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 V-2復元(3)

 コロリョフをチーフとするグループは、ドイツのロケット技術を収集する任務を与えられた。
ワシリエフもその一行に加わった。

 まず、ロンドンを空襲したV-2ロケットの発射基地、北ドイツのベーネミュンデを訪れる。

 ベーネミュンデは連合軍の爆撃により、廃墟になっていた。
爆弾による炸裂孔で、辺り一面が掘り返されている。
僅かに残った建物から、ロケットに関連した部品を集める。

 次に、ドイツ南部ノルトハウゼン近郊のV-2製造工場に向かう。
工場は地下にあり、組立中のV-2ロケットが数基残されていた。

 ドイツ人技術者や労働者から情報を集め、関連する機械、部品、書類などを本国に送る手続きをする。
残念ながら、ロケット本体、部品、書類の多くはアメリカ軍の手に渡っていた。
V-2の開発主任だったフォン・ブラウンは多くの技術者と共に、アメリカ軍に投降したのだった。

 コロリョフは組立中のロケット本体を見て、驚く。
「我が国では、小さなロケットを開発している段階なのに、このような20トンもの推力を出す大型ロケットを開発・実用化していたとは!」


 ソ連は、次世代の戦略兵器となるロケットの技術を早急に向上させる必要に迫られた。
v-2ロケットを復元するべく、関係するドイツの技術者5千人を強制的にソ連国内に移し、その任務に当たらせた。

 その際、ドイツのロケット技術を吸収、獲得すべく、ロシアの技術者をドイツ人と一緒に仕事をさせた。

 ワシリエフは、ロケット誘導部の復元を、ドイツ人技術者の元で行うことになった。
ロケットの誘導は、ソ連のロケット技術中の弱点であり、ワシリエフも関係する知識をほとんどもたなかった。

 参考図:「月をめざした二人の科学者」、的川泰宣、中央公論新社、2000
     
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