1949年、ソ連は原爆実験に成功した。
その結果、開発すべきロケットの性能は、核弾頭(3トン)を搭載して、ヨーロッパ全域をカバーできる3,000Kmの射程距離を持つものとなった。
R-1ロケットのペイロード(有効搭載重量)は1トン、射程距離は300Kmだ。
そのため、開発すべきロケットは、R-1よりペイロードで3倍、射程距離で10倍の能力を持つものとなる。
ペイロードを大きくし、射程距離を伸ばすためには、次のことが必要になる。
〇機体とエンジンの軽量化
〇積載燃料及び酸化剤量の増大
〇エンジン推力の増大
各部門はドイツ人から得た技術を参考にしながら、大車輪で開発を進めた。
R-1ロケットからスタートし、弾道ミサイルR-2を3年後に、そして戦略的ミサイルR-5を6年後に完成させる。
ロケット名 ペイロード(t) 射程距離(Km)エンジン推力(t) 開発年
R1 、 1、 300 、 28 、 1947
R2 、 1、 600 、 35、 1950
R3 、 -、 -、 -、 中止
R5 、 2、 1,200、 44、 1953
この6年間にコロリョフのチームは、大きな技術的進歩を勝ち取ったのだった。
参考図:「月をめざした二人の科学者」、的川泰宣、中央公論新社、2000
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