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枯雑草の写真日記2

あの懐かしき日々を想いながら・・つれずれの写真日記です。

日本人の心が蘇る・・旧数山家住宅

2014-11-02 | 古いもの、昔の人
          英彦山神宮への昔からの参道筋に数山家住宅はありました。
          福岡県田川郡添田町津野。
          なだらかな山を背に南面してたつ古民家。疎らな家々の奥にその姿を初見するとき、
          その美しさには声をあげるほどです。
          近所の方の話によると、25年を経た茅葺き屋根の葺替えが終わったばかりだと。
          生活のない家では屋根の草むしりもなく、何といっても、中で火を焚き茅を燻らす
          ということが無いことが、屋根の寿命を縮めるようです。
          説明書きによると、桁行10間半、21.3m、梁間7.9m、寄棟造、直家。
          解体工事の際発見された墨書きより天保13年(1842)の建築と想定されています。
          当時の民家としては大型に属します。おそらく庄屋さんの家。
          東寄り5間半が床上部、西寄り5間が土間。広く取られた土間も特徴。土間には、
          くら、みそべや、まや。床上部は、ひろま、なかのま、ざしき、ちゃのま、なんど、
          おくなんど、の6間。囲炉裏の置かれたひろまの床は竹の根太の上に藁床。
          他の部屋は畳敷き。天井は竹編みむしろ敷き土置きの大和天井。(梁や下地床
          を見せる天井を「大和天井」と呼ぶようです。)部屋ごとに手法を変えた天井と
          なっています。

          昼間まだ暑さが残る日でしたが、家に入るとひんやりとした感じなのです。
          樹木に囲まれた山裾の環境と、深く分厚い茅葺屋根が齎すものでしょうが・・
          利便性に慣れ、温暖化の進行した現代。こういう家に生活するのは無理でしょうが。
          でも、この美しく素晴らしい家は、きっと貴重な遺産です。
          長い年月をかけて育んできた日本人の心を思い返すために・・そう思いました。