信州上田、塩田平の最奥部にある別所温泉。そこに安楽寺があります。
寺の本堂にお参りした後、昼でも薄暗い桧、杉の木立の中を少し上ると、
不思議な形をした塔が見えてきます。まるで、幾重にも重なったキノコの裏
を見るようです。
塔は鎌倉時代の中後期1290年頃の建立と推定されています。
高さ18.75m。杮葺き。外見、四重塔に見えますが、最下階の屋根は裳階
(もこし)と言われるもので、建築構造上三重塔なのです。
中国から入ってきた禅宗様に拠った最初期のもので、様式を忠実に守って
建てられていると言われます。
初層は二手先組物、二、三層は三手先組物。軒は扇垂木。二、三層の八面
に連子窓を有します。初層裳階部は出組(一手先組)、台輪に木鼻が付きます。
我が国に残る唯一の八角三重塔です。(当然、国宝指定)
まさに驚きと感嘆の入り混じったような塔との出会いでした。
写真も多く撮りましたので、次回にも載せます。








