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枯雑草の写真日記2

あの懐かしき日々を想いながら・・つれずれの写真日記です。

「尊厳の芸術」展を見る

2013-08-27 | 古いもの、昔の人
          2010年、ワシントンのスミソニアン美術館で、太平洋戦争中の強制収容所での日系アメリカ人
          の作品を集めた「The Art of Gaman」展が開催されました。
          それは、NHKの「クローズアップ現代」で紹介され、日本での展覧会開催を望む声につながりました。
          この夏、広島でも「尊厳の芸術」展として開催され、私も見る機会を得ました。
          自由な撮影が許された展示であり、内容も深く考えさせられるものでした。
          私なりに見たものを紹介したいと思います。


 マンザナー収容所



          今からもう70年も前のこと。太平洋戦争の開戦後、アメリカ西海岸やハワイの一部に住んでいた
          日系アメリカ人12万人が、アメリカ中西部の11ヶ所の強制収容所に隔離されたのです。
          終戦後、収容所は閉鎖されますが、その後も多くの日系アメリカ人は収容所の出来事を
          語ることがありませんでした。更なる差別に繋がることを恐れたためと言われます。

          このことは、戦後35年を経た頃より日本やアメリカで、小説や映画として紹介され始め、
          特に2010年のTVドラマで描かれたマンザナー収容所(カルフォルニア州)の情景は記憶に
          新しいものです。
          強制収容とは、日系移民の長年の辛苦の末に得たすべての財産を手放すことであり、
          砂漠の中の風雨、否風砂が吹きこむ住宅での生活は想像できぬものであったでしょう。
          しかし、その時代、内地の日本人や世界各地の日系人の境遇に較べてどうだったか・・と
          問われれば答えに惑うでしょう。むしろ、戦後のアメリカにおける日系人の差別の克服にこそ
          大きな苦があったのかもしれません。

          この展覧会が語りかけるものは何でしょう・・
          強制収容所での生活、収容者が造った生活に必要なもの、生活を彩るもの・・それらのいくつかを
          見ることから、絶望に陥らず、前に向って、未来に向うしかないのだ・・という強い意志を読みとる
          ことができるように思います。人生とは何だろうか・・ということも考えさせられます。


 収容所の風景(作者不詳)(特徴ある山-ウイリアムソン山-からマンザナーと思われる)




水彩画の描かれた手紙(ミキサブロウ イズイ)


ジェローム収容所の母(ヘンリー スギモト)


子供の村(マンザナー収容所)(カンゴ タカムラ)


 野球チーム(ツールレイク収容所)




優勝旗とユニフォーム(ツールレイク収容所)



パズル(カメタロウ マツモト)


浮彫の施された蓋(ウマキチ アサワ)


椅子(ミッツ カイダ)


三段引出(ギイチ キムラ)



勉強する人(二宮金次郎)(シゲオ ナイトウ)



そろばん(ショウヤ ナカザキ)


 熊(アキラ オイエ)


COMMUNITY COUNCIL(アマナ収容所)



冬のトパーズ収容所(ジョージ マツサブロウ ヒビ)















68年目の「ヒロシマ」で

2013-08-06 | ヒロシマ
          68回目のヒロシマの日が巡ってきました。
          「原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式」と呼ばれるように、その悲劇の源たる
          核兵器の廃絶と世界平和の実現を祈念する場なのです。
          一方・・
          エネルギー利用サイクルとして完成されていない「原子力」は現在、未来の人間
          に対し極めて大きな災厄をもたらす・・
          このことは一昨年の東日本大震災下の福島の原発事故によって明示され、
          「核」に起源を共通することから、昨年のこの場においては、「ヒロシマ」の新たな
          訴えとして歩み始めたように思えました。
          今年のヒロシマでは、そのことは薄らいでいたように感じられました。
          私には、断腸の思いにも似た悲しさです。

          会場の片隅で必死に祈る人の姿を見、多くの人と言葉を交わしました。
          特に外国生まれの人のたどたどしい日本語の中に「核利用反対」の声を多く
          聞いたように思いました。

























































壁の上の植物模様

2013-08-02 | 四季それぞれに
          故郷を想う村、その3回目。
          酒造りをやめてから、もうかなりの年月が経ちました。
          酒蔵とその周囲の建物の土壁や木壁。
          その上を這いまわる植物模様・・
          今年の春の緑葉に混じって、去年の秋からの枯葉も
          しっかりと残っているのです。
          それは壁を守っているようにも、巣食っているようにも・・
          どちらが当たっているのでしょうか。
          その生きる力強さに、驚かされます。