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きもちばかりで

片倉小十郎景綱に興味津々

本のヤケ買い

2010-11-04 00:10:00 | 本が読める幸せ
ちょっと無茶な残業を続けていたら体調を崩しまして、元の軌道に乗せるまでかなりかかりました。
20代に平気だったことがこんなにもダメージに! そしてリカバリーに時間がかかる! 基礎体力つけなくっちゃだわ。

調子が低迷して気持ちがすさむと、ついつい逃避行動に本を買ってしまう財布に優しくない性質。だって図書館に行く時間と体力と精神的余裕がなかったんですもん。(それのどこが言い訳になるのか自分)

コミックスになるのを楽しみにしていた『つらつらわらじ』(オノ・ナツメ、講談社)とか、文庫本になるのを楽しみにしていた『のぼうの城』(和田竜、小学館)とか、『戦国BASARA 3 - ROAR OF DRAGON-』(大賀浅木、集英社)と『TVアニメ 戦国BASARA』(佐々倉コウ、角川電撃コミックス)がごっちゃになっちゃって、あれ?話が繋がらない?とか混乱していたり。

ものすごく久し振りにアニメ雑誌を買って、やっぱり大人になると面白く感じないんだなー、としみじみしたりもしてました。
いえ、面白くないんじゃありませんね。萌えどころが変わってるんですね。
そういえば、大河ドラマ観たり戦国ものマンガ見たりしても、昔は思いませんでしたもの。
 「元服後なのに前髪がフワフワ長い武将って気持ち悪いなぁ」
 「大名と側近が外歩くのに着流し(袴なし)ってだらしなくてイヤだわ」
なーんて。

ちなみにこの感覚はかなりいーかげんでして、前髪フワフワな家老(例:某・愛の大河ドラマ)はひっかかるけど、総髪の大名(例:某・歴代最高視聴率大河ドラマ)はカッコイイ~(はあと)になったりするのでした。
胸を張って言おう!偏見であると!

お外で着流しの大名&側近はマンガ版BASARAですね。着流しがイヤなんじゃなくて、袴なしなのが気持ち悪い。かといって小袖というよりは現代の着物に近いデザインなので今でいう「パジャマで出歩いてる」って雰囲気でもないんですよ。なんだろう、このビミョ~なモヤモヤ。
そもそも他のコマではみなさん例のコスチュームなんですから、何を気にすることがあるってんだい。
アレですよ、アレ。思いっきりかけ離れてるとかえって気にならないけど、リアルに近づくとビミョ~に気持ち悪いってアレ。四足歩行ロボットのBigDogくんみたいな。なんて言うんでしたっけ……『無気味の谷』?

なんで政宗様と小十郎の着流しが『無気味の谷』だという結論に陥るのか。


気を取り直して、いろいろ買った本の中でなかなかのお気に入りだったもの。

『週刊 絵で知る日本史』
 集英社ウィークリー・コレクション 各号税込・580円
合戦屏風絵にスポットをあてての読み解きシリーズ。いろんな部分をアップで見れて面白いですね。もちろん、もっと詳しく解説してくれている本はあるのでしょうが、初心者としてはお手軽ウィークリーシリーズでウレシイです。しかもデアゴスティーニ方式じゃないから1冊独立して完結してるのが更にウレシイっす。

『戦国武将兜百撰』
 笠倉出版社 571円+税
表紙に「鑑賞に役立つ具足ビジュアルガイド、博物館案内つき」とあります、所謂甲冑写真集。なんですけど、紙面デザインと写真が面白い。四角四面に全体像を並べるんじゃなく、物によって部分アップだったり写真自体に効果がかかってマットなイメージに印刷されていたりとデザイン重視。ものすごい部分アップになってる具足もあったりしてなかなか楽しいです。
なんとなーく雰囲気が以前に見たムック『新説・戦国英雄伝 片倉小十郎×伊達政宗』に似てるなーと思って奥付を見たら、編集が同じカワイオフィスでした。でもあそこまで読みにくくはありません。それでもバックの写真の色と重なって文字読めないトコありますけどね(笑)


他にも買った気がするんだけど、どれだったっけ……
あ!『コミックゼノン』も買ったんだ! これについてはまた改めて後日にでも!

読了・泣ける政宗本

2010-08-08 19:41:45 | 本が読める幸せ
読む場所注意。というか、読み終える場所は自宅推奨。

『伊達政宗、最期の日々』
 作: 小林千草  講談社現代新書
 280ページ 税別 760円

『木村宇右衛門覚書』の中から政宗の最期を迎える年・寛永十三年(1636)部分を、文学博士である小林氏が「日本語」という言語の観点から詳細な読み解きを加えてくれた一冊。戦国~江戸初期の文化・武士の死生観などもあわせて解説してくれています。元は4つの論文を新書にまとめた…とまで書くと硬そうな内容に聞こえますが、ですます体でやわらかに書き下ろしてくださっているので私のような初心者にも嬉しくはまりこめます。

はまり込んだ結果が、これだよ。涙と鼻水、大増量。

嫌な予感はしてたので(『木村宇右衛門覚書』の後半を読んだときも、『伊達政宗言行録 政宗公名語集』の後半を読んだときも同じだったので)、後半は昨日自宅で読みました。電車の中では後半を読まないほうがいいと思います。
内容は、政宗が死期を悟って将軍家に暇乞いをする為に病身を押して国許から江戸に行くところから、江戸に着いてするべきことをすませ、将軍・家光からのありがたい心遣いを受け、あとは静かに死に向かっていく部分ですから、そりゃー涙も出ようというもの。
木村宇右衛門は、常に側に仕える小姓としてドキュメントを残してくれ、著者の小林氏はその各部の文章の中からポイントを抜き出して言語的・文化的解説をしてくれているんですが、それがいちいち…「おまえら、俺を泣かそうとしてるだろ!そうなんだろう!」というくらい。
いえ、情動に傾倒してるとかじゃないですよ、むしろ淡々と静かに時間が経過していく故に、避けられぬ瞬間をこちらが自覚してしまい逃げ場が無いという罠。

そして、解説はどこをとっても面白いです。現代の感覚や生活習慣との違いも解説してくれて、だからこの時のこの人々の気持ちはこうだった、とか教えてくれるので本当に勉強になります。これを踏まえてまた『木村宇右衛門覚書』を読み返してみたら、他のパートもさらに楽しめると思います。まあ、つまり、初めて読んだときの私はほとんど理解してなかったってことですけどね。はっはっは。

『伊達政宗言行録 木村宇右衛門覚書』
 新人物往来社
 編: 小井川百合子  ハードカバー・函入り
 税別 13,000円

前半の政宗むかしがたりには教訓も多いですが「若いときにこんなことあってさー」という面白話もいっぱいです。
政宗様、それ絶対フカシだろう!とツッコミ入れたいこともいっぱいで。政宗と小十郎と松川与介と黒脛巾の者2~3人で変装して佐竹の陣屋に忍び込んで偵察&悪さして帰ってきた、なーんて話は眉唾だけども面白いから是非信じたい(笑)。
先日のギャラリートークの時に菅野先生もおっしゃってましたが、記憶があやふやというか、混ざってしまっているのか、話の通りの戦はなかったりとか、醍醐の花見と吉野の花見の出来事をごっちゃにしてるんじゃ?と思われる部分もあったりとかで「政宗自身が話してるからすべて本当だ!」とは一概には言えないそうです。
それでも、政宗自身が話したことには変わりはなく、当時の人々の気持ちに触れることができるのは本当に大きい。ジェネレーション・ギャップなんてもんじゃないですもんね、400年!!

こんな小田原評定見たことない!

2010-08-01 23:32:23 | 本が読める幸せ
タイトルは、言わずと知れた『戦国BASARA 3』キャッチコピーのもじりです。あっちの方は最後に「(笑)」が付きますが、こっちはまじめに魅力的な「小田原評定」です。

『風魔』上・中・下 祥伝社文庫
作: 宮本昌孝

K師匠からお借りした文庫本。風魔忍軍の頭目・風間小太郎を魅力的に描いた上・中・下巻。私は例によって通勤時間に少しずつ読み進めましたが、これ家で読んだりしたらきっと一気。各巻けっこう厚いのに。

小太郎の出番より、周りの人物や天下全体の描写の方が多そうですね。それでも(だからこそ?)、小太郎は魅力的な野生児だし、天下が転がっていく様子は手に汗握る面白さです。
まず上巻で、一般的イメージとしては悪名高き「小田原評定」の場にとっても惹き付けられたのがこの作品にはまった第一のポイントなんです。北条のひとりひとりの人物像をすごく丁寧に描いてくれているので、なんかねー、納得しちゃう。結末はアレだってわかってるのに、もしかしたら亡びなくて済むんじゃないかしら、こうこうこうしたら納得してもらえるんじゃないかしら、なんてハラハラしながら読んじゃう。

キャラが立ってるんですよね。北条だけじゃなくって、みんな。柳生宗矩ちょっと怖いけど。唐沢玄蕃ツンデレだけど。徳川家康が実は腹黒いって設定かなーと思って読んでると器の大きさに感心させられたりして。全体的には「情けは人のためならず」ってお話でしょうか? いや、その一言で終わらせられるモンじゃあないぞ。

ただ一点、こんなに面白いのに勿体無いのが、文章中の月の描写。ううう、惜しい。
作者の方は、どうやらこれを書いた当時は暦と月齢の関係を気にしていなかったらしく、空にうるさいくらいの明るさの月が出ている七月二日、なんて描写が出てきてひっかかってしまいました。
そのシーンでは「ふ、二日の月がうるさく感じられるほどの異様さを湛えた空模様って事かな? それはすごいな」とムリヤリ考えて読み進めたのですが、下弦の月が見える大晦日から元旦ではいけません。「四角な卵と遊女のまこと あれば晦日に月が出る」てなもんでやんす。
あとでよく考えてみたら、七月二日、今の8月10日前後ですか。二日月は朝に昇って夕刻暗くなる前に沈んでしまいます。

でもじゃあ、この点をもってこの作品の面白みが著しく低下するかというとそんなことは全くありません。ホント、惜しい!って感じです。月齢についてはたまたま興味を持っていたので気付きましたが、他の部分でもし齟齬があったとしても気付きませんし。はっはっは。

う~ん、しかし「今と感覚が違う」って本当に難しい。どうしても自分の生活レベルで読んでしまうから、もしも描く時代に忠実に感覚を追われてしまったら、今度は読むこっちの方が「???」でしょうしねぇ…。

ぼんたん!! 4巻

2010-05-30 14:33:56 | 本が読める幸せ
図書館に行きたいよー、と泣きながら仕事をしていましたが仕事は仕事でそれなりに面白いのでアンビバレント。

そんな中にまたK師匠情報で過たずにGET!K師匠ありがとう!
だけど丸ビルの本屋には入荷なかったよ。ちぇー。(ABCは丸の内ポイントがつく。丸善はオアゾなのに本にはポイントがつかない。まあつけてたらたまったもんじゃないと思いますが。)

『ぼんたん!! 第4巻』 発行: 幻冬舎コミックス
作: 阿部川キネコ 税抜き: 590円

伊達政宗は女性だった!というゴッツイIFネタで、カテゴリーが少女マンガであることも合わせ見ると手を出しそびれそうですが、これが面白い!!
政宗が梵天丸だった時代はもう本当に単純に可愛くって面白かった。ギャグが秀逸。作者が仙台出身で史実政宗様自体をお好きだそうで、史実ネタ満載の上にフィクションとのバランスがとてもイイ。全てのキャラが立っていて、むしろ立ちすぎなくらい魅力的。

3巻で梵天丸が政宗になってしまい、愛姫の輿入れもあり、4巻はついに大内定綱・畠山義継……となれば輝宗様の×××。
あとがきで作者自身がコメディ分がたりない巻と嘆いている通り、小手森城の撫で斬りもバッチリやります。足りないけれども入れられるところにはギャグも入ってます。がんばったね!っていうバランスです。
この後、伊達政宗が女であることと史実のバランスをどうとっていくのか、私なんぞが考えると悲劇的なことが多そうな気がするんですが、そこはお手並み拝見といきたいです。

なにしろ、この方の歴史を見る公正な視点がとても好きなんです!!
勧善懲悪ではなく、各々に各々の養うべき国があり、野望があり、幸せを求める生き方がある。優れたところがあり、愚かなところがある。すべてのキャラクターに対する作者の愛情を感じます。
4巻の主役はハッキリ言って大内・畠山らの国人たちです。猪苗代親子も出番はちょっとだけだけど、ギャグにまぎれてシビアな関係性を描き出している。このギャグにまぎれて、ってところがすごいんですよ。大内定綱のキャラなんて、笑って終わりになりそうなのにその中に彼の立場や取らざるを得なかった政治方針が表現されてるの。だから笑いが深い。3巻巻末の特別編『ほかほか☆最上一家~義姫とわしと時々オトン~』なんて、コメディなのにラスト涙を禁じ得ないほど胸にぐっときましたから。

そして策謀は情報戦。
ストーリー上の『悪役成分』のあおりを屋代勘解由がひっかぶっちゃってるところはありますが、むしろすごいよ勘解由!4巻だけ見ている分には小十郎よりよっぽど智将の名にふさわしい情報操作っぷりだよ!
しかも彼には彼の考えあっての情報操作。輝宗・政宗の基本方針から彼の好みの方向に偏って独断先行してしまったきらいはありますが、それも後の専横を理由の改易の下地と見えてドンピシャリ。キャラの作り方ホントに上手いよ阿部川先生!

あ~あ~でもやっぱり輝宗様の×××はツライですわー。これから人取橋とか本気でツライ。『伊達の鬼』でもこれから通らなきゃならない道なんだよね……しくしく。
十月八日か。輝宗様のお墓参りに行きたいなぁ。小十郎が十月十四日か。休みを取るにはなんて微妙に離れた日程!! あ、でも太陰太陽暦だったら今年は土曜日(11/13)と金曜日(11/19)か。それならなんとか……って、旅費はどこから来るのでしょう。

話はまったく違いますが、先日昼休みにコンビニ弁当買いに行ったら芸能人のそっくりさんを見て萌えてました。
「まあ!あの人 大内定綱にそっくり!」
……違いますね、「20年前の寺田農さんにそっくり」が正解ですね。

なにこの天国

2010-04-15 23:04:56 | 本が読める幸せ
東京都立中央図書館(広尾・有栖川宮記念公園内)は、平日は夜9時まで開いています。

3月末決算処理の残業が一段落して久々の5時ピタ。やあ外はまだ明るいぞ。となれば。
行っちゃいますよねー!
いえ、翌日も会社ですし、ちょっと場所だけチェックしてくるだけですよ。9時までなんていませんよ。ホントですよ。8時50分には出ましたよ。

東京都立中央図書館は、地方史コーナーが充実しています。

3階。開架式。……なにこの天国。
たまたま宮城と福島・山形が対面の書架にあるせいで、一箇所に立つだけで『白石市史』『米沢市史』最上村山、市史どころか町史クラスも『国見町史』『川西町史』二階堂二本松、てか、『伊達治家記録』『仙台伊達家家臣団事典』『石母田家文書』???私、ここに住む!!(錯乱)

いやー、鼻血噴きそうでした。

公園を散歩して到着という風情に、建物は綺麗だし、係員の皆さんは親切だし、広尾に足を伸ばせる方は是非。
(K師匠!下見はばっちりですぜ!)