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きもちばかりで

片倉小十郎景綱に興味津々

余は満足じゃ……

2010-04-15 21:27:22 | 本が読める幸せ
『伊達成実』、読み終わりました!
最後の方、ちょっと駆け足になるのは仕方ないです。大坂の陣後の成実を、というか、戦国武将をこの丹念さで描くのはまた別の物語になってしまいますしね。

***以下、ネタバレまくり


1st奥さん(亘理源五郎重宗女)も、2nd奥さん(二階堂盛義女)も、控えめだけどステキに描かれてて嬉しい。
ついでに小十郎も控えめだけどステキに描かれてて嬉しい。
綱元が「親友」って。それはともかくこちらも控えめだけどステキに以下略。

終始、成実の立場にたってストーリーが進行していくので、正に伊達成実の人生を見ている気持ちのままで読み終えることが出来ました。
だからといって、周りの人々が沈んでいるんじゃなくてちゃんとキャラ立ってるの。

実子2人ともに先立たれてしまった父としての哀しさもきちんと表現しつつ、大仰な悲劇にはせずに抑えてくれているのでかえってこちらの胸にはくるものがありました。

そして、成実出奔と角田城の接収。
 やったー!私と同じ考えだー!
……などと喜ぶシーンでは全くないワケですが。

出奔より先に、1st奥さんと娘さんは亡くなっていること。
抵抗して死者を出したのは角田城そのものではなく羽田屋敷であること。
つまり、「屋代勘解由兵衛が政宗の命令で角田城にこもる成実家臣と妻子を皆殺しにした」なんていう必要以上にショッキングな事件とはちょいと違うんだということ。

不勉強というか未勉強というかスタートラインにも立ってないというか、な私が漠然と考えていたシーンを小説で読めて嬉しかったです。

著者の近衛龍春氏、『片倉小十郎景綱』を書いたときよりずーんとパワーアップしてる気がする。
常に勉強を続けてらっしゃるんだろうなぁ…。しかも、別に伊達家周りだけ勉強してるんじゃないだろうから、ホント、作家ってすごいなぁ。

近衛龍春氏の『伊達成実』

2010-04-11 18:18:18 | 本が読める幸せ
成実かわいいよ成実!

のっけからトチ狂っておりますが、まだ半分も読み切れていません。

『伊達成実 秀吉、家康、景勝が欲した奥羽の猛将』
 近衛龍春 著 発行:PHP研究所
 文庫 税別 838円

一気に読み終えてしまうのがもったいなくて、通勤電車の中でちょっとずつ読んでいます。(朝はラッシュで、自分の体の前に本が読める程度の空間ができたときしか読めないし、帰りはこのところ残業続きで頭がサッと切り替えられず本を開いていなかったりもしました。でもある日には、成実に夢中で一駅乗り越したことも。)

冒頭から3連発の実元パパとの掛け合いに、既に心を鷲掴み。時宗丸かわいいよ時宗丸!(※成実も実元も幼名・時宗丸)
梵天丸も元服したんだから自分も!と対抗意識を燃やすガキんちょ。政宗が初陣と聞いて自分も!とパパに詰め寄るガキんちょ。藤五郎かわいいよ藤五郎!(※成実も実元も通称・藤五郎)
他にも、政宗の家老双璧として小十郎に対抗意識を燃やしてみたり、先陣は絶対俺だ!とこだわってみたり。
これだけ書くとただの猪突猛進くんみたいですが、一般的によく言われる「伊達成実」のイメージである、竹を割ったような性格・勇猛果敢・他に優しく己に厳しい男っぷりの良さが、丹念に戦闘を追うストーリーの中からにじみ出てきます。右手の火傷に悩んでみたり、妻子ラブラブだったり、ほんに良い男で嬉しいっ、こんな成実を待っていたぜ!! そして小十郎がずっと忙しそうだ(笑)

伊達成実についてたくさん勉強したわけでもないのに、何故か私の中で実元・成実親子はサッパリと気持ちのいい男たちなんですよ。何の影響だろうー大河ドラマ『独眼竜政宗』かな。(三浦友和は別に好きな役者じゃないんですが、あの劇中では神だった……。最近DVDで観たクチですが、これリアルタイムで見てたらハマってただろうなー。)
それとも、こんな腐ブログからは申し訳なくてリンクできない歴史研究系神サイト様たちのおかげかなー。
ま、それ以前に思い込みが激しいのは腐女子だからでしょうな。

戦国BASARAに成実がPCで出たら政宗や小十郎より人気あがっちゃうんじゃないのー?なんて妄想までしてます。あ、BASARAアレンジでどうなるかにもよるか。(あの小早川秀秋は×××……すでに人類の範疇に入ってない気がする。節足動物?)

……とか言っても、まだ読み終わってませんから(笑)、今後の展開でちゃぶ台をひっくり返すようなことにならないことを祈りつつ、明日も電車を乗り越したいと思います。

ハートフル戦国スイートホームストーリー

2010-04-02 12:11:11 | 本が読める幸せ
先日、書泉グランデの日本史コーナーで見つけました。

『片倉小十郎 ひとつの巨木を墓標とした男の生涯』
 黄金寅森・著 発行:創栄出版 税別 1,429円
 ソフトカバー 316ページ
 カバーイラスト:著者の甥っ子
 題字:甥っ子の姪っ子

またも創栄出版!
またも黄金寅森!

創栄出版様は、『白石城主片倉氏と家臣の系譜』を出してくれた、仙台に本社がある自費出版メインの出版社。もう足を向けては寝られません。
著者の黄金寅森氏といえば、私の2人の戦国BASARA師匠のうちK師匠から「小十郎がいっぱい出てるよ。直江本なのに」と教えてもらった本の作者でもあります。

『直江兼続 謙信から鷹山へ時代の懸橋となった男』 上・下
 黄金寅森・著 発行:文芸社 各巻 1,470円
 ハードカバー

この本の兼続と小十郎は同じ志を抱く心の友で、私は「アンとダイアナ」と呼んでいます。読後に残る印象は仙桃院さまと樋口家のあったかホームドラマ。いえ、ちゃんと上杉の戦いも描いてるんですがね。ホント、登場する人たちがみんなあったかくて。血湧き肉躍る戦国の戦い・武家と武家との丁々発止・どろどろとした御家騒動……なんてものを求めている層には物足りないだろうなーと思いながら読みましたが私は大好き。
だって直江山城守と片倉小十郎がアンとダイアナですよ。互いに尊敬しあってて親切で、ペンパルの上、会えば夢を語り合っちゃうんですよ。でも戦場で対峙すれば互いの立ち位置を揺るがせず戦う。こんな切り口の戦国小説もあるんだなーとほこほこしながら読みました。「直江と片倉ってそんなに接点あったか?」なんてツッコミは野暮野暮。

そして今回の『片倉小十郎』。著者紹介を見ると前作の合点がいきます。
「大河ドラマ独眼竜政宗以前からの小十郎ファン。本作は構想20年以上、執筆2年+α。親族が協力して仕上げた意欲作。」
ファンだったのかー。(親近感MAX)
本作にも兼続が出てきます。アンとダイアナです。むしろ前作を読んでからこちらを読んだほうが楽しめると思います(片倉景広おにいちゃんの話とか設定が同じで)。

いや~もう全編ぬくぬくのほこほこで。本の帯にあるコピーは何か勘違いして書いたんじゃなかろうかって感じです。こういうところをピックアップしないと売れないってことなのかな。それとも逆に考えれば、ぬくぬくほこほこの大好きな私が読むからぬくぬくほこほこ部分が心に残ったのであって、コピーを書いた人にはこういう風に読めたのかな。
ちなみにそのコピー抜粋。「保春院のわが子政宗毒殺未遂事件は史実の改竄だった! この小説には400年の時を越えて、その真相を探る初の試みがある。」 ……まあ「試みがある」と言われてしまっては、無いとは言えないね、確かに。

人が人に優しくできる時。それは、必ずしもその人が満ち足りていて余裕があるってことではないと思うのです。その人なりに、自分がどこに立っているかを知っている、もしくは認識するだけの知性を持っている。家族や社会との絆を知っている。接する相手を尊重している。好き/嫌いや同盟/対立から生ずる相互的な関係性ではなく、個々の存在と立場を尊重する気持ち。つまり自立。精神的に自立している人は、自分が社会的に孤立してはいない、ということを知っているんじゃないかな。
そういう、しっかりと地に根を下ろしているが故のぬくぬくほこほこ感でいっぱいな戦国時代小説だと感じております。

天国と地獄

2010-03-27 22:55:00 | 本が読める幸せ
今日の予定。
1.朝イチで国会図書館に行き、紛失した利用者カードの(ごめんなさい)再発行をしてもらう。
2.お昼を食べたら東京都立中央図書館に行き、噂の地方史コーナーを拝む。
3.その後いろいろ買い物など済ませて帰宅。

のはずだったのに、何故国会図書館の閉館お知らせ館内放送を聞いていたのやら。図書館恐るべし!(違)

だってだって今日はふと横を見たら、今まで入ったことのなかった部屋をみつけちゃったのよ。その名も「人文総合情報室」
開架式。調べ放題読み放題。なにこの天国。
しかし、天国という名のアリ地獄でもあります。朝イチで入ったのに気がついたら閉館。その間食事もトイレも行かなかったって自分でもどうよ。

しかし都立中央図書館の地方史コーナーはさらに充実した開架式だという話。……じゅるり(ヨダレ)

桜は開き始めてたし、ツバメはいっぱい飛んでたし、ほんに良い天国地獄でございました。

だてなるみ@天下のヤフー

2010-03-09 23:00:00 | 本が読める幸せ
一体何の検索をしていてひっかかったのかわからないのですが、なんと、伊達成実(しげざね)がタイトルの文庫が出るらしいです!!

『伊達成実(しげざね)』(仮) 2010/4/3発売予定
近衛龍春 著 発行:PHP研究所
文庫 税込み 750円

PHP文庫の武将シリーズのひとつですね。近衛さん、同文庫で『片倉小十郎景綱』も出してらっしゃいますね。
成実(しげざね)は魅力的だからな~。どんな本になるか楽しみです。どの説を使ってくれるかの注目はやっぱり成実(しげざね)出奔と角田城の接収でしょうか。私は、妻子殺害はなかったと思ってます。根拠?これから探すさ、じっくりとな!
帰参のシーンが感動的だったのは、永岡慶之助の『伊達政宗』ですかね~。じらしやがってコノヤロウ、と洟をすする感想。へっ、おかしいな、目からよだれが出らぁチクショウメ。(何のキャラだ)

『最上義光』がタイトルの本が、『最上義光』を読んでいるのか『伊達政宗』を読んでいるのかわからなくなりそうな代物だったので、『伊達成実(しげざね)』には是非頑張っていただきたいところです。
もちろん成実(しげざね)の話は政宗抜きには語れませんが、『最上義光』はね~…読んでて「そこ、まーくんいらんだろう!」とのツッコミを何度入れたやら。政宗がページ数の水増しに使われてるみたいな印象で、義光好きな心と政宗好きな心の両方が不満ブーブーでございました。

で、今日のブログのタイトルは何かと言いますと。
件のひっかかったヤフーショッピングのページ。
「関連キーワード:ダテナルミ だてなるみ」
……なるみかぁ… うん、そうだよね。最初読めないよね。私も読めなかったもん。でも天下のヤフーが…自信を持ってお送りするだてなるみ!って感じで。
やっぱり戦国姫とかを参考にしたのかしら。えっ、じゃあまさか最上も「もがみん」って?!


「もがみ よしあき」でした。 ←見てきた。
よかったね、「よしみつ」じゃなかったよ伯父さん!


追記: 記事ちょっと修正しました。しつこくしつこくしつっっっっ     っっこく、(しげざね)を入れてみました。自己満足。