2001.9.11
その日はまた、世界が変わった一日でもある。
ブッシュ大統領は、こう叫んだ。「今回のテロ事件は文明社会に対する挑戦であり,新しい戦争である。」
かつて、第一次世界大戦前は、戦争というのは、領土の取り合いというしごく分かりやすい陣取りゲームであった。
当時の国際政治のスタンダードがイギリス・フランスだったからだ。(ちなみに、この二カ国ともが超植民地国)
そして、第一次世界大戦、第二次世界大戦後の戦争というのは、東西冷戦の歪みがもたらした結果であると言っていいであろう。
しかし、ソビエドの崩壊後、この二強体制が崩れ、アメリカがひとつのスタンダードになる形となった。
テロリズムとは、このスタンダードに対抗する手段なのである。
そういう意味では、このテロリズムをめぐる戦いは新しい戦争なのである。
また、日本においても、このテロをきっかけに、危機意識の芽生えがあったと思う。少なくとも、僕はそう感じた。当時は高校生で、怖いという意識くらいしかなかったけれども。
(この戦争については、これ以上はふれない。なぜなら、この戦争を語るには、十字軍、パレスチナ問題、すべての世界情勢、また宗教観にまで及ぶ必要があるので、当然ここでは書ききれないから。)
あれから4年。
世界は変わったのだろうか。
ミクロのうちでどう変わろうと、マクロな視点でみると何も変わらない。
どこかで利益を得ると、誰かが損益を被るものである。
どれだけ祈っても、あの犠牲者の方々は帰ってこない。
それでも祈る。悲劇が繰り返し起こらないように。
悲しき祈りである。