりかけた相馬軍の心をひとつにまとめました。これは物凄い「采配」です。
「してやられ申した… 勇敢なる相馬武士の心意気に!」
伊達の軍配者、完敗を認める一言です。
もうね、戦の大局としてどうだったか、なんてことは言うだけ野暮。
一瞬一瞬に花を咲かせて生きる、そして死ぬ。これがその花か、と。そんな気持ちに少し近づけた気がします。
それでも花は咲いて実になり次代に繋がっていくものです。孫三郎も決して衝動的に刹那に散ったのではありません。長い過去を背負い、相馬の、伊達の、奥羽の未来を見据えて咲き続け美しく散った花です。
そんな風に感じられた一騎討ちでした。
惚れた男に死なれたので感傷的です。