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きもちばかりで

片倉小十郎景綱に興味津々

痛恨の脱字

2010-03-07 16:45:50 | 本が読める幸せ
近所の図書館でエリア内取り寄せをお願いしてまで読んだ、

『伊達政宗と片倉小十郎』
飯田勝彦 著 発行:新人物往来社
ハードカバー 282ページ

―――が、復刊.comとファンの声援のおかげで装いも新たに復刊したのがこちら、

『名参謀 片倉小十郎 伊達政宗を支えた父子鷹』
飯田勝彦 著 発行:新人物文庫 税別:667円
文庫本 366ページ

内容そのまま、文庫本になってお値段もお手頃で嬉しいづくしの1冊です。
鬼庭良直・綱元父子のお話、屋代勘解由兵衛景頼のお話、片倉景綱・重綱父子のお話、がメイン。大内定綱、伊達成実、遠藤基信、喜多……と傑物あり曲者ありの魅力的な男たちが勢揃い。(喜多姉さんはオットコマエなのでここに含む!)
史実分析の論文というには講談の精神を取り入れたような名調子もついてとっても読みやすい読み物になっているので、初心者の私にはありがたい。このドラマティックさが萌えどころ。←著者大迷惑。

ただ…もとのハードカバー本に誤字脱字が散見されたので、復刊にあたり直してくれるかなーと思っていたら、本当にそのまんま復刊。いいやらわるいやら。
中でも痛恨の脱字が、小十郎の命日なんです。く~っ、惜しい!
「景綱の死は政宗に先だつこと二十一年、五十九歳の生涯であった。没年は大坂「夏の陣」の終った元和元年(1615)十月四日である。」
うわーっ!「十」が抜けたーっ!!

小十郎関連の本を読むと、そのうち何冊かに「命日 十月四日」と書いてあるのですが、もしかしてこの名著を参考にした記事だったのかしら。
それともどこかの歴史書にはそう出ているのかしら。

ただ、片倉代々記にはハッキリと 「十月十四日」と書いてあるし、菩提寺の傑山寺さんのサイトも「十四日」ですからこれは間違いないかと。


余談ですが、四日なのか十四日なのか迷っていた頃に初めて白石旅行をして傑山寺にもお邪魔したんです。(いい墓地でした~。奥様矢内氏のファンになって帰ってきました~)
景綱の墓標・杉の木の左右に「傑山寺殿之殉死」の墓標がありまして、杉の木に向かって右側に「道漢宗節之墓 氏家藤権左衛門直通 享年四十三」、左側に「還忠道節之墓 石田八郎兵衛常信 享年四十二」。そこに彫られた日付が「元和元年乙卯十月十四日」
景綱の命日が「四日」だったら十日後に、「十四日」だったら亡くなったその日のうちにお供したんだな…と思っていました。
その日のうちだったんですね。きっと、遅れてはならじ!と愛馬を駆って馳せ参じたんだろうな。大丈夫。殿は先に行ってた山村六右衛門矩義とおちあってゆるりと待っててくれたと思うよ。

買っちゃった…『白石城主片倉氏と家臣の系譜』

2010-02-27 18:50:50 | 本が読める幸せ
萌えの勢いというか仕事で疲れてたというか。

『白石城主片倉氏と家臣の系譜』
 川村要一郎 訳・編 発行:創栄出版 税別12,000円
 ハードカバー 596ページ

ネットで検索しても品切れなサイトばかりなので、心のどこかで「絶版ですね」という答えを期待していたのかもしれません。丸善の店員さんに調べてもらったところ、書店の仕入れルート外にある出版物だということで。それって、自費出版?!
欲しい方は創栄出版さんに直接お電話して訊いてみてください。親切にすぐ送ってくださいます。 2010/07/16 現在 完売だそうです! 次の手段はFukkan.comかしら…

欲しかったのもあるけど、実際は図書館で閲覧&必要なトコだけコピーしようと思っていました。それを買っちゃったのは、なんていうか……この本をまとめてくれた方への敬意という気がします。図書館にコピー代を支払うのではなく、596ページの労に直接感謝と敬意をもって購いたいと思った。うーん、こんな言い方もむしろ不遜でしょうか。

兎にも角にも、系譜って面白い!
感謝と敬意をもちつつ、萌えててごめんなさいっ!!

チャレンジャーと怖いもの見たさは少し違う

2010-02-21 17:48:00 | 本が読める幸せ
あとで「買うんじゃなかった…」と思うかもしれない、むしろ思う確率の方が高いんじゃないだろうか。
そう思いながらも、他に買う本があったついでにレジに持っていってしまう。これはチャレンジャー?

『戦国武将BLアンソロジー 伊達政宗』
 発行:秋水社 発売:双葉社 税別933円 

Boys Loveです。ベーコンレタスでも備中慮外でもありません。
アンソロジーということは色々な書き手の色々な作品を集めたということであって、腐女子だからBLならなんでも好きという訳にはいきません。萌えポイントが違えばBLは凶器。「自分の萌えは誰かの萎え」とは蓋し名言かな。BLは諸刃の剣。片刃が凶器で片刃が狂喜。どっちにしろ狂気の沙汰でございます。

私の萌えポイントはと言えば、未だかつてBLと冠された出版物に萌えたためしがござんせん。なんだろーなー萌えちゃいけない物にばっかり萌えてるのかなー(『片倉代々記』とか『家臣の系譜』とか『政宗公命語集』とか……)

で、この本ですが、全体的に言って
 「買うんじゃなかった……」
面白い作品もあったんですよ。ギャグマンガは好きですねー重綱の話とか。あとシリアス系でも成実の話と小次郎生存説の話なんか好きです。
でも、中には「一生見たくなかった……」というモノもちらほら……
リスクとリターンのバランスを考えると惨敗と言えましょう。

カテゴリー名が『本が読める幸せ』なのにちっとも幸せじゃありませんねぇ。
昨日の図書館は幸せでした。思わず顔がニヤついてしまうので館内を歩いてる時に自分不審者だろうなーと思いながら歩いていました。
複写サービスの申込用紙に複写の使用目的を記入するんですが、デフォルトは「調査研究の用に供するため」。これって正直に「萌えのため」って書いた方がいいんだろうか?と半ば真剣に記入を躊躇しました。
ふと見れば館内利用カードの番号もE0871で「いい矢内」!

ここで問題になるのは、矢内氏って「やない」でいいんですよね?それとも「やうち」?(そこからかよ!)
……もういっこ言っていい? 本澤氏って「もとざわ」?「ほんざわ」?

初心者向けと思わせて実は中級者向け?

2010-02-20 00:03:15 | 本が読める幸せ
『伊達家の秘話 独眼竜一族の知られざる素顔』
 伊達泰宗/白石宗靖 共著 PHP研究所
 ハードカバー 税別1,500円

仙台伊達家十八代当主&白石実綱十七代裔孫のコンビです。
伊達さんだけだったら、その、それほどアレだったのですが、白石さんも一緒というところが萌え心を刺激しました。(萌え心?)
それと、本屋でパラパラッと見たら結構カラー写真が載っていたので惹かれちゃったというのもあり。

内容は基本ぬるいです。
でも、御家の方でないと書けないであろう切り口が随所に見られるのでそこがツボ。他の誰にも書けない本です。やっぱ数百年の歴史は伊達じゃねぇ。伊達なんだけど伊達じゃねぇ。

史実の真相とかを求めて読む本じゃあありません。きっと。
なんていうんだろう……「ああ、伊達家当主の立場/家臣の立場から書くとこうなるわけか」という空気を含めて読む、と言いますか。数百年続く御家の方々と、歴史もへったくれもない平民の自分の感覚の違いに感心しながら読む、と言いますか。
字面を真正直に飲み込んでいくとゆる~く初心者向けですが、そこらへん興味深く穿ちまくりながら拝読つかまつりましたので実は中級者向けかもしれないなぁ、と。いやむしろ平民向け?

こういう意地の悪い読み方つーか、書いてないことを得手勝手に妄想しながら読むってのが、腐女子の腐女子たる所以なんでしょうねぇ。

ひとつ冷静なツッコミ。
『貞山公諸礼御伝授巻物』の読み下し文、「おけに入つちへ入」「又つちへ入て」の「つち」って書いてあるトコ、「つほ(つぼ)」だと思う……