直径20mの空の下で・・・

あるプラネタリウム解説員のひとりごと

あっ、曇ってる・・・

2005-01-08 22:59:43 | 星のこと
 本当ならマックホルツ彗星5になるはずが、ってしまいました。夕ご飯の前に見たときは東の空に冬の星座たちがきらきらと見えていたので、「よしっ」と思って、用をすませていざカメラと双眼鏡を持って外へ出ると・・・はずしていたレンズのキャップが風でゆれて、三脚にあたってカラーンカラーン。悲しいなあ。
 今日はマックホルツ彗星とすばる(M45)の接近が見られるということで、全国各地でたくさんの人が準備をしていたと思います。どこが晴れているんでしょうね?

 さて、最近生解説でもM45のお話をすることがよくあります。まあ、実際の空で見てもぱっと目立つ星の集まりなので、昔からお話の題材にしやすかったのでしょう。
 例えば、巨人族アトラスと海の妖精プレイオネの娘「プレアデスの7人姉妹」は、森で遊んでいるところをオリオンに見つかり追いかけられて、なんと5年も逃げ回り、ついにつかまりそうになって月の女神アルテミスの服の裾に隠れました。オリオンが行ってしまったあとアルテミスが裾を持ちあげると、なんと7人は7羽の鳩になり空に飛んでいったのだそうです。その後、神様が星にしたのだということですが、今でも後ろからオリオンがついてきています。追いつきはしませんけれどね。(鳩だって・・・)
 また他のお話では、昔ある村に7人の怠け者の娘がいて、働かず遊んでばかりいました。近所には働き者の3人の若者がいました。ある時、娘達は食べるものがなくなってしまったので、村の人たちにわけてもらおうと出かけました。3人の若者のところへやってきた娘達に、若者は、「食べ物はあげるけど、そろそろ働いたらどうだい?」と話をしましたが、娘達は「そんなのいやよ」と食べ物を持って逃げてしまいました。怒った若者達は追いかけますが、なかなか追いつけません。そんな様子を見ていた神様が、「こらっ、怠け者」と娘達を叱り、7つの小さな星にして空にはりつけたのだそうです。後からきた3人の若者は、よく働いたご褒美にと、きれいな3つの星にしてもらったということです。すばるとオリオン座の三ツ星のお話です。(結局どっちも星じゃないか・・・)
 ということで、マックホルツにかわってすばるのお話でした。・・・とかいってる間に晴れてたりして。

星のこと?旅のこと?

2005-01-07 22:43:56 | 日々のこと
 さっき、このブログのもとというか、Webの方に記事をUPしていて、ふと思いました。うーん、これは星のコーナー?旅のコーナー? 結局旅のコーナーに入れましたが、内容はというと、(少し古いですが)2002年の金環日食のことなのでした。それじゃあ星のことじゃないか!といわれるかもしれませんね。(太陽が星だって思ってない方いませんか?れっきとした恒星、夜空の星と同じですよ。)
でも肝腎の日食中の太陽の写真はボケボケで、花だとか、海だとか、ビールだとかの写真がメインになってしまっているのです。やっぱり旅のコーナーですねぇ。
 今になってこの記事を整理しなおしてUPしたのには実は理由があって・・・(ないしょ) 春頃のブログを楽しみにしていてください。
 金環日食はサイパンのすぐお隣のテニアン島というところで見たのですが、それはそれはきれいな空と海の島でした。ぜひWebものぞいてみてくださいね。

http://www.ne.jp/asahi/kanro/hoshizora/

マックホルツ彗星4

2005-01-05 00:58:30 | 星のこと
 あのマックホルツ彗星がついに肉眼でも楽々見えるようになりました。(楽々というのはちょっとオーバーかな?)
 今晩、あまりにも晴れていたのでちょこっとだけ外に出てみると、冬の星座たちがまぶしいくらいに輝いていて、おうし座にぼおっと緑色の淡い光がしっかり見えました。「あっ、あれ!」一応調べてみると、やはりマックホルツ彗星でした。双眼鏡(7×50)で見ると、それはもう立派な彗星であることがわかります。
 デジカメで写真も撮ってみました。30秒を2枚重ねたものですが、ぜひ実際の星空で探してみてください。また8日9日あたりには、おうし座の散開星団M45プレアデス星団(すばる)との接近が楽しめますよ!大きな画像はこちら。

http://www.ne.jp/asahi/kanro/hoshizora/cosmos_050104.html

新年に見る夢

2005-01-02 23:53:16 | 日々のこと
 新しい年の始まりは嘔吐でした。(すみません。)昨年末に家中をかけめぐった病がついに私へとやってきたのです。よりによってなぜ元日に・・・
 一日がんばりましたが、今日は仕事を休んで、病院でこれも今年初の点滴をしてきました。寝ても寝てもいくらでも寝られるのは、やはり体がそれを必要としているのでしょうね。

 ふと目が覚めてテレビをつけると、NHKで新シルクロードという番組を放送していました。そしてその後には、25年前に一大ブームを巻き起こしたあのシルクロードを放送するというのです。タイトルを見るだけで、喜太郎さんの音楽が聞こえてくるようです。まだ幼かった私は、真っ赤な空に浮かび上がる黒いシルエットの砂漠をゆくらくだに、花を飾られて砂漠で眠る美しい少女のミイラに、杏の花で埋められたフンザの谷に、心を奪われました。やがて井上靖さんの西域を題材にした小説に出会い、かの地への思いは私の成長とともに静かに心に降り積もっていったのでした。
 そして数年前、やっと近くへ行くことができました。ネパールです。ヒマラヤのふもとを歩き、エベレストを遠くに見ながら、いつかあの山の向こうに広がる歴史の道を歩こうと思いました。
 今私は宇宙(そら)にむかって生きています(天文学)が、それはどこか過去に向かって生きること(考古学)とおんなじじゃないかと思います。この世界がどうなっているのか、どこに自分が位置しているのか、そして自分は何なのか?きっと知りたいのは・・・

 さて、全部は見られませんでしたが、新も旧もやはりシルクロードは素敵でした。今夜、熱にうかされて見る夢は、きっと砂漠の王国で美人の王女さまに生まれ変わった自分かもしれません。