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ソニータイマーなどという揶揄がありましたが、ウチの初代PS3はもう十年選手で、まだまだ活躍中です。しこしこと「倉庫番ベーシック」というPS1時代のゲームを攻略中で、なかなか歯ごたえがあります。若い人はもう携帯機に避難済みの模様で、こうしたロートルの言葉は、単に害悪であるだけかも知れません。しかしあえて言葉を続けますが、こうしたゲーム機が身近にある時代というのは、市民にとって幸福な時代だと今になって思えます。教室のはずれにしか居場所を見つけられなかった青春時代の思い出が、メディアを形作る様々なガジェットの輝きによって癒やされ、手荒い操作によって埋め込まれたコントローラーのか細い傷跡が、たとえ想像の中であっても、雄渾な物語の一員として遇せられたという生々しい記憶と同期し、ふとポーズボタンを押し静寂の広がる夜更けに、致命傷を受けずに成長のできた僥倖に万感の想いをゲーム内のキャラクターに重ね合わせます。思えば、リセットボタンを押して新しい人生をやり直すというのは、浄土や極楽を望む人の願いそのものではありませんか。このさい試験など打っちゃって、ゲームにどれだけハマれるものなのか、挑戦する青春も有意義なことでしょう。大潮のごとく様々な人物が自分の近辺に押し寄せ、有形無形の交流をせわしなく重ねることのできる幸福が、生命から物質を引き算して生まれた振動のように、ガジェットを通してささやかに伝達してきます。